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1-8「パーティー…かぁ」

昼頃だ。

俺はいつものようにメイドカフェに向かう。

すると看板には休業中の文字が書いてある。

(エンプティ)「ヘイジーに会えないのか」

スマホで連絡すれば会えるだろうとは思う。

一応、恋人同士なのだから気兼ねなく会えばいい。

でも、連絡が来てないってことは今はそこまで会いたい気分でもないのかもしれない。

ここ最近、ずっと会ってたし。

だから今日は別にいいやって気分なのかも。

俺はそう判断した。


帰り道、砂浜を歩いてる時だった。

岩場に立って、釣竿を垂らしてる女性に出会う。

(リンダ)「やぁ」

(エンプティ)「大漁?」

俺は彼女の傍にあるかごの中を確認する。

(リンダ)「まずまずって感じかな」

みずのなかを3匹泳いでる魚がいる。

(エンプティ)「そうみたいだな」

(リンダ)「今日は愛しの彼女とデートじゃないのかい?」

(エンプティ)「愛しの彼女って…」

結構、広まってるな。

リンダとヘイジーは友達みたいだし、

話して不思議じゃないのか?

(ルミナス)「われーらがぁ↑てんさーい、しょーじょの…ルミナスちゃんじゃーい↓」

音の調子が外れてるけれど、楽しそうに歌う声がやってくる。

(エンプティ)「よぉ」

俺は軽く手を振る。

(ルミナス)「あれ、愛しの彼女は?フラれたん?」

(エンプティ)「お前もかよ…」

俺は項垂れる。

(リンダ)「そっとしといてやれ、フラれたんだからな」

リンダは断言する。

(ルミナス)「そうなのか、とっても辛いな、それは」

ルミナスは変に同情してくる。

(エンプティ)「フラれてねぇ、今日は…たまたまだ」

俺は言葉が尻しぼみになる。

(リンダ)「まぁ、そんな日もあるさ。

そういう時はこれでもするといいさ」

そう言って釣竿を貸してくれる。

優しいは優しいんだよな。

ちょっと気づかいが出来ないだけで。

なんてことを内心思う。

(ルミナス)「おっ、いいねぇ。せっかくだから勝負しない?」

ルミナスはポケットから釣竿を取り出す。

どっから出たんだあれ?

