じゅんくんのコイバナ
始めての作品ですので広い心をもって読んでください
「一目惚れ」ドラマや漫画、小説などでよく聞くこの言葉、そんなもの存在しないと思っていた17才の夏、新学期が始まった1日目にその考えを否定することになる。
「こんにちは」
長く綺麗な黒髪、水晶のような瞳、形の整った鼻、リンゴのように赤い唇、
「阿倍菜高校から転校してきました」
彼女の発する音はこの世のどんな音よりも素晴らしい、文字通り絶世の美少女
「篠崎小百合です。」
篠崎小百合に、僕は一目惚れをした。
「やばくね!可愛くね!転校生の篠崎小百合!あんな娘が彼女のだったら幸せどころじゃねーよな!」
俺の隣で騒いでいるのは友達の騎我太陽、坊主頭で肌は小麦色に焼けている、野球部のような見た目だが普通の帰宅部。少し前になぜそんな格好なのかを聞いたとき
「高校球児ってさかっこよくね?」
と言っていた。馬鹿だ
「わかってないな騎我、あーゆう見た目がいい奴は性格がクズかビッチかの二択だ、完璧な女などこの世界に存在しない、つまり2次元が最高」
騎我と会話をしているこいつは松浦力、細身で目が悪く、眼鏡がなければほとんどに何も見えないらしい、俺の幼馴染だ。中学一年の時にアニメ方面に目覚めた、三時間以上かけておおすめのアニメに付いて語られた時は殴った。気づいたら俺の手が力の顔面にあった。
「いやないね、篠崎は違うねすごい優しい子だね、怪我してたら懐から絆創膏出してくれる子だよ!」
「あり得ん!何度も言うようにそんな完璧な女はいない、必ず腹黒だ!!影で俺の悪口言っているはずだ!」
「もうお前悪口言われんのかよ、何したんだよ、ってかすぐそうやって決めつけてよ、お前の悪い癖出ぞ、なぁ純」
ここでやっと俺の名前、俺の名前は井垣純、身長が175㎝で見た目はそんなに悪い方じゃないと思っている、
「そうだな、よくないぞ力、あんな子の性格が悪いわけない絶対いいよ可愛い。」
「む?純が人を褒めるなんて珍しいな、何かあったのか?」
「はっはーん、わかったぞ井垣、お前篠崎に惚れたんだろ!」
「うん、惚れた超可愛い」
「「!!」」
二人が揃って驚いた顔をしながらこっちを向いた。
「お前、一目惚れなんかあり得ないってあんなに言ってたのに、しちゃったのかよ一目惚れ!」
「まさかあの純が現実の女に恋をするとは・・・仲間だと思ってたのに!」
「勝手に仲間にしてんじゃねーよ」
「一緒に平面世界の住人になるって約束したじゃないか!」
「頭に効く薬ってあるかな?」
こんな下らない話をしてるときに俺の幸せは舞い降りてきた。
「あの、図書室に用事があるんですけど図書委員の井垣さんは何方ですか?」
そう、篠崎さんが俺たちに話しかにきたのだ、突然早く動きだした心臓に戸惑いながら言葉に詰まっていると
「井垣はこいつだよ、んで俺が騎我太陽でそっちの眼鏡が松浦力、これから一年間よろしくな!」
騎我が俺より先に自己紹介を済ませて俺達の紹介までしてしまった。
「はい、よろしくお願いします」
「よろしく」
「よよ、よろよろ、しく」
とても透き通る声で挨拶をされた、天に召されるときは今のような気分になるんだろうか。
ちなみに、あからさまにキョドっているのは俺ではない力だ、もう一度言う、力だ
「ではすいませんが井垣さん図書室へ案内してもらってもいいですか?」
「ああ、もちろん」
そう言って俺と篠崎は教室をでた、後ろから「チャーンス!大チャーンス!」という声が聞こえた気がしたがきっと気のせいだろう、それとは関係ないが後で騎我を殴ろうと心に決めて俺はさっきからやけに早い心臓の音を聞きながら図書室へ向かった。