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「…どう思う?」

「悪い感じはせんな。

時々妙な事を口走る事は有るが。

余りにも世間知らずな所も有るしキツそうに見えるのに泣き言も言わん。

服も妙な割には質が良さそうだし、言葉使いも悪くはない。

何処かの貴族の坊っちゃんかとも思ったが、それにしちゃ儂やコイツに対して悪い感情を感じん。

まぁコイツの相手をするのが半分以下に成る事を考えたら多少の食料の減りが早く成るのなど安いもんじゃ。

何かは判らんが面倒事に捲き込まれている気もしないではないが……

どうせ見棄ててはおけんのじゃろ?」


そう言ってポップスの頭を撫でる。

口で言う割りに愛しげに見えるその所作にスタンは少し笑いながらユウキを見る。

野宿と言ったときも驚きこそすれど嫌がる素振りは見せなかった。


色々不審な所は多い。

普通の所を探すのが不思議なぐらいだ。

最初に見付けた時の頭に鳴る警鐘は未だに止む気配はない。

そもそもあの時の余りにも異常な耳鳴りの原因は全くわからない。

どう考えてもその中心には彼が居たと考えるしかない。

他に生命有るものの存在を全く感じなかったのだから。


だがどう見ても熟睡しているところから賊の手引きの線も無くなったと言って良さそうだ。


変わらず監視は必要だが連れて行っても良さそうだな………いや、むしろ目を離すのが怖い。

離してはいけない気がする。

そこまで考えた上で彼の持ち物に手を伸ばす。

これは…初めての触り心地だが…なんだこの…金具?

そして…何も…いや、意味の有りそうなものが全く入っていない……。

無理矢理連れ去られたとしか思えない…。

その割りには悲壮感は感じないのは……。


スタンは諦めた。

全く自分の想像力の外側に在ることを悟ったからだ。

その時に彼は気付くべきだったのだろう。

が、彼は1人の旅に少し慣れすぎていた。

もう何日か後であったなら……いや、気付いていた所で何かが変わったとも思えないが。




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