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監禁


『う…うーん。』


 しばらくして悠治の意識が戻る。


 ここは?

 周りを見回すとかわいらしいぬいぐるみとかが置かれていた。

 麗華の部屋か?

 起き上がろうとするが


  ガチャ


『えっ?』


 

 動かない。


『な…なんだこれ?』


 悠治は手に手錠を、足にも手錠をかけられて椅子に座らされていた。


 

『あっ!お兄ちゃん!起きたの?』


 麗華が部屋に入ってきた。


『どうゆうことだ!麗華!この手錠を外してくれ!』

 ガチャガチャと手錠を揺らす悠治。

 麗華は、その手錠に触れながら


『うん。私も外したい!お兄ちゃんを苦しめたくないもん!』


 悲しそうに顔を歪める麗華。


『ならなんで!!』


 

『だって、外したらおにぃちゃん……逃げちゃうでしょ?』


 ニッコリと笑っている。

 俺はそんなことないと言おうとして


『………おい…麗華…何を持ってるんだ?』


 麗華の手に握られている物に気づく。


『何って…包丁だよ?見て分からない?』


『そ…それ…な……何に使うつもりなんだよ?』


 この部屋に持ってくる理由が分からない。


 

『う~ん……今は使わないよ。……これ、お兄ちゃんが逃げ出した時用だから。』


 

『……………えっ?』


 言われたことが理解出来なかった。


 

『お兄ちゃんはね、今日からずっとず~~~~っと、私の部屋にいてもらうの!』


 ずっと?


 

『何言って…』


『おにぃちゃんはね……私のものなの!私以外の誰のものでもない!私だけのもの!…私の…私だけの!』

『れ、麗華…』


 うっとりとしている麗華。


『もっと早くこうしてれば良かったなぁ。そしたら、あの腐った女とおにぃちゃんが、抱き合うこともキスすることもなかったのに!ほんと、むかつくなぁ。

 おにぃちゃんは私だけのものなのに!』


 俺の顎の下を撫でながら、妖艶に微笑む麗華。


 俺は言葉が出ない。


 麗華の……妹の豹変ぶりに。


 

『……………………』


 

『心配しなくても大丈夫だよ。おにぃちゃんに不自由な思いはさせないから!』


『なら、この手錠を外してくれよ!』


 

 思わず叫んでしまう。


『う~ん………それだけは無理だよ……ごめんね、おにぃちゃん!』


 

 それをやんわりと拒否される


『逃げないから……』


 必死に頼む。しかし


『嫌!!無理だって何回も言ってるでしょ!私も辛いだよ?それに、いくら私でも我慢の限界があるんだよ!』


 怒鳴られる。


『今までだって、いっぱい我慢してきた!言ったよねぇ!おにぃちゃんが他の女と話すのも嫌だって。だからもうこの部屋から一歩もでなくていいの!身の回りの世話も私がしてあげるから。おにぃちゃんは全部私に任せていいんだよ?』


『ト、トイレはどうするんだ?』


 

『トイレ?』


 

 首をかしげる麗華。


 

 これを契機として、少しでも脱出出来るチャンスを増やそうと、俺は勢い込んでいう。


 

『そう!トイレだ!どう…』


 しかし


『トイレかぁ。うん!大丈夫!私が処理してあげるから!』


 

『えっ!しょ……処理?』


『うん!おにぃちゃんが出したものは、私が処理してあげる。おにぃちゃんはただ、出すだけでいいよぉ!私が食べてあげるからぁ!』


 名案とばかりに顔を輝かせる麗華。


 

『た……食べる?』


 な、何を言ってるんだ?


『そうだよ!おにぃちゃんの出したものだもん!勿体ないっていつも思ってたの!…………例えば、おにぃちゃんが一人でえっちした時に使ったティッシュとかぁ。』


『な、何言って』


 

『その時に見てた写真集の人をどんなに殺したくなったか。あっ!そうだ!』


 

 ぽんと手を打つ麗華。


『お兄ちゃんのえっちの相手もしなくちゃね!』


 

 嬉しそうに顔を輝かせる麗華


 

『お兄ちゃん…もう自分で手も動かせないもん!!

