目撃?
放課後
『悠治さん。今日はどこ行くの?』
俺と柊愛花は腕を組んで町を歩いていく。
愛花とは二週間くらい前から付き合っている。きっかけは愛花が告白してくれたからだ。
同じクラスで、俺も気になっていたので、正直嬉しかった!
それに、付き合ってみると愛花は驚くほどいい子だった。
俺なんかには勿体ないくらいだ
優しいし可愛いし、今も、腕を組ながら幸せそうに歩いていて、見てるこっちも幸せになってくる。
『ん~? アイスでも食べるか?』
『はい!』
俺は愛花と一緒にアイスを買う
『悠治さん。ありがと。おごって貰っちゃって。』
ペロペロとアイスを舐めているその姿は、小動物みたいで可愛いかった。
『別にいいよ。』
俺も食べはじめる。
『あっ あの! ゆ……悠治さん!』
『ん?何?』
『わ……わたし。ゆ…悠治さんのも食べたいです』
赤くなりながら言われる。
『……えっ!』
俺も赤くなる。
愛花が自分の持っていたアイスをこっちに向けきた。
期待のこもった目で見られる
…………ペロッ
俺は赤くなりながら、差し出されたものを舐める。
ストロベリーの甘酸っぱい味がした。
俺も愛花に向かってアイスを向ける。
愛花もペロッと舐める。
そこは悠治が口を付けたところ。
それを愛花が分からなかったはずはない。
う~~。あ~~。
その後、お互いに真っ赤になりながらアイスを食べる。
味なんか分からなかった。
二人はアイスを食べ終えた後も、ずっとベンチに座り一言も話さない。
どちらも無言で会話などなかったが、不思議と苦痛には感じなかった。
むしろ、心地好く安心できた。
しばらくそうしていただろうか、不意に
『あっ…あの!』
愛花が声を上げる。
『ん?どうし、っ!!』
唇に柔らかい感触
そして、目の前には目を閉じた愛花の顔が
瞬間的に理解した。愛花とキスしていることを。
俺が目を見開いて驚いていると、すぐに愛花が離れた。
『ごっ…ごめんなさい!…自分を抑えられなくて……つい。い…嫌でしたか?』
胸を押さえ、頬を真っ赤に染めて、うるうるとした瞳で上目遣いで言われる。
ドクンッ!
その様子がかわいくて、愛しくてたまらなかった。
『あっ!』
ギュッと愛花を抱きしめる。
愛花の体は柔らかくて、甘い香りがした。
『ゆ……悠治さん!』
愛花が驚きの声をあげる。
『嫌じゃない。』
『えっ? んっ… 』
俺は愛花の小さくてかわいらしい花弁に、そっと自分のものを重ねる。
さっきは、やわらかいことしか感じることは出来なかったが、今はしっとりと濡れた唇の感じや、愛花の温かさを感じることが出来た。
一瞬、愛花は身を固くしたが、すぐに力を抜き俺に体を預けてきた。
チュ!
唇を放した時、軽く音がなった。
二人とも真っ赤になった。
『ゆ…悠治さん。』
『な……なんだ?』
心臓がドクドクと激しく脈打っている。
『もっ…もういっか、むぐっ!』
俺は言葉が終わる前に、愛花の唇に自分のを重ねた。
ぎゅっと抱きしめて、愛花の唇の感触を確かめていると
チロ……チロ
!!
唇にざらりとした感触が
えっ!?……これって…もしかして…
愛花が舌で俺の唇を舐めてる……のか?
あ…愛花がこんなことを。
やがて、愛花は強引に舌で俺の口を割り、口内に舌を侵入させてきた。
クチュ クチュ
そんな水音が二人の口から発っせられる。
愛花の舌が、俺の歯の裏を舐め、歯茎をなぞる。
『んっ………ふっ…』
ギュッ!!
愛花の手が俺の首に回される。
周りの目も気にせず、キスを交わす二人。
『……なんだ…これ?頭がとろけそうだ。』
まだ愛花の舌は悠治の口の中を熱心に掻き乱している。
なんだか、頭がぼーとしてきた。
『んちゅっ! ふぅ!』
やっと愛花が俺から口を離す。
その顔は満足そうだった。
『あ…愛花……』
俺が声をかけると愛花は、はっとし
『あっ!…と、その…ごめんなさい!』
俺の腕から抜け出し、かけていく愛花
『ちょっ!あ…愛花!!』
追いかけようとするが、すぐに人混みにまぎれ見失ってしまった。
『な…何だったんだ?』
茫然となる悠治。
いつもの愛花からは想像もできない大胆さ。
さっきのことを思い出すだけで、頬が熱くなる。
『でも……気持ち良かったなぁ。』
ぽつりとつぶやく。
一連の行動を誰かに見られ、聞かれていたことに気付かずに。