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研究のすゝめ   作者: 翠田博士
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新年度

春は感性豊かになるのか、小説を書いてみたくなり挑戦してみました。

暖かい目でよろしくお願いします。笑

新年度。


修士2年の春がやってきた。


そう、”先輩”になったのだ。


桜は満開で、そろそろ散り始める時期だろう。


こんな時期の自転車通学は気持ちが良い。つい口元が緩む。


ラボに着いて、コーヒーを淹れた。最近大人ぶってコーヒーを飲んでいる。


自分のPCを立ち上げて、ネットを開くと感染症のニュースで一杯だ。


多くの著名人も感染している。


通学のこともあり、大学の方針が気になる。


まあ、感染症のことは今は置いておくとして、


「どうすんだこの申請書のヤマは。。。」と一人のラボで独り言をぼやく。


「って、電子申請で紙のヤマはないやないかーい」と自分にツッコミも入れている。


私の所属する大学院には、博士課程進学にあたり給料・学内の豪華寮・研究費が支給される制度がある。


特に女子寮では、食事が充実している。朝食は、洋定食か和定食を選択でき、昼食と夕食は学生ポータルから


注文すれば寮からラボへ配達してくれる。男子寮では、外で食事する学生が多いことから昼食、夕食は用意されないが


外食代が研究者養成局から支給される。


ただしこの制度、ラボあたり、一年に一人のみと限定的なところはある。


この制度の応募書類がとにかく多いのだ。これまでの研究内容や進捗、業績などを書けるだけ書き、


『優秀な研究者となる素質があるのだ!わははっ!』とアピールをする。


私と同じラボには、私ともう一人申請する学生がいる。そうライバルってヤツだ。


「ハル氏ぃ〜、申請書進んでる?」とライバルでもあり親友でもあるカスミが挨拶がわりに研究室にやってきた。


「微妙かなあ、最近なんかバタバタしてるし」と笑いながら自分の中にある本当の焦りを流した。


「カスミは?」とコーヒーを飲みながら聞き返した。


「私はやめることにしたよ、進学はするけどね」と表情が一瞬暗くなった。カスミも席についてPCのモニタをつけて、


計算結果を確認し始めた。


「そうなんだ!」と私は同志がいなくなり少し残念だった反面、ライバルが減ったという嬉しさ、安心感が生まれた。


その後、会話が途切れたが、計算結果が良好だったのか僅かに彼女の口元が緩んでいた。私も緩んだ。


給湯室で彼女のコーヒーを淹れた。ひと口ワンダフルチョコも添えて彼女のデスクに置いた。


「ありがとう」とカスミは微笑みながらお礼をした。彼女の髪は、綺麗な茶色をしていて陽射しに照らされて


ダイヤモンドのような輝きさえあった。


理由については、詳しくは教えてもらえなかったし、あまり踏み込まなかった。


少しでも安心、喜んでしまって、自分に嫌気がさした。そんな新年度の始まりになった。

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