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【短編】比翼

作者: 御魂海色

深月(みつき)君。もう少し仕事増やせれないの?」


とある日。俺は怒られていた。

なぜ怒られているか、なんだが。「出来るのにやらないから」だそう。


…いや。別に期待通りに出来るわけでもないんだが…


過度な期待は辞めてほしいですな。

と、目の前の女性に視線を送る。


「すいません。でも定時には帰りたいんで、これくらいが丁度いいんですよ」


と、頭を軽く下げつつ目の前の女性に向かって言う。

目の前の女性は、呆れつつため息をつく。


「あなた…はあ。まあいいわ」


目の前の女性の名は、比翼翠蓮(ひよくすいれん)

身長は小学生くらいしかなく、()()と呼ばれる人種だろう。

ちなみに。こんな(なり)だが、一応俺より年上だ。そして俺の上司だ。


俺がここに就職してからずっと俺の上司として指導してもらっている。

この人の指導はとてもわかりやすく、物わかりの悪い俺でさえ1ヶ月程度で仕事をスムーズにこなせるようになった。


「ところで比翼さん。部長が呼んでますよ」


話をしていて気がつかなかったのか、比翼さんは「へ?」という気の抜けた声を出しつつ振り返る。

そこには、手を振って「翠蓮ちゃーん」とねっとりとした下心丸出しの声で比翼さんを呼んでいる部長の姿があった。


「ほら、行ってあげてください。機嫌損なわれると帰る時めんどくさいので」


苦笑しつつ、行くように促す。


「………」


ジト…となぜかジト目で睨まれる。

その目には「こいつは手遅れだな」といった感じの感情を読み取れる。


待って、頼むからまだ見捨てないで。


「はあ、まあいいわ。それと、下の名前で呼んでってずっと言ってるわよね。そろそろ守って」


と言い残し、比翼さん…えー。翠蓮さんは部長の下へ向かった。

上司を名前呼びするものだろうか。まだ社会に出て日が浅い俺にはわからないな。


翠蓮さんは俺と出会った時からずっと「下の名前で呼んで」と言っている。

何故か聞いてみたところ。「苗字嫌いだから」だそうだ。

良いと思うんだけどな。比翼。なんかどこかのアニメで比翼の鳥がどうたらこうたらと言っていた記憶があり、俺は好きだ。


「まあ。ちゃっちゃと終わらせて帰るか」


と。呟きつつ仕事へ戻るのであった。


____________________________


そういえば、自己紹介をしていなかったな。

俺は進藤深月(しんどうみつき)

アニメとゲームが好きな社会人。今は幸運なことに超大手である。「スカーレットグループ」で働かせてもらっている。


「スカーレットグループ」とは、先代の社長であるテラローザ・スカーレットさんが成功を収め、世界で5本の指に入るほどの大企業へと成長させた会社だ。

現在は、テラローザさんの実の娘であるエカルラート・スカーレットさんの旦那兼執事-実際はよくわからない-である白銀咲真(しらがねさくま)さんが社長の座を引き継ぎ、現在も止まることを知らず進み続けている。


最近聞いた話だが、咲真さんは俺より年下らしい。

なんでも、まだ大学生とのことだ。だとすると凄くないか?


