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髪留めの精霊

タイミングをずらしてからそっちを見てみると、歌声の主は、さび付いた、小さな髪留めの中の精霊でした。

かざしてみると、まだ、精霊灯も灯ります。


「まったくもー。

ここの人間ときたら、どいつもこいつも、毎日毎日おんなじことばっかり繰り返してさ。

すこしはこっちが楽しめるようなこと、しなさいよねー。」


聞こえていることは顔に出さずに、偶然をよそおって、髪留めを手に取ってみます。


「ちょ、触るんじゃないよー。ちゃんと魔力、残ってるんだから。

その灯りが光るうちは、回収しないんでしょ。もー。」


袋に入れる振りをします。


「な、何やってのよ! まだちゃんと光ってたじゃない! ちょっと! もう一度、確かめなさいよ!!」


考え込む振りをします。


「考えることないでしょう! 戻して! 今すぐ棚に戻しなさいよ! ほんと、お願いだから!!

もー! 見なさい、私の輝きを!!」


髪留めが輝き始めました。

へー。

思ったよりも、力が残っているようです。

隠していたんでしょうか。


確かに、こんな状態で破壊したら、結構な爆発が起こりそうです。

ちょっと服のすそできれいにしてあげてから、棚に戻しました。


「まったく、こんどの新人はやばいでしょ、これ! 

もういいから。こんな空気読まない腰抜けとか全然要らないから!

私は、私を助け出してくれる王子様の前だけで輝くんだから!!」


なるほど、精霊もいろいろだということが分かりました。

思えば、実家にいた頃に見かけた精霊家具等は、精霊の中でも、お行儀の良いものが選ばれていたのでしょう。


害のない最上層でこれだけ個性があるのなら、下層は推して知るべしということですね。




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