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午後の工房にて

お昼ご飯を食べ終わると、食後に紅茶まで出してもらえました。

僕のような、拾った子どもにまで!


実家で飲んでいたものとは種類が違いますが、おいしいと思えるよいものです。


やはり、ここの待遇は市井のものとは違う基準で動いているみたいですね。

ちなみに、お茶をいれるのも、当番があるそうです。

お茶のいれ方も知らなかったので、ちょっと興味があります。


料理に、お茶のいれ方。

未知を学ぶよろこびってやつですね!


ゆったり休んだあとで、午後のお仕事です。

午後はみんなバラバラに作業をすることになっていて、僕はイーオットについていきます。


家の――管理棟と呼ぶべきかもしれませんが、もう僕には家がないので、そう呼ぶことにしました――裏手の側に、立派な作業スペースがありました。


「こっちが工房になってるんですよ。」


イーオットが、きょろきょろしている僕を楽しそうにながめています。


堅い石を敷き詰めて平らにならした土間には、大きな分厚い木の机があって、工具がいろいろと並んでいます。


ノコギリやハンマー、ちょっとしたクレーンまであって、脇には細かな作業をするための工具が並べられた棚や作業台も連なっています。


別の壁際には、炉やふいごなど、鍛冶で扱う設備が並び、また別な壁際にはポーションや薬品を扱う器材が置いてあります。

ここだけで、ひととおりの作業ができてしまう場所なのですね。


「うわぁ、すごいですね。」


鍛冶仕事は教えてもらったことがありませんが、火精の術を練習するときに、炉を使わせてもらったことが何度もあります。


ここの炉は、その時の工房のものよりも小さいですが、魔道具的な力がこめられていそうです。


最大の火力を小さくまとめて維持する訓練や、温度を一定に長時間過ごす訓練は、それはもう大変につろうございました。

夏は暑さにうんざりしていたり、訓練が長すぎて退屈で死にそうだったりして。

必死な振りをするのに必死だったあの頃が、思い出されますね……



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