第三話 神獣美少女と桜並木の登校
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「「「「うわぁーー」」」」
学校に向かう途中で、満開になった桜が通学路をピンクのじゅうたんで染める。
「桜だよ?この国、日本って言う国にしか咲かない花なんだ」
俺は、桜を見上げながら、4人にそう話す。
「さ・く・ら・・・奇麗・・・」
ハクトが、ボソリとそう言い、手を広げる。
「ご主人様・・・さくらはここでしか見られないのですか?」
青葉が、目をキラキラさせながら俺に聞いて来る。
「あぁ、この日本が桜にとって一番住みやすい場所だからね?桜は春にしか咲かないから、今のうちに、いっぱい見とくといいよ?」
「何で、春しか咲かないのですか?」
俺の回答に、今度は水樹が聞いて来る。
「ははっ・・・俺も母さんに同じ質問したなー・・・花は何時しか散るものであり、悲しく切ない、でも、その花からまた新たな命が生まれ育まれまた花を咲かせるいつでも見れる物になってしまっては感動は薄れ飽きてくるもの、1年に一度しか咲かないから、楽しみにでき、咲いたときの感動も薄れずにある、そして、こんな四季があるからこそ時間が流れていると実感できる・・・確かそんな事、言っていたよ!」
「なんか難しいね?」
俺の右腕からひょこり顔を出して火煉が言う。
「ははっ!確かに俺もそう思うよ!」
俺は、火煉の頭をポンポンと撫で、笑いながらそう言った。
「ご主人様・・・くすぐったいです!」
火煉は、くすぐったそうに笑いながらそう言う。
「あっ!そうだ、これ言うの忘れてた!」
俺は、火煉から出た、ご主人様という言葉で、とあることを思い出した。
「4人とも、学校では、俺の事、ご主人様じゃなくて、普通に名前で言ってほしい・・・かな?」
俺の言ったことを聞いて、4人とも首を傾げる。
「何で・・・ですか?」
「そうだよ!」
「その命令の・・・意味・・・わからい・・・」
「まぁまぁ、ご主人様にも、きちんとした理由がおありなのですよね?」
4人が個々に俺を見ながらそう言ってくる。
「あぁ・・・はっきり言って、外でそれ言われるのメチャクチャ恥ずかしいし、人からの注目が半端ないから・・・まぁ、とにかく外でのご主人様は、禁止!」
俺は4人にそう言うと頭に手を当てポリポリと掻いた。
「「「「はい!」」」」
4人は、少し不満げではあったが、そう言って頷いた。
「それじゃあ、今から、ご主人様の事何と呼べば?」
火煉が、首を傾げながらそう聞いて来る。
「うーん・・・名字でも名前でも、呼びやすいように呼んでいいよ?」
俺は、考えながらそう答えた。
「分かりました、神さん・・・これでいいですか?」
青葉は、首を傾げて俺に言う。
「神・・・って・・・呼んで・・・いい?」
「じゃあ、私も!」
ハクトと火煉はそう言って、俺の腕に飛びついてきた。
「では、私は、神君でいいでしょうか?」
水樹は、ハクトと火煉に飛びつかれ、バランスを崩す俺を見て、控えめに笑いながらそう言った。
「わっとっと・・・ハクト、火煉危ないからいきなり飛びつくな!」
俺は、なんとかバランスを立て直すと、そう言って2人を見る。
「「ごめんなさい」」
2人は、シュンっとなりそう言う。
「分かればいい、次からは気を付けてな?」
俺は、2人の頭にポンッと手を置き優しく声をかけた。
「うん!」
「分かった」
2人の尻尾は横にフルフルと揺れ、2人はニコリと笑ってそう言う。
「もうすぐ、学校だ!くれぐれも、約束は、守るように!」
「「「「はい!」」」」
「うん!皆、いい返事だね?」
俺らは、そう言いつつ桜並木の坂道の、てっぺんにある学校を見上げながらそう言った。