第三話、痛みと我慢。
自分が幸せだと思うのなら、苦しくたって歯を食いしばって笑ってみせるよ。
あなたにだけは、見せたくないよ。 私の涙と私の痛み。
言える時は、「たすけて」を。 言えない時は、あなたを見つめて。
大好きなんだよ?愛してるんだよ? わかっているでしょ、私の気持ち。
それでも、それでも、言っておきます。 あなたにだけの「愛してる」―――――。
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私「あ~~~、 完全に2日酔いだぁ・・・」
「キモチワルイーーー」
彼「お前が酔うまで飲むなんて珍しいな?」
「何かあったのか?」
私「別に?何もないけど?」
私はそこで、わざと笑って見せた。
辛くないはずがない―――。
自分の体が限界まで来ているのはわかっている。
でも、今日仕事に行けば明日は休み。
そして、明日は12月23日だからクリスマスは―――。
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ごめんね、 もう、私ムリっぽいや。
明日はイヴなのに、吐血までしちゃうなんて―――。
ごめんね、 こんなに弱弱しい存在で。
でも、昨日あなたに会うことができてよかったよ。
たぶん、もう会うことはできないけれど、私はあなたの顔を想いながら死ねるから。
ごめんね、 自分勝手な私のままで。
大好きだよ? たった一人だけのあなたのことが―――――。
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私は今日、再び病院に運ばれた。
家は小さな病院だから、総合病院に父が電話をしたの。
私の家族は私の病気を知っていたから、私の願いを聞いてくれたの。
“彼には、絶対に言わない事―――――”
けれど、私の家族はそれに条件を付けた。
“絶対に、無理はしない事―――――”
“我慢をするなら、人を頼る事―――――”という二つのこと。
私の彼も、私の家族も、私の周りの人は皆優しい。
だから、私は何の未練も残さないで逝くことができる。
だから、最後に言わせてほしい。
皆に対しての、私からの「ありがとう」を―――――。