空が軋む日
掲載日:2026/02/25
冬の終わりに見上げると
空が軋んでいることがある
鳥もその日は飛ぶのをやめて
退屈そうに野の原に
空の直るのを待っている
雲がぼろぼろこぼれて落ちて
ちっとも冷たくないくせに 溶けないおかしな雪が降る
ずるずると擦れる風の音
薄い雲のその向こうには きっとあの世が覗いてるんだ
カラスがサイレン代わりに喚く
きょうは遠くへ行くもんじゃない そのまま帰ってこられなくなる
叫ぶカラスの足元には ああ 茶色の獣が事切れている
冬の終わりに空が軋む 空が軋む日は遠くへ行くな
軋んだ空の向こうに行って そのまま二度と帰れなくなる
冬の終わりの嵐は、地に足がつかない様な独特の浮遊感を持っている気がする。真冬の嵐よりそれはある意味恐ろしいのかもしれない。




