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僕の大切な友達

作者: うずらの卵。

僕は生まれつき体が弱かった。

ママが言うには心臓が弱いんだって。

だから、入退院を繰り返してて、小学校に入学しても殆んど保健室で過ごしていたんだ。

友達も出来なくて、勉強もついて行けないくて、とても寂しかった。

そんなある日、両親が僕に子猫をプレゼントしてくれた。その子猫は真っ白で鳴き声が可愛くて、名前は雪と名付けたんだ。

僕の初めての友達。家にいる時はいつも一緒。とても幸せだった。 

でも、そんな幸せな日々は長く続かなかったんだ。僕は急に苦しくなって目の前が真っ暗になって。気付いたら病院のベッドに寝かされてて、緊急手術をしたんだって。

体は怠いし、食欲はないしで僕は段々弱って行った。僕は雪に会いたいと思ったけど、暫くの入院が必要と言われてとても寂しかった。

雪に会う為に毎日苦い薬を飲んで頑張ったけど、もう限界だったんだ。

きっと僕の命は長くないんだ、だったらいっそのこと楽になりたいと思うようになり、薬を飲むふりをして捨てていた。

そんなある日僕は夢を見たんだ。

暗闇の中から骸骨がマントを羽織って大きな鎌を持って現れた。死神だった。

あぁー僕を迎えに来たんだと思ったら、死神が低い声で僕に言ったんだ。

「おまえの寿命は後1ヶ月だ、寂しいだろうから猫も一緒に連れて行ってやろう」と。

えっ、猫って僕の大切な友達の雪の事?

僕は叫んだ「雪を連れて行かないで」と。

すると、死神は「諦めるおまえが悪いのだー」

そして、暗闇に消えて行ってしまった。

そこで僕は目を覚ました。

これは夢なのか、もし本当なら僕が死んだら雪も死んでしまう。

大切な友達の雪、まだまだ一緒にいたい、でも僕の命は後1ヶ月だと死神は言っていた。

僕は次の日から、苦い薬を飲んで辛い治療にも耐えたんだ。

諦めていたけど、まだまだ雪と一緒にいたいと言う思いで頑張ったんだ。

そして、1ヶ月後僕は退院した。その日は雪の降る寒い日だった。

両親と共に家に入ると、にゃーと一回り大きくなった雪が出迎えてくれた。

ただいま、僕の大切な友達。

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