長さがあってない気が。

(リンダ)「いいね、一番大きいの釣ったのが勝ちってことで」

(ルミナス)「よーし、決定」

2人の女の子たちは話を進める。

(エンプティ)「おい、俺はやるなんて一言も」

(リンダ)「硬いこと言いなさんなって、ほら、釣竿も持ってることだし」

(エンプティ)「それは、貸してくれからで」

(ルミナス)「おっしゃー、今日は私がヒーローじゃー!」

ルミナスは燃えてる。

(リンダ)「あの熱を冷ましてやることもあるまい?」

(エンプティ)「はぁ、分かったよ」

俺は付き合うことにした。

どうせ、ヘイジーと会えなかったんだ。

せっかくだし、楽しんで次会った時の話のネタにでもするか。



そうして、釣りをすることになった。

(リンダ)「場所を決めよう、同じ場所でやっても奪い合いになるだけだからな」

(ルミナス)「じゃあ、私は桟橋の方で」

(リンダ)「私は今いる岩場で」

(エンプティ)「それじゃあ俺は…砂浜かな」

とりあえず近場にしておいた。

残り物には福があると言うしな。

(リンダ)「ふふ…そんな調子じゃ私たちには勝てないぞ」

リンダは怪しく笑う。

(エンプティ)「なに?」

(ルミナス)「あれは、全世界に100個しか製造してないって言われてる伝説のルアーっ!」

金色に輝く小魚を模したそれは明らかに他とは違う雰囲気だ。

(エンプティ)「ずるくないか?」

俺は不満を口にする。

(リンダ)「これは勝負だ、ずるいも卑怯も無いのさ…ほら来た」

すぐに魚がかかって釣り上げる。

(ルミナス)「なら、私もとっておきの方法を…」

ルミナスが取り出したのは高性能の魚群探知機。

これで何処に魚が居るかすぐに分かる。

(エンプティ)「釣り勝負って言うより、道具の背異能バトルになってないか?」

(ルミナス)「うるさい、先にズルしたのはリンダの方が先だ!」

ルミナスは釣りを垂らす。

すると、魚群探知機で居ることは分かってるので、

魚が面白いように食いつく。

(エンプティ)「初心者に遠慮ってものを知らないな」

俺は真面目に釣りをこなす。

というか、それしか出来ないとも言えるが。

釣りする予定ではなかったので、アイテムを持ってきちゃいない。だからこの借りた釣竿だけで勝負するしかないのだ。ある意味、俺が一番、自分自身の力だけで戦ってる気がする。

(リンダ)「あはははははは!」

リンダの笑い声が響き渡る。

(ルミナス)「あいつ、やりやがったな!」

(リンダ)「どうだ、マグロの一本釣り!」

それは巨大なマグロだった。

人間よりも大きい2m級の化け物。

(エンプティ)「あんなのが浅瀬の海で釣りあげられるのか!?」

俺は驚いて、顎が外れそうになる。

(リンダ)「これで私の勝利は確定だろうなぁ」

リンダは勝ち誇った顔をしてる。

あまりの大きさに、持ってきたかごの中に入らない。

仕方ないので、俺の近くの砂の上にどさっと置かれてる。

(ルミナス)「これで、どうじゃあああああっ!」

ルミナスはあろうことか釣竿ではなく、

網で掬いあげる。

すると、小魚の群れが大量に引き上げられた。

(リンダ)「あはははは、無駄だよ。

小魚を沢山取ったところで、大きさには関係ないからね」

リンダは笑みを崩さない。

(ルミナス)「果たしてそうかな?」

ルミナスはにやっと笑う。

(リンダ)「どういうこと?」

彼女の顔に変化が出る。

(ルミナス)「これを見なさい」

(リンダ)「こ、これは!」

それは小魚たちが並んで、

砂浜の上で巨大な魚になってるではないか。

(ルミナス)「1匹で大きさを決めるなんてルールは聞いてないからね」

(リンダ)「で、でたらめよ!」

(ルミナス)「負け惜しみですかぁ!?」

ルミナスは煽る、その顔は非常に腹立つ顔をしてる。

(リンダ)「これよりもっと大きなの釣ればいいのよ!」

リンダはやる気に満ちてる。

(ルミナス)「それよりも、やばい人が居るんじゃない?」

ルミナスはちらとこちらの方を見る。

(エンプティ)「ぐっ」

未だ一匹も連れてない俺はかなりのピンチだと言える。果たしてこのまま負けてしまうのだろうか?

負けたからといって、特にペナルティがある訳じゃないが負けるのは悔しい。

(ルミナス)「今日は私がヒーローかも?」

ルミナスは有頂天って感じだった。

(リンダ)「海の女として負けれないわ!」

2人は張り合ってる。

だけど俺はその勝負の土台に乗ってない。

唐突に不安が押し寄せる。

俺は…負けるのか?

