表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/10

第2章 影を食べる者たち

この世界の多くは影を食べることを知っている。影はただの影ではない。声の残骸、触れられた想い、忘却の余白――影とは、過ぎ去ったものの匂いを濃縮したようなものだ。食べるという行為は奪うことではなく、継承することだった。口にした者は消えたものの断片を胸に刻み、新しい影を纏って歩く。


人々は影を食べることで記憶を取り込み、夜に明かりを失わない。影を食べるという習俗は、やがて芸術となり、宗教となり、日常の礼儀となった。影を食べては新しい影を吐き出し、その影はまた誰かに食べられる。螺旋は小さな輪を重ねながら続いていった。


だが、すべてがやさしいわけではない。影を食べる者は、取り込んだ影の重さに押し潰されることもある。吸収は変化であり、変化は消失を伴う。だから、影を食べることを躊躇う者、影を拒んで歩く者もいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