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ダウンロード  作者: 深々
13/18

11話

「いくぞ、ゴラァ!!」


 そう叫んだB.Bと名乗った方の男の手から光が発せられる。そして、次の瞬間その手には斧が握られていた。


「おっらぁぁぁ!」


 叫びながら斧を振り上げて飛び掛ってくる。

 海璃は冷静に体が軽くなるイメージをする。


「KAIRI」


 呟く。


<Mode/Fighter...Tipe/PhysicalUP.avoid.Lv1.....OK...Start>


 脳内で電子音声が鳴る。

 そして、体が軽くなる。

 振り下ろされてくる斧の動きに体が反応する。


「ちっ。」


 綺麗に斧を避けられたことに舌打ちしながら男はすぐにこちらに襲い掛かってくる。


「こっちも忘れてもらった困るんだけどねっ!・・・・ファイアボール!!」


 海璃に追い討ちをかけようとしていた男に横から火の玉がせまる。


―――シュッ


 その時、風を切る音がしたと思ったら急に火の玉が弾けた。


「なっ!?」


 琴音が驚愕に目を見張る。

 するとB.Bの数メートル後ろにもう一人のトオルという男が立っていた。

 そして、その手に握られていたのは鎖鎌。


「なるほど。力系の斧を使うデブの単細胞と、命中系の鎖鎌か、なかなかいい組み合わせじゃん。」


 鎖鎌が火の玉を消したことに驚いた様子もなく海璃は風の刃をイメージする。


「まぁ、Lv3までやってきてそれくらいしか出来ないとは、所詮その程度か・・・・KAIRI」


<Mode/Wizard...Tipe/Attack.windcutter.Lv1.....OK...Start>



 海璃の挑発にさらに激昂し、B.Bは襲い掛かってくる。


「ウィンドカッター」


 風の刃が男に襲い掛かる。すかさず横から鎖鎌が飛んできてそれをかき消す。

 そして、B.Bはすかさず海璃に斧を振り下ろす。

 それを紙一重で避けて海璃は、男の顔面に膝を入れる。

 斧の攻撃は威力は大きいが、当たらなければ大きな隙ができる。


「ぐっ!」


 呻く男にすかさず蹴り入れる。

 すると横から鎖鎌がこちらの首を狙ってとんでくる。

 しかし、それを軽々と避けると海璃は風の壁をイメージする。


「KAIRI」


<Mode/Wizard...Tipe/Defend.windwall.Lv1.....OK...Start>


「ウィンドウォール!」


 風の壁がB.Bとトオルの間に発生する。


「琴音!」

「はいよっ!・・・ファイアキャノン!」


 鎖鎌が風の壁に阻まれている間に、蹴りを入れられ隙だらけの男に先ほどよりも格段に威力が上がったと思われる火の玉が襲い掛かる。


「グハッ」


 男が吹っ飛んでいく。

 火の玉は男に直撃したと思われた。

 しかし、吹っ飛んでいった先で男が起き上がる。


「あれだけ食らって、まだ立てんのかよ。」


 海璃は驚いた。蹴られた後にあれ程の威力の魔法が当たれば、もはや死んでもおかしくないと思われたからだ。その証拠に男の服は焦げて、男の皮膚からも煙が上がっている。

 それにもかかわらず男は立ち上がった。しかし何故か攻撃してくる様子はない。


「あいつはこれで倒した。次はあの鎖鎌よ!」

「何?あいつまだ起き上がってるじゃないか。」

「あぁいうもんなの。怪我はしても死んだりしない。よほどじゃない限り気絶もしない。ただ痛みだけがあるだけ。まぁ、あれを食らったから火傷のあとくらいは残るけどね。」


 してやった、といわんばかりの顔をしながら琴音は言う。


「便利だな、おい。普通アレ食らったら死ぬだろ。」

「そんなことより、来るよ!」


 そう言って琴音は海璃の服を掴んでバックステップをし、魔法を発動させる。


「ファイアウォール!」


 目の前に火の壁ができる。その壁に鎖鎌が当たる。

 トオルと呼ばれた男は、舌打ちをして鎖鎌を手元に手繰りよせ、次の攻撃に備えた。

 海璃は琴音の顔に顔を近づけて耳打ちをする。


「ファイアボールをあいつに打ってくれ。それであいつが鎖鎌を使った時に、俺が突っ込んであいつの注意をひくからその間にもう1発頼む。」


 琴音は目だけを鎖鎌の男に向けて海璃の話を聞いている。


「了解。突っ込むだなんて、以外と男らしいじゃん。」

「あっちが一体なら正直、避けられない気がしない。それじゃ、頼む。」

「はいはい。・・・ファイアボール!」


 その声と共に海璃は男に向かって走り出す。

 男は鎖鎌を投げて、琴音の手から飛んできたファイアボールを消し飛ばす。

 その隙に男まで海璃は迫る。男は慌てて鎖鎌を手繰り寄せる。

 そして海璃は風の刃をイメージする。


「KAIRI」


<Mode/Wizard...Tipe/Attack.windcutter.Lv1.....OK...Start>


「ウィンドカッター」


 近距離で放たれた風の刃を鎖鎌で消すのは不可能と思った男は風の刃を鎖鎌を盾にして受け止める。


「ぐっ!」


 男の服のあちこちが風の刃によって破れ、頬が切れる。

 耐え切ったと思った男は海璃に襲い掛かろうと防御を解いた、その時、


「ファイアキャノン!」


 海璃の後ろから火の玉が男に襲い掛かる。

 防御を解いていた男はその攻撃をモロに食らってしまった。

 男は数メートル吹っ飛んでいった。

 すると、


―――ポォン


 MMPが鳴った。

 画面には、


“You Win”

 

 と書かれていた。


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