そう思ったその時だった。

(エンプティ)「ん?」

僅かに感じる釣竿が引っ張られる感覚。

俺は思い切ってそれを引っ張る。

(ルミナス)「今更小魚程度引き上げてもねぇ」

(リンダ)「私のマグロにも及ばないわ」

(エンプティ)「…」

だけど俺はこれに賭けるしかない。

祈りを捧げて、運に頼る。

(ルミナス)「うそでしょ」

(リンダ)「まさか」

魚影がだんだんと見えてくる。

(エンプティ)「来い!」

俺は引き上げる。

だけど、30cm程度と微妙。

そんな小魚だった。

(リンダ)「危ない危ない、私が最下位になるかと思ったわ…」

額の汗を拭いて安心した様子だった。

(ルミナス)「これで私の勝利が確定ね!」

夕日が見えてきて、暗闇の時間が近づいてくる。

もう、遊びは終わりってことだろう。

(エンプティ)「いや…まだだ!」

俺の釣り上げた小魚に反応してか、

もっと大きな魚影が海に広がる。

(ルミナス)「う、嘘。なにこの大きさ!?」

(リンダ)「私たちに勝利できるほどの魚…それは」

(エンプティ)「うおおおおっ!」

小魚に食いつくように、一緒に海から這い上がってきたのは巨大なクジラだった。

人間よりも、

ずっとずっと大きなそいつは俺の釣った魚を飲み込んで海の中へと消えていった。

(ルミナス)「クジラを釣るなんてむりよ、これはノーカウントよ」

(エンプティ)「だが、お前の小魚大軍を認めたんだ。これもありだろう」

(ルミナス)「嫌よ、だって釣り上げてないじゃない」

(エンプティ)「俺は小魚でクジラを釣ったんだ、現に見ただろう」

(ルミナス)「それは…そうだけど」

(リンダ)「貴方の負けよ、ルミナス」

冷酷にそのことを伝える。

(ルミナス)「リンダ…」

(リンダ)「おめでとう、エンプティ。あなたが優勝よ」

(エンプティ)「よし!」

俺は何とか逆転勝利を収めることが出来た。

嬉しくなって、ガッツポーズをする。

(リンダ)「ルミナス?」

リンダは彼女に語り掛ける。

(ルミナス)「ったく、しょうがないわね。

特別よ、特別」

彼女はポケットから招待状を取り出す。

(エンプティ)「これは?」

(ルミナス)「パーティーの招待状よ」

今時珍しいアナログ感がある。

手紙に赤い蝋でふたをしてあって、

古めかしい感じだったからだ。

でも、逆にそれが高級感がある。

(エンプティ)「貰ってもいいのか?」

(ルミナス)「私は毎年参加してるしね、来年にまた参加すればいい話よ」

(エンプティ)「ありがとう」

(ルミナス)「仕方ないわ、今日は貴方がヒーローだもの」

ルミナスはやれやれって感じだった。

(エンプティ)「パーティー…かぁ」

どんなものなんだろうか?

パーティーなんて参加したことないから、

少し楽しみだった。




春の夜風が、少し暖かくなってくる。

星の形が見えるのではと錯覚するほど高いビルだった。

リムジンや電気自動車、水素の車などが止まってる。

ランクの高い人が集まってる雰囲気だ。

そんな場所に俺はやってくる。

受付の大柄な黒人男性に話しかけられる。

(警備員)「Do you have your invitation with you?」

(エンプティ)「あ、あぁ…」

自分よりも大柄なので、若干の威圧感が。

でも悪いことをしてるわけではないので、

素直に招待状を出す。

(警備員)「…」

中の手紙を取り出して確認する。

(エンプティ)「あ…」

今更ながらに気付いたが、

そういえば招待されたのは恐らくルミナスだ。

なら、手紙には彼女の名前が書いてるのでは?

そしたら、パーティーに参加するのは違う気がした。

(警備員)「…」

くいと顎で中へ入れとされる。

どうやらOKみたいだ。

仮面をしてるからって怪しいから入るな。

そういう風に言われるのではと思ったが、

差別になるのか、そういうことは言われなかった。

入り口を通過し、

エントランスに入ると、

重厚な扉があり、銃弾を通さないのではと思った。

そんな扉をスタッフに開けてもらい中に入る。

自分の手で開けないところに贅沢を感じる。

すると、部屋の中はとても豪華なものだった。

ホテルの宴会場を借りて行われる。

丸いテーブルがいくつか置かれて、

その上にはスペイン料理や、和食、洋食。

中華など、様々な国の料理が置かれていた。

オーケストラの楽団員が生演奏でBGMを奏でる。

フルーツをカットして巨大な鶴なんか

作ったりしていた。

(ガロウズ)「ようこそ、私のパーティーに」

シャンパンを片手に、キラキラしたドレスを着ていた。

(エンプティ)「俺が参加しても良かったのかな」

(ガロウズ)「別にいいわよ、

ルミナスから聞いてるし」

(エンプティ)「ドレスとか着てくれば良かっただろうか」

俺の恰好は普段着だ。

白衣姿に仮面という研究者丸出しの恰好。

(ガロウズ)「ドレスは着たい人が着ればいいわ。

そこまで堅苦しくやるつもりもないし。

パーティーって楽しい物でしょう?

