3.意外と使える身体だった!
今回、取扱説明書が連発します。
変な身体に生まれ変わったけど、この世界で生きて行くためには、自分の能力をキチンと把握しておく必要があるだろう。
そう思ってボクは、気を取り直して自分のステータス画面を開いた。
すると、以下のことが書かれていた。
『称号:情事取締役、性女、遊者
Lv:0
HP:2,500,000/2,500,000
MP:0/300
SP:0/300
STR:300
VIT:300
DEX:300
INT:300
AGI:300
LUK:300』
先ず、称号の情事取締役ってナニ?(常務取締役じゃないよ!)
普通は、称号って言うと、剣士とか導士とか神官とか、そう言うのをイメージしていたけど?
ただ、性女(聖女じゃないよ)は、仕様を考えれば分かるけど、遊者ってナニ?
これって、一瞬、遊び人かと思ったけど、多分、遊女のグレードアップ版とかを意味しているような気がする。
次のLvだけど、普通、最低でも1ではないだろうか?
これが0と言うのは気になった……。
でも、HPの高さには驚いた。
HPだけなら無敵じゃないか?
MPは上限が300だけど、現時点での値は0になっていた。
回復するまでは魔法が使えないと言うことか?
だとすると、さっきの転移魔法で、それだけ消費したと言うことなのだろうか?
取扱説明書には、
『クールタイムは必要としない』
って書いてあったけど、なんか疑問が残る。
SPは、スキルポイント?
それともステータスポイント?
上限アリだから、スタミナポイントかも?
あと、他の数値は、一律300だけど、イメージ的に、多分、そんなに悪い数値じゃないだろう。
ボクは、この段階では、そんな風に思っていた。
続いてボクは、取扱説明書を開いた。
そこには、ステータス画面に関する説明記載もあった。
これは、キチンと読んで理解しておく必要があるだろう。
必ずしも地球時代にプレイしていたゲームと、略語の記載内容が完全に同一と言う保証はない。
ここでも、さっきまでボクの頭の中限定で聞こえていた合成音のような声が、取扱説明書の記載内容を読み上げてくれた。
『(取扱説明書)ステータス画面の表記の意味は、次の通りです。
Lv:Lover、即ち愛好者数を意味します。実質的には使用者数です。
HP:ハレンチパワーを意味します。本人の持つ色気、色香を表す数値で、本数値が高い方が異性の目を惹きますが、その分、同性からは敬遠されます。
MP:マゾポイントを意味します。
SP:サドポイントを意味します。
STR:Strippingの略です。ここでは『脱ぎっぷりの良さ』を意味します。
VIT:Vitalityの略です。ここでは『Hな方面での体力』を意味します。
DEX:Dexterityの略です。ここでは『Hな方面での器用さ』を意味します。
INT:Intelligenceの略です。ここでは『Hな方面での知識』を意味します。
AGI:Attempting Genital Insertionの略です。『性器挿入の試み』に向けた興味の強度を意味します。
LUK:Lusty Knightの略です。『好色な騎士』を意味し、例えばクッコロ願望などの強度を示します。
なお、HP、MP、SP、STR、VIT、DEX、INT、AGI、LUKは個体差がありますが、人間の場合、極めて高い人でも100前後が上限となります』
ボクは、さすがに唖然としたよ。
これって、単なるエロの権化……、エロのチートだ。
一応、Lvが0なので未使用品なのは確かだけど……。
さっきまで考えていたことは、完全に御門違いだった。
やっぱりボクは、飽くまでもHバトル特化の人形だってことだ。
それと、ここで言うMPが0になっていても魔法が使えないわけではない。
マジックポイントとは違うわけだから。
半ば心が折れそうだったけど、ボクは、取扱説明書の中で、取り急ぎ使えそうな能力の記述が無いかを探した。
すると、物質創製魔法の記載があるのが目に留まった。
「これって、もしかしてキチンとしたチート能力じゃ?」
ちょっと期待が膨らんだ。
ボクは、物質創製魔法の項を開いた。
『(取扱説明書)ルカ‐0721号は、Hに関連するモノなら何でも魔法で作り出せます』
ボクは、目が点になった。
結局は、そんなものかと思ったんだ。
しかし、物質創製可能な例の記載を見て、ボクは、これが意外と使える能力であると考え直した。
『(取扱説明書)ルカ‐0721号が物質創製魔法で作り出せるモノの例
各種制服:制服プレイ対応のため
一般的な女性の服や男性の服:女装プレイや男装プレイに必要なため
金粉:金粉ショーに使うため
真珠:男性器のグレードアップのため
髭剃り:下の毛を剃るため
石鹸、ボディソープ、歯磨きセット:ヤル前に使うため
日本酒:ワカメ酒対応のため
しらたき、こんにゃく、片栗粉、カップラーメン(辛くないヤツ)、メロン:男性用自慰グッズとして
バター:バター犬対応のため
大根、人参、胡瓜、トウモロコシ、ナス、長ネギ、サツマイモ、ズッキーニ等の棒状野菜:女性用自慰グッズとして
ペットボトル飲料、ビン飲料(ビール、ワインを含む):女性用自慰グッズとして
他にもHに必要があると判断されるモノは出すことが出来ます』
これって、何気にチートだ。
本来の用途に関係なく、結果的にHに関連するモノなら、基本的に何でも作り出すことが出来るってことだ。
それこそ物質創製魔法で出したものを売って生きて行くことだって十分可能だ。
ただ、ビール瓶とかワインの瓶を使う人っているんだろうか?
