表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/237

茶虎丸の呪い

行きは走り抜けてきた街道ですが、帰りは普通の人の歩く速さです。


帰りはゆっくりなのですね、とアラクレイにたずねたら、「野菜やワインが傷むからな。」という返事でした。


食べ物、どれだけ大事なんですか。

いいことですけど。


せっかくなので、荷物を入れている袋の中に水気と冷気を送り込んで、鮮度を保つようにしながら歩いています。


貴族向けの生鮮食品もこのように運ぶことがあると聞いていましたが、自分でやってみるとなかなか贅沢な術の使い方です。


僕ですか? 鼻唄歌いながらでも平気ですけどね!


鼻唄といえば、先ほどからシャトヤンが変な音を出しています。

普通の人には風か草の音にしか聞こえないかもしれません。


あ、シャトヤンというのは僕が例の猫目石の精霊に命名しました。

剣には茶虎丸という名前が付けられたんですけどね。


変な音を出しながら、「こーいこーい」とか妙なことも言ってます。

どうやら、何かを呼んでいるみたいですね。


と、アラクレイが足を止めます。


「お? 珍しいな。こんな時間にカバネカラスか。」


その視線を追うと、森の方から大きな青黒いカラスが三羽、こちらに向かってきています。


……シャトヤンが呼んだようですね。

こいつ、ちょっと良いところを見せようと仕込んだということでしょうか?

そんな風だから呪いの品扱いされるんですよ!


と、そのカバネカラスに襲いかかるもっと大きな影が木々の間から飛び出してきました。

カバネカラスは慌てて散開すると、森の中に隠れてしまいました。


その新たな影――低位の飛竜ですね――が、こちらに目を向けます。


やだなぁ、目が合っちゃいました。


「アラクレイさん。」


「しょうがねぇな。コーダよ、お前さん腕はどんなもんだ?」


あの程度の飛竜なら狙撃で瞬殺ですが、シャトヤンのおバカに花を持たせてあげましょう。


「身を守る程度は問題ありません。」


「なら、お前さんの任務はこれを守ることだ。」


食べ物とワインを預かりました。

責任重大ですね。


評価、ブックマーク、ありがとうございます!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