 お兄ちゃんを縛って良かったぁかも。また私以外の女の人に出されるとこだったから!』


 俺は頬を赤らめる


『そうだよね。うんうん!お兄ちゃんの頃なんて、性欲なんて掃いて捨てるほどあるもん!!それも処理しなきゃ!』


 何を言ってるんだ?それじゃまるで妹と………


 

『ふふっ!……うれしい!』


 

 麗華がこっちを見て、舌なめずりをしてくる。


 ガタッ


 麗華が俺の肩に手を置く。

『や、やめ!俺はお前のむぐっ!』


 

 悠治と麗華の距離が零になる


『んんーーっ!…んっ…』

 俺は暴れるががっちりと麗華に顔を押さえられる。


 

『んっ………むちゅ!』


 麗華の舌が口の中に入ってきた。


 クチュ クチュ


『はむっ!……んちゅっ!』


 

『んーーーー!!』


 

 麗華は丹念に俺の口の中を、舌で舐め回す。


 つ~~~~


 飲み込めない唾液が、口の端を伝って落ちていく。


 

 頭がまたぼーっとしてきた。


『んっ!……ぷはぁ!…………お兄ちゃんと大人のキスしちゃったぁ

 ……う、うれしいよぉ!』


 恍惚に身を震わせる麗華。


『な、なんで』


『なんで?そんなのお兄ちゃんが大好きだからだよ?

 お兄ちゃんが好きで好きで堪らないの!』


 

 プチッ パサッ パサッ


 

『なっ!!』


 俺は、目の前で行われている行為を直視出来なくて、視線をそらす。


 目の前で麗華が蠱惑的な動きで服を脱いでいた


 

『………お兄ちゃん。………見て……………目を逸らさないで私を見て…』


 

 ペタ ペタ


 

 麗華が近づいてくるのを感じる。


 俺は必死に目を逸らす。


 

『ふふっ!……おにぃちゃん……かわいいなぁ……』


 

 頬に手を添えられ無理矢理向き合わされる。


 

『うっ!』


 

 悠治の目に飛び込んできたのは……妹の裸体


 全体的に幼いが、要所要所にはすでに大人の体つきになっていた妹の体。


 思わず赤面してしまう悠治


 

『れ、麗華…な、何をするつもりだ……』


『ふふっ……もう分かってるくせに…』


 ビリッッ!!


 

 麗華の手が悠治の服を無惨に切り裂く。


 

『ふふっ!………おにぃちゃん………』


 

 つつーーー


 

 麗華の小さい舌が俺の肌を舐めあげる。


 体中にゾクゾクとした感覚が…


『っ!!』


 

 思わず声が上がりそうになってしまう。


 

『おにぃちゃん……………おにぃちゃん……………おにぃちゃん…………』


 

 麗華は執拗に俺の肌を舐め続ける。


 

『……やっ、やめろっ!!』


『どうしてやめるの?気持ちいいでしょ?私は気持ちいいよぉ~。』


 目がとろん、としている。


『お、俺達は兄弟で』


 

『そんなの関係ないよ。ふふっ…それにおにぃちゃんのとっても元気だよ?』


 

 元気がどこを指しているか、考えたくもない。


 

 麗華は悠治のあるところをまさぐりながら


『おにぃちゃん………大好きだよ………』


 

 ガタッ


 

 椅子とともに二人の体が倒れる。


 

 そして二人の体は一つとなった。


 一つとなった後


 数時間後


『…ふふっ!……うれしいなぁ』


 妖艶に微笑む麗華。


 二人の体は汗ばんでいた。

『ちくしょう………』


 俺は泣きそうだった。

 妹相手に、自分を抑えることも出来なかった。


 

 麗華は下腹部を押さえて、もう一度笑う。


 

『ふふふ。これでおにぃちゃんは私のものになったんだぁ。 あっ!お兄ちゃん……すっきりした?』


 

 ニッコリと笑ってくる

 こうなる前のあの可愛かった麗華の笑顔で。


 

『私の中にお兄ちゃんのが。ふふふ。』


 

