連続公約殺人事件
モンテリーズが暗殺された日。
San Francisco市長選の影響は、他の様々な都市の市長選にも影響を与えることとなった。
モンテリーズの名前にあやかって、全くモンデリーズとは何ら親戚関係も何もない多くの人々が、『モンデリーズ』の名前で選挙戦に躍り出たのである。
モンデリーズ候補の死に哀悼する形で、「美しい」という同じキャッチフレーズを提げて。
特にモンデリーズが市長選で出馬していたSan Franciscoでは、その影響は最も大きかった。
モンデリーズの亡霊が増殖して、全米を覆い尽くそうとしていた。
しかし、その翌日。
「美しい」のキャッチフレーズを引っさげてきた5人の『モンデリーズ』候補たちが、全米各地で屍体となって発見された。
すべての『モンデリーズ』が殺されたわけではない、一部の『モンデリーズ』だけが殺されたのだった。
殺害された『モンデリーズ』候補たちには一つの特徴があった。
出馬した候補たちの公約の文字数は「美しい」をもじっており、それぞれ3文字、3文字、3文字、10文字、20文字と、非常に少ないものであった。
「少なくとも公約は300文字は書かないと殺される」
誰が言ったかわからないが、このような噂が全米各地で流布されることとなった。