ボクが、これらを出せると言うことは、多分、いるんだろうけど。
ボクは試しに、
「愛人に貢ぐ金! 出ろ!」
と唱えてみた。
冗談半分だったけど、一応、Hに関連するモノになり得るとの考えだ。
すると、ボクの両掌の上に金貨数十枚が出て来た。
もしかして、こうやってお金を出し続ければ、一生遊んで暮らせるんじゃない?
意外と便利な身体を手に入れたかも知れない。
錬金術師真っ青だよ!
無から金粉とか金貨とかを出せるんだからね。
むしろ、ボク自身が凄い錬金術師になったみたいな感じだ。
まさにケミストからアルケミストへの転身!
本来の用途(性魔玩具)は気に入らないけど……。
とにかく、服も出せるなら着替えよう。
さすがに女王様スタイルはイヤだ。
「女装プレイ用の服! 出ろ!」
ボクがそう唱えると、よく異世界ファンタジーもので登場する平民女性達が着ているような服が出て来た。
多分、この世界の平民女性達も、こう言った服を着るのだろう。
早速、ボクはその服に着替えた。
本当は、中身が男性のボクとしては、女性の服を着ることに抵抗があったけど、この身体だからね。
男性用の服を着たら男装しているようにしか見えないだろう。
それに、ボンテージファッション(女王様スタイル)よりは数段マシだ。
ただ、この女王様服はどうしようか?
手で持っているのも邪魔だ。
しかし、そう思った時、取扱説明書の別の項目が自動で開いた。
『(取扱説明書)ルカ‐0721号は、Hの際に余計な物を収納するため、アイテムボックスが装備されています』
これは便利だ。
ボクは、早速、アイテムボックスに女王様服と、さっき出した金貨を収納した。
一応、これで、見た目は普通の身なりをした女性になった。
しかし、ボクの正体が人間じゃないってことがバレたりしないだろうか?
正直、不安がある。
すると、取扱説明書の別の項目が自動で開いた。
『(取扱説明書)ルカ‐0721号が性なる魔玩具であることを見抜けるのは、診断魔法発動時の高位な治癒術師(レベル100以上)と、ランクがレベル100に達した魔玩具発明家くらいです』
『注:トリフィオフィルム世界でレベル100に達した魔玩具発明家はエロスくらいです』
『(取扱説明書)他のいかなる生物も、ルカ‐0721号が性なる魔玩具であることに気付きません。人間だと勘違いします。ドラゴンほどの魔力があっても例外ではありません』
つまり、ボクは基本的に人間の女性として認識されるってことだ。
これなら、この世界でボクは一人の人間として生きて行くことが出来る。
有り難いことだ。
やっぱり、ボクを作ったエロスはムダに天才だった。
それと、ボクには他にも気になることがあった。
女神様は、
「実は、先程の『バラバラにされても元通りくっついて生き返る身体』が、まさに、そう言ったことを起こさせない仕様なのですが……」
と言っていた。
この身体は、本当にバラバラにされても生き返ることが出来るのだろうか?
ボクが、そう思った時、またもや取扱説明書の別の項目が開いた。
『(取扱説明書)ルカ‐0721号は、大人のオモチャであれば、何でも修復魔法で直せます。勿論、ルカ‐0721号自身も例外ではありません。たとえ、バラバラにされても、修復可能です』
さらに連続して、別の項目も開いた。
ボクの心の中にある疑問を、ここで一気に解決してくれようとしているみたいだ。
『(取扱説明書)ルカ‐0721号は、相手の位置や角度から挿入しやすい体勢を自動的にとるようプログラムされています。特に相手からの要求が無い限り、基本的にマグロではありません』
これで完全に話が繋がった。
バラバラにされていても修復可能な身体が、この性魔玩具であり、性魔玩具故に体毛が無く、陰部の臭いも無く、マグロじゃないと言うことだ!
完全に『二次元オタク且つ性体験に乏しい男性(昔のボクを含む)』仕様の身体だな……。




