第一話 神様の手紙と神獣美少女
前回のプロローグの半ばの話を少しいじって一話にしました。
よろしくお願いします!
「何?何事?神どうかしたの?」
俺の悲鳴で階段をどたどたと母親・・・母さんが駆け上がってくる音がして、俺は咄嗟に部屋のドアに鍵をかけた。
「神?どうかしたの?何で鍵かけてるの?」
ドンドンとドアを叩きながら母親がそう言う。
「いや・・・ちょっと・・・えっ・・・あっ!虫が・・・そう、虫が出たからビックリして、変な声が出ただけ!もう退治したから大丈夫!」
俺は咄嗟に頭に浮かんだ苦しい言い訳を笑いながら口にする。
「そう?それならいいけど・・・」
母さんは何故か納得してそう言い、トントンと階段を下りていった。
母さんが単純な人で良かったと俺は心からそう思ったよ・・・。
「はぁ・・・で、君たちいったい何なの?」
母さんが階段を降り終えた音を聞き、俺はため息を一つ吐くと目の前にいる、尻尾やらなんやら色々生えてる美少女たちにそう聞いた。
「ゴホン!では、私が代表してもう一度言いますね?えーこのたび、天野 神様は、私たちのご主人様に選ばれました!」
赤い髪の美少女がそう言う。
「うん・・・これはなんだ?俺は、ゲームのし過ぎで、現実とゲームの区別がつかなくなったのか?」
突っ込みどころ満載の今の状況下で俺は腕組をして、そう独り言を言う。
「えーっと・・・ご主人様・・・?」
緑の髪の美少女が首を傾げながらそう言う。
「・・・うん、これは夢だな・・・3年間ゲームをしてきて、ゲームのし過ぎでこんな現象起きるのだったら、とっくの昔におきているはず!よって、これはゆ・・・」
「やー!」
俺が、夢と言いかけた時、俺の体は宙を舞い、ベッドに頭からダイブした。
「いってー・・・何すんだ!」
俺は、頭と首を抑えつつそう怒鳴った。
「神―?何を騒いでいるの?」
またも母さんが階段を上ってくる音が聞こえる。
「いや・・・ちょっと、寝ぼけて転んだだけ!」
「そう?」
俺がそう言うと母さんはまた階段を引き返し下りていく音がした。
本当に俺の母さんは最高だ!
「えーっと・・・一つ聞くけど、君は何で俺を投げ飛ばした?」
俺は母さんに悟られないようにかなり小さい声で、白髪の美少女に問う。
「夢か・・・現実か・・この方法が・・・一番・・手っ取り・・早い」
白髪の美少女は眠そうな顔をしながらそう言って首を傾げた。
「うん・・・そっか・・・」
って、全然意味わかんねーよ、まぁ、確かにこの痛みで現実だということは分かったが、投げ飛ばす必要なくね?てか、何で投げ飛ばすが出てきたの・・・てか、現実なら、君たちいったいどこから入ってきたの・・・あーもー、突っ込みどころが満載過ぎて、どこからツッコミを入れたらいい・・・。
「あの・・・ご主人様・・・その・・・」
腕組をしながら、現状況に悩んでいる俺に、青髪の美少女が裾をつかんで、うるんだ目でこちらを見ていた。
「なに!」
「ひっ・・・ご・・・ごめんなさい・・・」
考えている最中に声をかけられた俺は、思わずそう怒鳴ってしまい、青髪の美少女を怖がらせてしまった。
「あっ・・・ごめん・・・いきなりすぎて、つい、怖がらせるつもりはなかったんだ・・・状況が理解できてなくて・・・その、パニックになってて・・・」
ハッとなった俺は、すぐさま、青髪の美少女に頭を下げそう言う。
「いえ・・・こちらこそ、すみません・・・」
青髪の美少女は、俺と同じように頭を下げそう口にする。
「えーっと・・・君らのご主人に選ばれたって言っていたけど、どういうこと?詳しい説明をしてくれないかな?」
俺は、頭を掻きながら美少女たちを見てそう言う。
「あっ!そうだった・・・最初にこれ渡さないといけなかった!」
赤髪の美少女が何かを思い出したようにそう言うと、スッと手紙らしきものを出して俺に渡した。
「これは?」
俺は、渡された手紙を受け取りそう言う。
「私たちも、ご主人様にこれを渡せばいいとマスターから言われただけなので・・・その・・・」
「中身は・・・わから・・ない・・・」
青・白の髪の美少女が個々にそう言う。
「マスター?」
その単語に多少違和感があったが、開けないと話も進まないと思い、手紙の封を切った。
「やあー!どうもどうも!無事に4人とも天野君の所に着いたみたいだな?天野君!こんにちは!私はその4人を生み出したマスターにしてこの世界の神様だ!この度はいきなりですまないが、その4人と同居生活を送ってほしいと思ってな!天野君のお母さんにも先ほどあいさつ文を出して、合意を受けたところだよ?君のお母さんは実に素晴らしい!何も言わずにすんなりと合意してくれたのだからね?天野君!お母さんを大事にしないといけないよ?」
母さん・・・昔から、困っている人は放っておけない主義で、頼まれたらなんでも引き受けちゃうけど・・・これはさすがにスケールデカすぎ、少しは断る事を知ろうよ!