それに、私のお面をつけてるから、それだけで十分カッコいいわ」

そんな風に言って貰えたのでだいぶ救われる。

せっかく来たのに、ドレスコードに引っかかってお帰りくださいは寂しい気持ちになるからな。

(エンプティ)「じゃ、迷惑にならないように楽しむよ」

(ガロウズ)「料理もダンスも無料よ、好きに楽しんで」

(エンプティ)「そう、させてもらう」

俺は今まで見たことのないような料理を楽しむ。

別世界の料理って感じで、味よりも感動が大きかった。

目に入る料理をすべて胃袋に入れないと、

気が済まない気分だ。

そんなやる気に満ちていた時のこと。

(酔っぱらい)「うひひひ…」

貴族風の恰好をした男が酒瓶を持って酔っぱらってる。

普通じゃないと思ったのは、

テーブルに足を引っかけて転んだからだ。

その拍子に大事な料理が地面に散らばる。

(エンプティ)「結構、飲んでるみたいだな」

俺は近くに居たガロウズに話しかける。

(ガロウズ)「ちょっと…ね」

あまりいい顔はしてない。

(酔っぱらい)「どけ…」

(エンプティ)「っと…」

俺を押しのけて、ガロウズの前に出る。

(酔っぱらい)「俺と踊れ、ガロウズ」

その言い方は少し乱暴に思えた。

(ガロウズ)「申し訳ないけど、酔ってる人と踊れないの。だって、私の顔にゲロを吐かれても困るもの」

その言葉を聞いて、

周囲の人間が笑いだす。

だけど、男はその笑いが嘲笑に思えたのか、

苛立った顔をする。

(酔っぱらい)「おい、黙って付き合えよ」

男は強引に手を引っ張る。

(ガロウズ)「私に触らないでもらえる?」

ぱんっと手を払いのける。

(酔っぱらい)「てめぇのネイルは誰も興味ねぇんだよ、金があるから相手してもらえてるって気づけよ」

(ガロウズ)「これは驚いたわ」

口を開けてまぁって感じだった。

(酔っぱらい)「なに?」

思った反応と違ったのか、気に食わないようだ。

(ガロウズ)「ごめんなさい、私に向って喋ってたのね。馬鹿みたいなことを言ってるから、てっきり猿と会話してるのかと」

(酔っぱらい)「我慢の限界だ!」

殴ろうとする。

(エンプティ)「まずい」

俺は止めに入ろうとする。

でも、どうやらそんな心配は無用だった。

(ガロウズ)「…」

ぱぁんと、拳銃に似た音が響く。

その原因は酔っ払いに思い切りビンタをやり返た。

頬が赤く染まってる。

(酔っぱらい)「て、てめぇ!」

(ガロウズ)「私の仕事にケチをつけないでもらえる?」

(酔っぱらい)「この!」

酔っ払いが襲い掛かるが、彼女には無意味だった。

(ガロウズ)「身の程を知れ、バカ!」

相手の頬を思い切りビンタする

(酔っ払い)「ちくしょう、覚えてろ!」

物凄く小物っぽい捨て台詞を吐いて、

涙目で逃走した。

(ガロウズ)「ごめんなさい、パーティーを楽しんで」

ガロウズが勝利宣言をあげると、

会場内で拍手が湧きおこるのだった。



(エンプティ)「よぉ」

俺はガロウズに話しかけに行く

(ガロウズ)「言っておくけど、私は悪いなんて思ってないわよ?」

彼女はツンとした態度を崩さない。

(エンプティ)「別に間違ってるとは思わないさ」

(ガロウズ)「そう?」

ガロウズは俺の言葉を聞いて満足そうだった。

(エンプティ)「にしてもどうして怒ったんだ?