 幸せそうだった。

 その時


 トントン


 ドアが叩かれた。


 その時の麗華の行動は早かった。


 

『むぐっ!』


 

 麗華の手が、俺の口をさるぐつわの要領で押さえ込む。


 

『麗華?さっきから、どたばたしてるが何をしてるんだ?』


 父だ

 いつの間にか帰ってきたようだ。


 

『んーーー!んーーー!』


 俺は声を出そうとするが、くぐもった声しか出ない。


『何もしてないよぉ!ただお兄ちゃんが、私のベッドでねちゃたからその用意をしてるの!』


『そうか。父さん、明日早いからもう寝るからな。』


『あれ?晩ご飯は?』


 

『すまん。食べてきた』


 

『んっ!んーーーー!』


 俺は声を張り上げるが………気付かれない。


 

『分かった!お休み。お父さん。』


『ああ、お休み。』


 

 トントン


 父の足音が遠退いていく。


 麗華の手が離される


 

『はぁ!はぁ……ごほっ!』


 

 俺は大きく息を吸う。


 

『あっ!苦しかった?ごめんね。お兄ちゃん。でもお兄ちゃんがいけないんだよ?叫ぼうとするから。』


 

 麗華は包丁を手にとり、それをちらつかせる。


 

『これ以上、私の言うことを聞かなかったら、おにぃちゃん………殺しちゃうよ?おにぃちゃんを殺した後、私もすぐに逝くからね。そしたら、天国でも一緒にいようね!』


 

 俺は頷く


 おそらく麗華は本気だ。

 間違いなく俺を殺した後、自分も死ぬだろう。


 

 確信できた。


 だから俺には、頷くしか方法がなかった。


 

 妹は狂ってしまった。

 俺を想うあまり歪んでしまった。


 ………俺はどこで間違えたのだろうか。


 

『お兄ちゃん。私シャワー浴びてくるね!汗くさいとお兄ちゃんに嫌われちゃうもん!その後お兄ちゃんを拭いてあげるね!』


 

 麗華は床に落ちていたうち、下着だけを身につけた。


『………逃げないでね?………………おにぃちゃん?』


 

 そう言った後、部屋を出ていく麗華。


 階段を降りる音がする。

 やがてシャワーを浴びる音も


 俺はシャワーの出る音を聞き、行動を実行する。


 さっきはああ言ったが、今のこの状況は、おそらくチャンスだ。


『くっ!』


 立ち上がるのに、両手両足を拘束されている状態では、難しいことに気付いた。

 立ったとしても歩けない。


 悠治は床を這って進んでいく。


 ガチャ


 

 ドアに寄り掛かり

 ドアを開ける。


 そこで悠治の体が硬直する。

 なぜなら、ドアを開けたその先に下着姿の麗華がいたからだ。


『れ、………麗華………』


 俺は後ずさる。

 し、シャワーを浴びてるはずじゃ


 麗華の手にはナイフが握られていた。


 ま、まさか


『おにぃちゃん…………何してるのかなぁ?』


 

 こちらにつめよってくる。


『れっ……こ、これは…』


 

『やっぱり、おにぃちゃんは私から逃げるんだね…………』


 


『ち、ちがっ!』


 

『違くなんかない!逃げようとしてる!…………………ほんとはしたくなかったんだけどね…………しょうがないよね…………調教しなきゃ…』


 ほんとだよ?


 悲しそうに笑う麗華に

 後ろに回り込まれる。


 

『調教?ぐあっ!』


 

 グジャッ


『ああああああっっっ!!』


 右手に激しい痛みが。

 俺の右手は後ろ手に床に縫い付けられていた。


 

『っっ!なっ!なっ!』


 少し動かすだけで刺すような痛みが走る。


 いや、ようなじゃない!

 刺されているのだ!