そうこう思っている間に自称、神様の話は進む。
「天野 神君、君にはそこにいる4人に現在の社会の常識について教育してほしいと思っている・・・」
「どうしてですか?」
「まぁ、その子らは、年を言うと、君と同じ16歳なのだよ、でも、中身はまだまだ子供でな、言葉とある程度の礼儀作法は、教えたのだが、この世界の常識については全く教えていないのだよ、そこで、スポーツ、成績、常にトップクラスである天野君に、この子らの教育をして欲しいのだよ・・・」
「3つばかり、質問をしていいですか?」
「おkだよ?天野君!」
「えっと・・・では1つ目、この世界の常識なんて神様が教えればいいんじゃないですか?この世界の神様なら、常識は教えられるでしょう?2つ目、俺以外にも頭のいい教育者はたくさんいるのにどうして俺なんですか?最後に、いったい彼女たちはなんなんですか?尻尾やら耳やらついてますが・・・その時点で非常識じゃないですか?」
「1つ目の質問だが・・・確かに・・・私が教えられたらそうするのだが・・・」
俺の問いかけに、神様は声を小さくしながら黙ってしまった。
「・・・・」
「・・・・」
俺と神様の間に沈黙の空気が流れる。
「あの・・・すみません・・・その・・・神様ですもんね?かなり多忙な毎日なんですよね?それなのに、俺・・・きついことを言って・・・」
神様との沈黙の空気に耐え切れなくなった俺は、頭を掻きながらそう言った。
「分かってくれたか、天野君!さすがお人よし人間ナンバー1の天野君だ!そうなのだよ!私は大変多忙な身なのだよ!だから、君にお願いしたいのだ!2つ目の質問は、今も言ったが、君が、世界1番のお人好しだからだ!最後の質問は、君がこの件を受けてくれたら話そうと思ってるのだが・・・」
自称神様は、俺を見ながらそう答える。
確かに、俺も母さん譲りで、かなりのお人よしだ・・・だけど、これはあまりにも話がぶっ飛び過ぎている。
「神様・・・もう1つ質問増やしてもいいですか?」
色々と考えた俺は、質問を1つ増やしとあることを聞いてみることにした。
「おkだよ?」
自称神様は、2つ返事でそう言う。
「この件、俺が断るって選択肢そもそも存在するのかなって思いまして・・・」
俺は、少しだけ緊張した喋りでそう言う。
「存在するかしないかの質問なら、その選択肢もある・・・」
「じゃあ!」
俺が、そう言って、この話を丁重に断ろうとした時
「だが!この件を断ると君は知ってはいけない領域を聞いてしまったとして、この世界から抹消されるが、それでも、おk?」
「ん?もしかしてこの件断った瞬間、俺の人生終了?」
「そう言うこと!」
「・・・はぁ・・・すぅ・・・この件・・・ありがたく受けさせていただきまーーーす!!!!!」
俺は、大声で天井に顔を向けとめどなく流れる涙と共にそう言うのだった。
「おー!そうかそうか!いやー良かった・・・にしても、泣くほどまでか!」
神様は、そう言いながらパチパチと拍手する。
てか・・・これ、断る選択なくないか?
トホホと言う顔をしながら俺は顔を下に向ける。
「では、最後の質問だが、彼女たちは、この世界を今よりもより良くしようと思って、私が、とある神獣の細胞から作り出したのだ!」
「とある神獣?」
「あぁ、詳しくは言えないがな・・・そのせいで、彼女たちには尻尾と耳がついている、だが、それらは、君にしか見えないから、問題はない!」
「はぁ・・・」
俺は頷きながらそう言う。
「あっ!そうそう・・・その子たちは、それぞれ、特性を持っていてな・・・皆、天野君に自己紹介はしたのかい?」
神様は、そう言うと、4人を見てそう言う。
「「「「いえ・・・」」」」
4人は、同時にそう答えた。
「じゃあちょうどいい!天野君に君たちの名前とそれぞれの特性を言っていきなさい!」
「「「「はい!」」」」
4人は、そう言うと、横に一列に並んだ。
「じゃあ、私から!名前は火煉特性は火を自由自在に扱えること!」
「では、次は私が・・・水樹と申します。特性は、水を自由に扱えることでございます」
「ハクト・・・地面を操る・・・」
「わ・・・私は、青葉木を自在に扱えます」
4人はそれぞれ名前と個々の特性を俺に言っていった。
「火煉、水樹、ハクト、青葉だな?えーっと・・・皆知ってると思うが俺も自己紹介・・・俺の名前は天野 神、これから君たちにこの世界の常識を教えていくことになった。まぁ、色々あるけどよろしく!」
かくして、どうしようもない現実を受け止めざる負えなくなった俺は、観念して美少女4人の教育者(ご主人)となった。
「はぁ・・・良かった、良かった・・・これで心置きなくゲームや漫画に没頭できる!」
「神様?」
「じゃあ、天野君!彼女らをよろしく頼むよ!あっ!そうそう、彼女たちの正体が世界中にバレたら、この世界一旦終わりにするから、気をつけてな!じゃあ、後は任せた!バイ!」
「ちょっ・・・神様――――!!!!」
最後にとんでもないことを言い残し、神様の手紙はチリとかした。
俺は、この春、ゲーム三昧な春休みと平穏な毎日を犠牲にし、自分の命を守った。
そして、この日から俺は、この世界の全ての人の命を背負わなくてはいけなくなった。
マジで、俺の日常カムバーック!
最後まで、読んでいただきありがとうございます!
こちらの都合で、読者の皆様を混乱させると思いましたが、読んでいて何か引っかかったので変更させていただきました。本当にすみません。こんな、ふらふらしている作者の作品ですが、これからも、読んでくだされば、嬉しいです。