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僕の世界に君がいたら  作者: ケイ
0章 記憶
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記憶(1)

昔、こんなRPGゲームがあったらいいなと思っていたのを小説で書いてみることにしました。

軽くですが流血シーンなどあります。




さいごに ぼくが みたものは

ぼくに とてもにているかおが

えがおで つかんでいた ぼくのてを

はなした しゅんかんだった





頬に当たる冷たい水を感じて徐々に意識を取り戻していく。ゆっくりと目を開くと空一面に黒い雲が見えて、雨が降ってきたのだとわかった。


起き上がろうとして力を入れるが、身体と頭がズキズキと痛み、すぐに起き上がることができない。それでもこのまま寝てる訳にはいかないと思い、痛みを我慢しながらなんとか起き上がってみれば、そこは見たことがない知らない場所だった。



「ここは…どこ?」



辺りを軽く見渡してみる。だが人が通る訳でもなく、むしろここには人が住んでいるのだろうかと思うようなボロボロに壊れた建物や、焼け焦げて黒くなっている建物が見える。


知らない場所に、たった一人きり。不安な気持ちを抱えるも雨はどんどん強くなり、濡れた身体は徐々に冷たくなっていく。

とりあえず今は雨宿りが出来そうな場所を探さなければならない。歩き出そうと足を地面に着けた瞬間、強い痛みを感じた。



「っ、痛っ」



その場に座り込んで足を見ると、右足の甲が腫れていた。痛みを庇おうと出した手の甲にも傷があり、よくみれば身体中傷だらけであることが分かる。


何故こんなに傷だらけの身体をしているのか。ここに来る前に何があったのだろうと今まで起きた事を思い出そうと頭を使ってみるのだが、そこに映るものは真っ白のまま、過去の映像が何も映し出されない。



「なんで、どうして?僕は…何…?」



必死で考え何かを思いだそうとするが、何も思い出せなかった。どうやってこの場所に来たのか、何処からきたのか、今まで何をしてきたのか。


もはや僕が何者なのかさえ、わからない…


今、見えているものは目の前の壊れた建物や雨を降らせる黒い雲、そしてどこまでも続く暗い空だけだった。



見知らぬ世界で記憶を無くした僕は、何も思い出せない絶望と、この先どうすればいいのかわからない不安の気持ちでいっぱいになり、しばらくその場に座り込んだまま動くこともせず、ただひたすら雨に打たれている。長時間濡れた身体はだんだんと熱を奪われ、冷たくなってブルブルと震えていた。



「……」



頭の痛みも、足の痛みも、濡れた寒さもよく分からなくなってくる。そのうちに瞼も重くなっていき、このまま意識がなくなってしまうのを待とうと思っていた時だ。

雨の降る音しか聞こえていなかった耳に遠くの方でバシャッと、水が跳ねる音が聞こえた。何か落ちたのか、何かがそこにいるのか。


しかしそちらを見る気力はなく、そのまま何もせずにいれば、その音は徐々に大きくなっていき、だんだんこちらに近づいて来ているのだとわかった。


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