2話:なんということでしょう、そこにはクソが。
タイトルからもう読む気なくしそうだわさ。
電車を乗り継ぎ、船に揺られのグロッキー。
(……よし、次があるなら船以外は新幹線と飛行機を使おう。)
目の前の寄宿舎を見ながらそんな事を思った入学式前日だった。
◐
昨日の体調は一体なんだったのか、という快調で開きっぱなしの我がクラスに入っていった。
一年だけで1クラス40人、全11クラスという驚異のマンモス校ぶりを誇る我が学校は今日は一年だけという事と入学式までそこそこの時間があるので人気も少ない。
入ってすぐ、人間の把握。
(高校生となり、新しい門出を迎えるのだから、"よい"スタートをきろうと思います。)
「えー、そうでもないと思うなー。」
目立つのはドアに程近い男女4名の集団。結構な美形集団で所謂パリピだ。
そこで注目すべきは今、声を発した少女。
柔和な笑顔に清純そうな見た目。男が目を向けてしまう優しげな仕草。何より他の三人と比べても軍を抜く顔立ち。女子高生というジャンルに置いて満点をあげても良い様な少女だった。
ただ…、
クソ、だった。
他の奴をバカだと思って見下し、自分が圧倒的に優れていると自負している。清純そうなのとは裏腹に彼氏作ればさっさと済まし、何かあったら第三者を平気で巻き込むだろう。あとおそらく高校デビュー。
そんな少女のいる集団に足をむけた。
「なあなあ、何話してんだ?」