 

 右手から溢れた血が、ドクドクと床に血溜まりを作り始める。


 

『おにぃちゃんは私のものなんだよ?理解してよ!どうして逃げようとするの?』


 麗華が抱き着いてくる。


 

『れ…れいか………』


 


『こんなにおにぃちゃんが好きで、好きで堪らないのに、どうしておにぃちゃんは逃げるの!』


『っ!!』


 

 悠治はあまりの痛みに、さっきから涙を流していた。


 手から体中の力が抜けていくようだ。


 ペロッ


『痛いよね。おにぃちゃん。…ごめんね』


 

 ペロ ペロと涙を舐める麗華


 

『でもね、これはおにぃちゃんがいけないんだよ?私の言葉に従ってくれないから…』


 

 ちゅっ


 

 麗華に軽くキスされる。


『おにぃちゃんはね、ずっと私に従うの、そして私を好きになるの………分かってる?それが、おにぃちゃんがすることだよ?後は全部私がやってあげるからね!』


 

『あ。……ああ』


 

 俺は恐怖に頷く


 

『うん!ならもう許してあげる!でも、もう私を裏切らないでね?』


 

『わっ、分かった。』


『ふふっ。ちょっと痛いよ?』


 ネチャ


 

 麗華がナイフを抜く


 その刀身は俺の血でギトギトに濡れていた。


 止血していたナイフが抜かれたせいで、さらに血が溢れる。


 

 麗華は俺の血がついたナイフを、愛おしそうに眺めながら机に置き、その後手錠を外しながら言う。


『な、ならお兄ちゃん。私をぎゅーってして?それから、お兄ちゃんからキスして欲しいな』


 赤くなってそう言う。


 俺はもう逆らわない。

 逆らえない…


『おいで。麗華。』


 

『うん!』


 

 俺は胸に飛び込んできた麗華をぎゅっ、と抱きしめる。


 

 手に激しい痛みが走るが、それでもぎゅっ、と抱きしめる。


 

 ドクッ ドクッ


 俺の心臓の鼓動と連動して傷口からは血が溢れる。

 それが麗華の白くてみずみずしい肌を赤く染めていく。


 俺はそっと麗華にキスをする。


『んっ……』


 

 クチュ クチュ


 

 麗華が舌を入れてきたのでそれに応える。


 

 たがいの舌が絡み合う。


 舌先にピリッとした感覚。

 そして


 ……甘い…な


 こんな時なのにそんなことを感じてしまう。


『んっ!んちゅ!………はぁ!』


 

 二人の口が離れた時、透明な橋が出来る。


 

『……恥ずかしいね』


 

 それでもその顔は幸せそうだった。


 

『そうだな』


 しばらく麗華は俺に抱きしめられていたが


『そろそろ血を止めなきゃ。』


 

 名残惜しそうに離れる。


 

 そして俺の手をとり、傷口を舐め始める。


 

 ペロッ ペロッ


『ふふっ。おにぃちゃんの血………おいしい…』


 麗華の全身俺の血で真っ赤になっている。


 そんな麗華が俺の血を舐める姿は、どこか幻想的で狂気的だった。


『う~ん。消毒しないといけないのに…消毒液はしみるし……』


 困っている麗華


『止血してくれれば消毒は後からでも。』


 

『うん………そうだよね。』


 

 麗華はぎゅっと布で俺の手をしばる。


 

 手に痛みが走るが、とりあえず血は止まった。


 

 もともと、手をナイフで貫通されても出血多量で死ぬことはない。すぐに止血すればだが。


 と、確かどっかの刑事ドラマで言っていた気がする。

 まさか、自分が体験するとは思わなかったが。


『やった!血が止まった。』


 

 嬉しそうな麗華


 

 まだ血は出ているが、いずれ止まるだろう。

 それよりも、骨を貫いているからか、右手が思うように動かせない。


 麗華は俺の足の手錠を外し、今度は鎖付きの足枷をつける。


 

『麗華…………こんなのを……どこで?』


『えっ?ネットの通販だよ。』


 ことなげにいう。

 こんな時なのに時代の進歩を感じてしまった。


 

『お兄ちゃんを信用してない訳じゃないけど……一応……ね?この部屋の中は歩ける長さにしたから。』


 ということは、この部屋には脱出する手段はないってことか


『私、シャワーを浴びてくるね?今度こそ逃げちゃダメだよ?』


 俺は頷く。


 

 そして麗華が部屋をでていった後、緊張が途切れたのか、悠治の体が前のめりに倒れていった。



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