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色覚異常症候群  作者: 黒猫のジジ
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色覚異常症候群

ピピピピ。。。ピピピピ。。。

「ん??、、ふぁぁああ眠い、今何時?」

いつになくうるさく響く目覚まし時計、あぁ忌々しい、まったく、俺はあと何回この不快極まりない目覚まし時計の音を聞けばいいのだろうか...七十まで生きるとして三百六十五かける...、やめよう、考えるだけで嫌気がさす。そもそも人はいつ死ぬかわからないんだし?俺の命日が今日だって可能性もある。今日という一日を有意義に過ごして、明日も生きていたらいいなぁ、くらいの気持ちでいよう。そう、それくらいのほうが気楽でいいじゃないか、なんだって俺は朝から目覚まし時計をあと何回聞けるかなんて言う不毛な計算をしているんだ。まぁいい。起きるか。


目覚まし時計の位置は決まっているので、いつものようにノールックで音を消した後、布団が俺を離してくれないので、布団を自分の体に巻きつけながら時計の針を見た。

時計の針は八時半くらいを指していた、学校遅刻してんじゃねぇか、と思ったやつに一言、あいにく今日は、日曜日だ。


特段俺には、デートや遊びなどといった一大イベントがあるわけでもないのだが、早起きは三文の徳なんて言葉があるくらいだし、早めに起きておいて損をするって言うことはないだろう。まぁ、三文っていうのはだいたい百円とちょっとらしいのだが...今、ご利益が薄すぎると思ったそこの君、こう考えてみてはどうだろうか、お賽銭を投げいれる際、殆どの人は五円を入れて、ご利益を享受しようとするだろう?それが言葉遊びだということは俺も知っているが、やはり神様も、五円か百円かと聞かれたら、後者の方が嬉しいんじゃないか、みたいな、なんの根拠もない御託を並べられるくらいには、俺も社会に蝕まれている。まぁ単純に、約二十倍の価値にあたる百円とちょっとの徳というのは、少し受けてみたい気もするからな。そんなことを寝ぼけた頭で考えながら、俺は昨日の出来事を思い出していた。


俺は昨日、近くの山に天体観測をしにいった。まぁ天体観測って言っても、願山という山の中にある原っぱで寝っ転がって空を見上げるだけなんだけどな、それでも俺は、その時間がたまらなく好きだった。町の明かりが消え皆が寝静まる頃、いつものごとく願山に、ある手順を踏んで踏み入れる。この手順を踏むと不思議と願山の中に少し開けた野原のような場所にたどり着けるのだ。なぜかはわからない、だか、その手順を踏まずにその場所に行くと、そこには古びた赤い鳥居が置かれている場所にたどり着く。普通こういう体験というのは、少なからず恐怖を感じると思うかもしれないが、俺の中ではこれが当たり前の世界だったので、不思議と俺は、全く恐怖を感じなかった。むしろ、そこに行くと妙に落ち着いたくらいである。


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