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9話:ようこそ!我らほにゃらら部へ!!

 その後、カナ先輩の手解きや同時平行で部員集めに悪戦苦闘し、部室棟の一等地を抑えるという偉業を約一ヶ月で成した。


 その結果、我ら……………??


「なぁ、ここって何部だっけ?」


 定例ミーティングとは名ばかりの話し合いに本日の議題?を提示。


「そりゃあ…、あれ?ちょっとまてよ………んん?」

「あハハハ、カスもカッシーも何で、自分の所属してる部活が分かんないの?あーおかし。」


 早々に諦めた日子都(びねつ)はユイユイに耳元で教えてもらっていた。羨ましい。


「あ"?ならお前は分かってんのかああ"ん!?」


 おっといかんいかん。ユイユイを恐がらせてしまった。ここはクールに紳士的に「え?さぁ?」俺は外敵の排除を優先した。


「くぎり、目と耳。」

「はい。(しゅ)よ、すぐに。」


 くぎりはユイユイの耳を両手で塞ぎ、自身の胸で顔ごと目元を覆った。


「ぇ、へ?ふぇ。」


 ふぇ。だってよ。ふぇ。可愛い。


 一人で大きめなソファを下着姿で独占するクソに一瞬で近づき、うつ伏せになっている顎を持ち上げ、



 舌をねじ込む。



「んんンンンンぅぅううう!!」


 歯茎をなぞり、舌を絡め、口内を蹂躙する。


「ちょっと、ほとり君!?」

「ひゃり、みゃいった!みゃいったかりゃ!!ん、んん…ちゅる。んンンンン!!!!」


 びくっ、ビクビク!と痙攣した後、(クソ)は倒された。


「……で、何部なわけ?」

「えぇぇ、その話に戻るんだ…。」


 リーダーが何か言っているが、何もなかった。その証拠に解放されたユイユイが息を乱している以外何も変化はなかった。可愛い。


「日本郷土料理研究部ですよ。上解(かみほどき)さん。」


 先程から落ち着きのないリーダーをなだめながら、我らが姉御(同じ一年だが)である野乃さんが答えてくれた。


「ああ、そうそうそれだそれ。あれ?何で日本郷土料理?」


「えっと、確か名前を決めた日に向片(むきかた)が鯛めし作って、ほとりとアネさんが自分も作れるって言ったら他の奴もじゃあ自分らも作れる様になりたい。って言ったのが理由じゃなかったか?だよな小都(こと)?」


 ユイユイはソファでぐったりしている珍獣(クソ)を発見し驚いており、自身の彼女の声に気付いていない。可愛い。


「そうだそうだ、完全に思い出した。最後に作ったのはタコ飯だったよな?くぎり。」


「はい、(しゅ)よ。不肖(わたくし)めが御用意させて頂きました。」

 邪魔者(クソ)が消えた後から後ろにひかえる直接問いかけないと答えない大和撫子?(プラチナブロンド)に振ると恭しく頭を下げた。


「実際に、部活名に合った事してる人ら何て僕らくらいだろうねー。…って、そうじゃない!」


 ダンっ!と机を叩き、空気を入れ換える様に立ち上がったリーダー様は何か言いたい事があるようだ。


「おいっ!リーダー、今のでユイユイがびくっ!ってなったろうが!びくっ!って!!」


 そこそこ大きな音だったのでユイユイを驚かせる形になったようだ。今度やろう。


「っえ、いや。ごごめんね?ユイユイ。その…驚かせる気はなかったっていうか。」

「部長、さん。大…丈夫……です。」


 俺は気が反れたのを良い事にユイユイのポケットへ諭吉11号を発進。無事着陸に成功したもよう。

 対象(ユイユイ)に異常なし。本部(びねつ)への任務完了を報告する。


 ミッションコンプリート


「二持君、本題本題。」

「ああっ、…んっんん。えー、大分横道にそれましたが、本日の定例ミーティングの議題は今月のダンジョンアタックに関しての日程の希望を伺いたく思います。」


 だが、このミッション:シャドーサンタはいつもそこに。は、致命的な欠陥がある。ユイユイの困った反応が楽しめないのである。


「我々はまだ足並みを揃えられていません。ですから今月はメンバー全員での参加を積極的に行い、他の部への牽制という意味でも早期でのレベルアップに努めたいと思います。」


 日子都(びねつ)はユイユイを困らせない限りオコヅカイ制度には賛成派だ。なのでミッションへの協力は得られるが、あまり楽しめない。次の12回目で最後にしようか?


「つきましては、参加を見送りたい日などはございますか?」


 だが、知らない内にオコヅカイを渡す背徳感とハンドシグナルを用いたミッションの達成感は得難いものがある。……悩む。


「はいはい、わたしと小都(こと)は金土日月は不参加で。」


 おぉ、気付けばいきなり月の4/7(半分以上)がダメになった。


「……えぇと、槝間さん。理由は?」


「土日はデートで金曜はデートに疲れを持ち越したくないし月曜はデートの〆にエッ……にゃんにゃんするから次の日を気にしたくない。」


 びっくりするほど自分本位だな。


「にゃんにゃんて。」

「直接的だと小都(こと)が恥ずかしいだろ。」

「誉めて遣わそう。」


 嘘だ。どちらにしろ恥ずかしがるユイユイが見れたから許した。


「え~とね、槝間さん。せめて土日だけとかにしてくれないかな?」


 リーダーが困っている様子だ。仕方ない、助け船を用意してやるか。


「リーダー。…………………水曜はカナ先輩とデートだから休みがいい。あと、失礼があっちゃダメだし下調べする為に前日の火曜も空けときたいな。あと、この日とこの日とこの日、先約があってさどうしても外せないんだ。あっごめん、これ全部木曜だったわ。でもカナ先輩はこの部も"大変"お世話になっているし断るのも申し訳ない。先約の方もまさか後からの用事を優先するなんて恥知らずな真似俺にはとてもできないよ。だから、分かってくれるよな?」


 リーダーは野乃さんにすがりついた。超ダセー。


「……とりあえず木曜のこの日だけ全員参加という事で後は各々で空いているメンバーと。という事でいいかしら?」


 野乃さんはくぎりに目を向けると本人は軽く頭を下げるだけで返事を済ませた。


 これにて定例ミーティングは終了。各自好き勝手に過ごす。


 最後まで誰もクソの意見を募らなかったので、みんな慣れてきたようで俺も嬉しい。

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