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蒸気大革命  作者: あさま勲
三日目

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 雨が()まない。洗濯物が外に干せない。

 そんなことを考えつつ、レイハは船の甲板に出て空を見上げる。空は一面、灰色の雲に覆われ、雨が止みそうな気配は全くない。

 レイハは目を疑った。雲の中に、奇妙な影が見える。汽械翼とも飛行船とも違う、さらに大きな影。そして、その影は、雲を割って、その本来の姿を見せる。

 それは巨大な円盤だった。

「浮揚船だ……」

 絵では見たことはあるが、本物の浮揚船を見たのは、これが初めてだった。

 この船に積まれている浮揚船は、あくまで、その不完全な模倣品にすぎない。

「なんで……、こんな所に」

 教団が、月との往復以外に浮揚船を使うことはまれだ。そして、統連には、船、そして飛行船の定期便もある。わざわざ浮揚船を使う意味はない。

「若旦那……」

 クーの事が心配だった。でも、何ができるというわけでもない。

 浮揚船は、島の向こう側。あそこから飛行船が飛び立っていくのが見えたから、そこが発着場なのだろう。そこへ向かって降りていく。

 クーは、ラセルに会いに行った。そしてラセルの工房は、島の向こう側。飛行船の発着場ちかく。たぶん、浮揚船の降りた、あの辺りに向かったのだろう。

 万一を考えると、船を空けるわけにはいかない。不安だったが、ここで待つしかない。

 雨に濡れるのも構わず、レイハは、甲板の上で、ふたりを待つ。

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