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アラクレイの剣

生まれ変わった剣を受け取って、アラクレイは工房の外で軽やかに剣を振り回して見せます。


「ふん、よく風を裂く。いい剣だ。」


何はともあれ、よさげな魔道具となったようです。

帰り道に、魔獣でも狩って試し切りといきたいところですね。


「ケーヴィン、また近いうちに仕事を頼むかもしれん。まったく、田舎はほかに頼む奴がいなくていかんな。」


「気に入ってもらえたようだな。その剣には、慧(ケーヴィン)九式の名(・マークナイン)を贈っておこう。」


「そんな名は要らん。」


「慧八式はまだ使っているかい?」


「あんな単純な魔道具が、簡単に壊れてたまるか。」


お二人は、仲良しなんですね。


ミステレン達に頼まれていた食料品などを少し買い込んでから、村を出ました。


アラクレイも、剣の精霊もご機嫌です。


「アラクレイは、剣に名前を付けたりはしないのですか。」


「俺の剣は冒険者というより傭兵や軍剣士として鍛えたものだったからな。武器は次々持ち変えるものだった。」


「でも、今はもうそんな戦い方、しないですよね。このレベルの魔道具ならば、多少の刃こぼれも自己修復されるでしょうし。」


「そうだな。この一本で、戦い抜くことになるだろうな。」


「何か、名前を付けてあげたらどうでしょう。」


さっきから、わめき声に近い叫びが聞こえています。


「いいこと言う! あんた、いいこと言ってるよ! よおし、ヘタレから昇格だ。今日からお前は赤髪の孺子(こぞう)だ!」


全然昇格している気がしませんが、名前を付けると性能が上がる魔道具があるのはよく知られた話です。


僕の場合、直接「本人」から、やる気の度合いを聞いたりしているわけですが。


アラクレイが、それもそうだ、という顔つきになっています。


「精霊石は、猫目石だったか。」


「そうですね。ハチミツのような茶色でしたね。」


「そうか、じゃあ茶虎丸か。」


思わずつんのめりそうになりましたが、こういうのは使う本人の趣味が第一でしょうか。


いや、名付けられる方の身になってみた方がいいんでしょうか?


「猫目石のキャッツアイ効果(シャトヤンシー)と猫の模様をかけているとは、アラクレイ様、流石でございます!」


まあいいや。


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