八月十五日に捧ぐ謳
煌く甲冑を携え
嘶く荒馬を率いて
彼らはいざ進まん
尊き生の証を
我ら國の憲章に変え
果て無く
奈落を知らぬ赤子のように
平和も知らぬ愛すべき者達の為に
身を削り
勝利という死神に縛られ
突き進む
しかし
八月十五日という日が訪れる
突如として
総てが潰えた
運命の日
或いは
彼らの僅かな希望
今まで縋り付いていた物
あらゆるものから解放された日
―月日は疾風の如く流れ
ある一通の手紙が天国へ届けられる
『今、御霊は何処ですか
私は今を生きゆく者です
そして今日は八月十五日
幾度となく訪れるこの日
半永久的に続く日
その度に思うのです
命を賭して
平和の剣を振り翳し
戦ってくれて
ありがとう
私達は彼らがいなければ
存在しなかったでしょう
國は国として
変わることは無かったでしょう
もう戦争を起こしてはいけない
その悲惨さ
人々の戦慄きを教えてくれたのも
彼らでした
本当にありがとう
鎮魂を込めて
八月十五日に捧げます
さあ
次の自分へ
翼はためかせ
翔び立って行って下さい
次は必ず
爛漫の平和の華を
咲かせることでしょう』
そして彼らは
輝く新たな命を授かる
平和の使者として