3話
「あ、そう言えばさ大和。MMP買った時ってさなんかメールきたりした?」
自分のMMPを操作しながら大和が顔をあげてこちらを見た。
「ん?来たよ。ご購入ありがとうございます的なのが・・・・それがどうしたんだ?」
「1件だけ?」
「当たり前だろ。」
「だ、だよな・・・はは、はははは」
大和はいぶかしげな顔をしていたが、曖昧に笑って誤魔化した。
(買った人全員、てわけじゃないのか。)
「そんなことより早くDHやろうぜ。」
大和が自分のMMPを持ち上げて言う。
「お、おぅ」
そのまま2時間ほど大和の家でDHをしたあと、大和の家を出て帰路についた。
慣れた帰り道を歩いていると、どうしても考えてしまうことがある。例のメールの事だ。
あの後結局、例のURLからとんだサイトを調べた。やはり信じがたいことばかりが書いてあった。
その内容を簡潔に話せば、“敵を倒して強くなり、世界を進化させてください”だ。
正直サッパリだった。まるでDHみたいなゲームのような内容だった。
ただゲームと違う点は、相手が人で、戦うのは自身であり、武器はMMPにダウンロードされている曲を使った超能力。
変なことには首を突っ込みたくなかったので、やる気なんてなかったが、そのたんびに例のやつからメールがくるのだ。
結局、そのサイト通りに会員登録をすませ、指定の曲をダウンロードした。
曲名:Wind lv1 defend.windwall
種類:MPEG Layer3 Audio
サイズ:10MB
曲名:Physical avoid lv1
種類:MPEG Layer3 Audio
サイズ:10MB
指定された曲はこの2つだった。それを言われた通りに自分のMMPの音楽フォルダにダウンロードした。
曲を再生すると、フォルダに入っていた全ての曲が同時に再生された。しかし、何故かそれらを聞き取ることができた。
そして肝心の超能力の使い方だが、“聞くと使える”としかサイトには書いていなかった。なんのボタン操作もいらないらしい。
しかし、聞いていても何もおきなかった。やはり、嘘だとしか思えなかった。
大和の家から自分の家までは歩いてだいたい10分ほどの距離だ。しばらく歩きながら例の事について考えていたが、結局何もわからないままだった。
「ただいま。」
返事を返してくれる者がいないことを知っていながらも、どうしても癖で言ってしまう。
自分の部屋まで行き、パソコンの電源を入れる。いくらMMPでネットが使えるからといっても、やはり電池の消費量が半端ないし、何より立体映像には慣れていない。
そして、例のサイトのURLを入力し、もう一度サイトを見る。
―――カタカタ
前調べた時は、使い方のとこばかりを見ていたので、今回は違うところを調べてみた。
そこで気になったことがあった。
「・・・これは・・どういうことだ?会員数215名・・・他にも俺みたいなメールを貰った人がいるのか・・・」
そして、会員の一覧表を見つけた。
「・・・なんだこれ?ほとんどの人の名前が“NoNmae”じゃないか・・ん?名前の横のこれは・・なんだ?」
Name :Job :Lvel
・
・
NoName:Fighter:1
NoName:Fighter:1
Kouta :Wizard :3
・
・
左から名前、職、レベルとなっている。
「Fighter・・・戦士のことか?Wizardは魔法使いだろうな・・・本当にゲームみたいじゃないか。レベルなんてあるあたりがもう・・・ん?このKoutaって奴、名前んとこが暗くなってるな・・・・」
他の人も何人か暗くなっていた。
「ログインしてるかしてないか・・・なのかな?」
そこので自分の名前を探そうと思い、気がついた。
「名前登録してないな・・・てかそんなの会員登録で一緒にしとけよ・・・」
ぼやきながら、ログインをして、自分のプロフィールを探す。
ちなみに、最近のサイトのログインは指紋認証になっている。
そうして、自らのプロフィールを見つけ、表示する。