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めぐる季節に安らぎを  作者: にじいろけだま
2/12

兄と一緒にお買い物

「お帰り、お兄ちゃん」

 兄が部活から帰ってきた。

「どこか行くの?」

「ママがね。お兄ちゃんとお買い物してきてって」

「わかった。サッカーでドロドロだからシャワー浴びて着替えてくるよ」

 兄はそう言うとママに会いに堆芽のところへ向かう。

(良いなあ部活動)

 私はポンポンがついたニット帽をかぶり、マスクをして玄関の外で兄を待つ。


 しばらくすると、兄が私のリュックを持ってやってきた。

「待たせちゃったかな」

「大丈夫、ポチがいたから」

 お腹を向けて横になっていたポチがワンと鳴く。

「あとで散歩いこうな」

 私がリュックを背負っていると、お兄ちゃんがポチの頭を撫でていた。

「暗くなる前に帰ってこようか」

 冷たい風が吹く中、私とお兄ちゃんと買い物に出かける。


「リシアちゃんにクイズです。この野菜はなんでしょう?」

「ニンジンさん、ウサギさんやおウマさんが好きなやつー」

 近くのスーパーに着くと、お兄ちゃんは私に広告の写真を見せてくる。

「正解、どこにあるかわかるかな?」

「こっち。案内するね」

 買い物かごをカートを入れているお兄ちゃんの腕を掴み、野菜売り場へ向かう。

「はやくはやくー」

 お兄ちゃんはゆっくりと歩いているため、急かしてみた。

「あったよ、なら次はこれだね」

 ニンジンや玉ねぎ、ブロッコリーを選んだあと、兄はまた私に写真を見せた。

「牛乳―。売り場はこっち」

「正解、どんどん行こうか。これは?」

「お豆腐―」

「場所はわかるかな?」

「えーっと……ギブアップ」

 降参した私に、兄は優しく声をかけて案内する。

「お豆腐はこっち」

「あとはホットケーキミックスっと」

 兄はお豆腐をかごに入れると、少し離れた場所に私と手をつないで歩く。


「あった。これで買い物は全部だね」

 兄はホットケーキミックスの箱をかごに入れ、携帯をチェックする。

「それと売り場を全部答えられたリシアちゃんにご褒美、好きなお菓子をひとつ」

「本当?ありがとうお兄ちゃん!」

 私の顔を見て兄も微笑む。

 お菓子売り場へ走る私のすぐ後ろを、兄は歩いていた。


 お菓子を選び終えると、セルフレジに並ぶ。

「せっかくだし、レジに通してみる?」

 私は元気に返事をしてお手伝いカートから商品を取り出し、セルフレジに通す。

 お兄ちゃんがお金を払い終え、サッカー台でマイバッグに詰める。

「楽しかったね」

「うん!明日年中組のみんなにお話しする!」

 スーパーをめぐり終え、ニンジンさんをリュックに入れ、お店を後にした。


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