別にスタッフに任せるでも良かっただろう」

(ガロウズ)「こう見えて、

自分の仕事に誇りがあるの。

馬鹿にされるのはごめんよ」

(エンプティ)「誇り…?」

(ガロウズ)「えぇ、私の作品は言ってしまえばアート作品。ネイルって言っても日常生活においては不要なものだもの。だって、コメを磨ぐのに邪魔でしょ。でもね、それでも世界には必要だって思うの。だって、自分の一部が綺麗だったら、世界に存在していいんだって思えるじゃない」

(エンプティ)「世界に存在していい?」

(ガロウズ)「人間って醜い生き物よ、生きてて素晴らしいっては思わない。でも、人間が作り出すものは不思議で綺麗だなって思えるの、だから体の一部でも綺麗だなって思えるものがあれば、きっと世界に存在していいのよ…ほら見て綺麗でしょ」

ガロウズは自分のネイルを俺に見せてくる。

それはらでんのように輝いていた。

(エンプティ)「プライドがあるんだな」

(ガロウズ)「そうよ、私は高いの。

低く生きて俯いて生きるのは嫌だもの」

(エンプティ)「なるほど」

俺は微笑む。

それは、彼女の前向きさに惹かれたからだ。

(ガロウズ)「パーティー楽しい?」

(エンプティ)「どうかな」

(ガロウズ)「曖昧ね?」

(エンプティ)「俺がドレスを持ってないってもあるが、周りは綺麗な恰好な奴の方が多くて」

若干の場違い感はある。

でもまぁ、

誘ってくれたのだから楽しくないわけではない。

(ガロウズ)「ふふ…」

俺の言葉が可笑しかったみたいで笑う。

(エンプティ)「変だったか?」

(ガロウズ)「だって、普通は楽しいって言うものでしょう?」

(エンプティ)「そうかもしれない」

痛い所をつかれて俺も笑うしかなかった。

(ガロウズ)「でも、私も同じかもしれない」

(エンプティ)「同じ?」

(ガロウズ)「私もつまんないの、最高にね」

俺の耳に向かって小声でささやくように言ってくる。

それが何だか妙に色っぽかった。

(エンプティ)「このパーティーを企画したのはガロウズでは?」

(ガロウズ)「企画したからといって本人が楽しめるかは別の話よ、ゲームクリエイターがどれほど評判が良くても自分の作ったゲームを好きかどうかは別でしょう?」

(エンプティ)「確かにその通りだ」

(ガロウズ)「場所を移動しましょう、貴方ともう少し話がしたい」

思わぬ誘いに俺は少し驚く。

(エンプティ)「喜んで」

なのでその誘いを受けるのだった。




宴会場と違って静かな雰囲気。

噴水と、緑の茂みが見えるバルコニー。

そんな場所で夜風に当たりながら2人きりで話す。

(ガロウズ)「私ね…パーティー会場では浮いてるのよ」シャンパンを軽く飲んで、寂しそうな顔。

(エンプティ)「何故だ?」

(ガロウズ)「親が富豪で…パーティーをできる程の財力や人脈はある。でも…それは私のの実力ではないからよ。さっきの酔っ払いみたいに、そのことを面白く思わない連中が多いの」

(エンプティ)「そうだったのか」

金持ちだから敵がいないと思っていたが、

彼女は彼女なりに敵がいるらしい。

(ガロウズ)「だからこそ自分の力でやってるネイルにプライドが出るの。でも…そのプライド故に対立が多く友達が少ないのよ」

ガロウズは苦笑する。

(エンプティ)「なるほどね」

もしかしたらこのパーティーは敵と友達を見つけるものなのかもしれない。

(ガロウズ)「ねぇ、エンプティ」

(エンプティ)「なんだ?」

(ガロウズ)「私ね、本当はあまりお喋りは得意じゃないのよ?」

(エンプティ)「そうは見えないな」

(ガロウズ)「貴方が特別…」

シャンパンを飲んでるせいか、

少しだけ顔が蕩けてるように見える。

(エンプティ)「ガロウズ…」

(ガロウズ)「よければ、お友達になって。

1人は…寂しいもの」

弱々しいその顔には可愛さを感じる。

放っておけない雰囲気があって、おれはつい了承した。

(エンプティ)「喜んで」

そう言って握手するのだった。




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