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避難所の開設

本日ニ投稿目です。

アビスマリアさんと、思念をつなぎます。

おお。地面の中の様子が、手に取るように透かして感じられます。


そこに、空間をイメージしていきます。

階段、通路、部屋、部屋。

空間の構成を伝えれば、細かい部分はアビスマリアさんがやってくれる……いや、むしろアビスマリアさんの趣味で仕上げるつもりの……ようです。


村人が何人ぐらいいるのかも聞き忘れましたが、アラクレイもケーヴィンも、もう行ってしまいました。

ケーヴィンの小屋からここまで通り過ぎた建物の数からすると、百人はいるでしょう。


大勢の人間が、立てこもって、魔獣の群れを何とかできるまで……

居場所だけで、数部屋は必要ですね。十メートル四方で……よく分かりませんけど……八部屋くらい?


トイレも、必須でしょう。そういう魔道具がある? それ込みで五か所できる? はい。

水回りとか…… 形? うーん。よく知ってるのは、実家のくらいしか…… まあいっか。あんな感じで。

水が扱えるなら…… 簡単に食事作れるところも…… 百人となると大きな厨房ですね…… うんうん。


外の様子も、確認できるような仕組みを…… 外の見える窓みたいな…… あ、それで。

寝床とか椅子とか… 柔らかくもできる? いいですね……。床で寝るのは、つらいですから。


僕が部屋や仕組みをイメージすると、アビスマリアさんが、設備の提案をしてくれます。

順番に、頭の中に、立体的な図面のように並べられていきます。

このイメージは、共有できてるんですね。


「コーダは、器用ねー。イメージが具体的だから、サクサク進むわ。このくらいで、いったん形にするわよ。」


ぐぐっと魔力を持っていかれる感覚があり、同時に地面に階段状に穴が開いていきます。

アビスマリアさんを掲げたまま、一緒に階段を下りていきます。


おお、凄い、凄いですよ!!

地下に通路が、部屋が、どんどんできていきます。


壁や通路の仕上げは、先ほどのケーヴィンのところとはまた違う印象です。

暖かい色合いで、落ち着く雰囲気です。

いや、雰囲気どころか、実際に微弱な治癒や精神回復の力が発動してますね。


怪我人が出ているかもしれませんからね、気が利いてます。


指さすだけで、そこに明かりが灯ります。

手のひらを返すだけで、ドアや、クローゼットの扉が。

こ、これは楽しい!


調子に乗って作りこんでいくと、気が付けば、そのひと部屋は、かつての僕の部屋にそっくりな作りになっていました。


「あ……」


我に返って、ダンジョンコアの力も止めます。


「どうしたの? 大体できたから、もういい?」


「そ、そうですね。ちょっと、作りこみすぎちゃいました。避難所なのに。」


「壊すことはないから、残しとくわよ。上に、ケーヴィンが来てるみたい。」


ちょっと混乱した頭を抱えながら、地上に向かいます。

ケーヴィンが、村長らしき人と何人かの村人を連れて、階段の上からのぞき込んでいました。


「ケーヴィンさん、もう、中に入っても大丈夫です。食料だけ持ってきてもらえれば、安全に避難できるはずです。」


「うん、それなんだけど、どうも様子が変なんだ。」


「え? 何がですか?」


「村の近くに魔獣やらなんやら集まってるのは確かなんだが、襲ってくる気配がないらしい。」


村長さんも、戸惑っていますね。


あれ? 避難所、開設しちゃったんですけど?

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