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異世界人の友達と日本を旅しよう  作者: マノイ
2章 伊豆下田「結成」
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閑話3. エアコン

「あづい~」


 ミカンがソファーの上で溶けそうになってる。今年は6月から暑い日がちょくちょくあるんだよね。よし、予定早めるか。


「7月からって思ってたけど、エアコンつけようか」


 リモコンでピッと電源オン。しばらくすると冷たい風が流れてくる。ん~気持ち良い。6月なのに30度超えてるとか、今年の夏は暑そうだなぁ。


「涼しい~」


 犬ミミがパタパタ動いてる。まさかアレで冷たい風を取り入れてるの?


「トモちん、あの幸せ製造機って何もの~?」


 あれ?エアコン知らないんだっけか。家ではつけたことないし、説明した覚えは無いけど。


「色々なお店に行くとついてるから知ってるかと思った。ほら、喫茶店とかいつ行っても快適でしょ。エアコンがついてるからなんだよ」

「エアコン~?」

「うん、冷たい風や暖かい風を出すことが出来る機械」


 ウイングで冷たい風を左右に送れるようにしてあるんだけど、ウイングの動きに沿って冷たい風が出る方に移動し続けるミカン。うん、気持ちは分かるよ。汗だくで帰った後にわたしもよくやるもん。


「あらあら、エアコンつけたのね」

「シャムシャム来てたの~」

「うふふ、煮物のお裾分けよ」

「やったぁ~」


 転移魔法が使えるとはいえ、まるで隣の家に行くみたいな気軽さで下田から富士宮まで来るのはどうなのよ。いやまぁ時折もらえるおかずが美味しいから嬉しいんだけどさ。


「シャモアちゃん、いつもありがとね。今回はイチゴジャム持って行って」

「あらあらまぁまぁ、ありがとう」


 こういうやりとりってもっと歳とってからじゃない?老けた気がして微妙な気分。


「ケイちゃんの家はエアコンもうつけてる?」

「うふふ、お店の方はつけてるよ。でも家の中はまだ扇風機だよ」


 扇風機かぁ。エアコン買い替えてから押し入れの奥にしまっちゃってるなぁ。


「でもこれだけ暑いと扇風機じゃ大変でしょ」

「うふふ、便利な魔法がありますから」


 でたー魔法があれば何でもできる設定ー


「うげげ~シャムシャムあの魔法使ってるの~?」

「うふふ、便利だもん使うよ」


 向こうの世界では暑さ寒さは魔法で対処してたのかな。


「妖精族恐るべし~私だったら10分も持たないよ~」

「そんなに燃費が悪い魔法なの?」


 流石に10分しか使えないんじゃたいして羨ましく無いなぁ。


「気温を変化させるのは膨大な魔力が必要なんだよ~。こんだけ暑いと10分も無理かも~。というか、私たちはこっちの世界に来た時使えなくなったのに何でシャムシャムは使えるの~。ず~る~い~」

「あらあら、うふふ」


 答えになってなーい。一体どれだけの魔法を使えるのだろうか。




 徐々に涼しくなってきて部屋の中でミカンとシャモアちゃんとお話ししていたら。突然、部屋の扉が大きく開け放たれた。


「み~ちゃんエアコンつけたって聞いたんだけど!」


 あれ?ゆ~ちゃんだ。一週間近く来てなかったから久しぶりに感じるな。まぁそれより前に毎日来てたのがおかしかったんだけど。


「み~ちゃ~ん!だ~いぶ!」

「ちょっとゆ~ちゃん!?」


 ソファーに座っているわたしに飛びかかってきた。


「み~ちゃんみ~ちゃんみ~ちゃ~~ん!」


 わたしに抱き着いて顔をゴシゴシ擦り付けてくる。なんだこの甘えようは。


「はいはい、よしよし」


 こういう時は適当に頭でも撫でてあげれば落ち着く。う~ん、エアコンが効いてきたとはいえ流石に抱き着かれると暑いな。と思ったらゆ~ちゃんがパッとわたしから離れた。


「ゆ~ちゃん?」

「もう少し涼しくなるの待ち~」


 涼しくなったらまた寄ってくるのかね。


「ゆ~ちゃん久しぶりだね。お仕事忙しかったの?」

「え!?あ~うん、そんな感じ」


 ソロ活動の方が間が空いちゃったし、これから夏に向かってイベント沢山だろうから忙しそう。


「ゆ~ちゃん、エアコンついたって誰から聞いたの?」


 さっきつけたばかりなんだけど、ミカンもシャモアちゃんも連絡とってるようには見えなかったし。


「え!?そんなこと言ったっけ?弓弦覚えてな~い」

「いや、それはおかしい」


 実はもうこの家に来てたけど、部屋の扉開ける前にエアコンつける音が聞こえたとか、そういう感じかな。きっとそうだ、そうに違いない、そうでないと困る。……本当に誰から聞いたんだ?


「トモちんトモちん、さっき話してた扇風機ってなに~?」

「いや、ミカン今はちょっと大事な話を」

「あら犬っころ、扇風機知らないの?」


 おおっと、ゆ~ちゃん便乗してきたな。その手には乗らないよ。


「いや、ゆ~ちゃん今はそっちじゃなくて」

「扇風機ならこの家にもあるんじゃないかな」


 徹底して白を切るつもりですかい。


「で、誰から聞いたの?」

「扇風機は涼しいだけじゃなくて面白い遊びもできるんだよ。後ね、エアコンと一緒に使うとより早く涼しくなるんだから」


 こういうパターンって言い逃れされがちだけど、わたしはしつこいんだよ、ゆ~ちゃん。知らんぷりするゆ~ちゃんの肩をガシっと掴む。


「ゆ~ちゃん?」


 怖くないよ~怒ってないよ~だから正直に白状しようね~


「い、い、い、い、犬っころ!一緒に扇風機探しに物置行きましょう!ほら早く!」

「あ、ちょっとゆ~ちゃん!」


 ダッシュで逃げられてしまった。もう少し強く肩を抑えておくべきだったか。


「あらあら、ここはいつ来ても賑やかで楽しいね」




 結局ゆ~ちゃんには逃げられてしまった。不覚。扇風機に向かって宇宙人に変身しているミカンがなんとなく腹が立ったので頭をチョップ……はしないで撫でまわし尽した。はぁ、気持ち良い。


 ちなみにゆ~ちゃんは暑いのが苦手なのでエアコンをつけてない時のわたしの家に来なかっただけのようだ。仕事はどうした!

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