___________________________


さて、後一時間ほどで定時。そろそろ帰りたい時間-正直なところ通勤からずっと帰りたい-なのだが、俺は少し気になることがあった。


部長に呼び出されてから、翠蓮さんがとても忙しそうだ。

書類を大量に持ち、行き来している。


さて、ここで少し部長についてお話をしよう。

彼はこの社内では「幼女好き」という話が広がっている。

多分この社内で知らない人は居ないほど有名な話だろう。

そこで、ターゲットとなったのが我が上司翠蓮さんだ。

彼女は(自称)大人なのだが、見た目は中学生くらい-もしかしたら小学生くらいかも-の、所謂。ロリというやつなのだ。

そして可愛い。顔は整っているし、少し大人しめの顔だがどこか子供のような元気さや若々しさもある。

もうどこかの学校の制服着たらその学校の生徒と間違えられそうなほどに幼い。


そして、今の状況を考察すると。

まず部長に呼び出され、大量の仕事を押しつけられ、どうにか終わらそうと奮闘している。といった感じだろう。

どうせあの部長の考えることだ。「仕事を手伝うふりをして翠蓮さんとふたりきり」なんてところだろう。


「上司を守るのも部下の役目」と思った俺は、席を立ち翠蓮さんに寄る。


「翠蓮さん。仕事手伝いましょうか」


俺の言葉を聞いた瞬間。彼女は目を見開き、「えっ」という素っ頓狂な声を出し、そのまま口を開けた状態で固まってしまった。


いや、それほど驚くことだろうか。

俺はただ「仕事を手伝う」と言っただけなのに…


「翠蓮さん?」


俺は起こさないと定時になってしまうと考え、手を翠蓮さんの目の前で振っていきているかどうかを確認する。


「あ、ああ。ごめん。少し驚いちゃって。それじゃあ頼もうかな」


どうやら生きていたらしい。

そこまで驚くところかと疑問に思ったが、心のなかに仕舞っておく。


「ていっても、俺が定時で帰れるくらいですけどね」


と、念の為言いつつ、定時で帰れるほどの量を取る。


「ちょ。ちょっと待って?」


なぜか翠蓮さんは止めてきた。

なぜだろうか。定時で帰れるくらいの量とちゃんと言ったのに、少なかっただろうか。


「すいません。でもこれ以上はめんどくさいので。それにそのくらいなら出来ますよね」


これ以上やるのはめんどくさいため。とりあえず謝っておく。

すると、翠蓮さんはなぜか首を横に振った。


「いやいや、その量十分多いよ。定時に終わらないだろうけどいいの?」


何を言っているのかこの人は。俺が定時に終わらない量を引き受けると思うか。

俺が現在持っているのは、全ての3分の2くらいの量。

これくらいなら1時間あればコーヒーブレイクを決めても終わる。

これ以上はめんどくさいからやりたくない。

それに、残りの量なら翠蓮さんも定時には帰れるだろう。

この人作業凄い早いから。


「大丈夫ですよ。ほら、ちゃっちゃと終わらせて帰りますよ」


苦笑しつつ自分の席へと戻り、作業を始める。

それからちょうど1時間。帰宅の時間には仕事は終わり、今日も定時帰宅は守られたのであった。


翠蓮さんも無事終わっており、「お礼がしたい」とのことで翠蓮さんのおごりで居酒屋に行くことになった。

「タダ飯より安いものはない」という言葉通り、出してくれるのであれば俺は絶対に出さない。

無慈悲にも大量に注文をしていく。まあ、おごるぐらいだ。財布が潤っているのだろうな。


「今日はありがとうね」


飯を食べていると、翠蓮さんがお礼を言ってきた。

ところでここの飯美味いな。来てよかったぜ。


「いえ。俺はやりたいことをやっただけなんで。それにご飯が食べれたのでメリットもありましたし」


メリットとは、勿論タダ飯だ。

やっぱり無料で飯が食えるって最高だよね。社会人になってから改めて実感したわ。タダ飯万歳。


「そっか。でもよくあの量を終わらせれたよね」


「いや、あの量くらいならすぐ終わりますよ」


なんなら途中でコーヒー飲んでたし。

定時帰宅という縛りがありながらもそれくらい余裕があったのだ。

相当少なかったのだが、翠蓮さんは多いと主張してくる。


「まあでも、今回は特別ですよ」


部下としての役割を全うしただけだしね。

今後一切やりたくないけども。


「これからはあの量やらないですからね。めんどくさい」


「めんどくさいのは嫌だ」と苦笑交じりに言う。

それを聞いた翠蓮さんはあからさまに不機嫌になっていた。


「できればもっとやってほしいんだけどな」


「それは無理な話ですね。これ以上はやりたくないです」


「めんどくさいので」と真顔で伝える。

翠蓮さんは大きなため息をついていた。

いや、そんな呆れた目で見ないでくれ…俺はただ趣味を堪能したいだけなんだ。


_____________________________

それから翌日。


「深月君。こことここの修正をお願い」


「翠蓮ちゃーん。ちょっと来てー」


ッチ。と翠蓮さんから小さく聞こえる。いや、舌打ち聞こえてますよ…

目の前に立っていた翠蓮さんは部長に呼ばれた瞬間渋い顔になった。


「ほら。行ってあげてください」


俺は手で行くように促す。するとなぜか彼女に睨まれた。


「そんなに睨まれると防御力下がってしまいます。やめてください」


睨まれてしまって反射でそんなことを言ってしまった。

普通上司にこんなこと言ったら何かしら言われるのだろうが、翠蓮さんは深い溜息をついてから、「んじゃあ修正よろしくね」と言い残し部長の下へ行ってしまった。


とりあえず翠蓮さんに頼まれたところの修正をパパっと済ませると、そろそろ定時。帰宅の時間だ。


「んじゃ。定時なんで帰りまーす」


と、言いながら席を立ち。荷物を持って部屋を出る。

部屋を出る時に部長が何か言っていたが、聞こえないふりをしておいた。話聞くのめんどくさいし。


「んー、んー!!」


帰宅をするために廊下を歩いていると、資料室から変な声が聞こえてきた。


あれって、翠蓮さんじゃん。何やってるんだろう。


気になったので資料室を覗いてみると、そこには翠蓮さんが本棚に向かって手を伸ばしていた。

どうやら資料を取ろうとしているが、身長的に届かないらしい。

俺は溜息をつきつつ、資料室に入る。


「ほら、これですか?」


俺はそのまま翠蓮さんの後ろに立ち一冊の資料を手に取る。

すると、翠蓮さんは俺に気づき、驚いたように素っ頓狂な声をあげる。


「えっと、ありがとう」


手渡した資料を受け取りつつ、翠蓮さんは感謝を述べる。


「翠蓮さん。小さいんだから俺を呼んでくださいよ。貴方の部下なんですから、こき使ってください」


俺は苦笑交じりに言う。すると翠蓮さんはぷくっと頬を膨らませた。


「子供扱いしないで。それに貴方呼んだってやらないじゃない」


「いや、この程度なら全然やりますよ。めんどくさいのはやりたくないけど」


「出来ればめんどくさいのもやってほしいんだけどなぁ」


と、いつも通りの会話をしていると。「翠蓮ちゃんあったー?」というセリフと共に部長が現れた。

部長は翠蓮さんの隣の俺を見るなり「うげ」という声と共に苦虫を嚙み潰したような顔になる。


「お前、帰ったんじゃねえのかよ」


「たまたま資料室で困っている翠蓮さんを見かけたので、手伝っただけですよ。ほら、上司を助けるのも部下の仕事でしょう?」


「ぐぬぬ」と言いつつ部長は資料を翠蓮さんから無理やり奪い資料室を後にする。


「ごめんね。巻き込んじゃって」


完全に居なくなったことを確認すると、翠蓮さんはいきなり謝罪をしてきた。

急に謝罪をされたのでつい焦ってしまう。


「いえいえ、たまたまですから。顔を上げてください」


俺の言葉を聞いた翠蓮さんはゆっくりと顔を上げる。その表情は綺麗な笑みを浮かべていた。

俺は顔を上げたことを確認すると、翠蓮さんに少し提案をすることにした。


「翠蓮さん。これからは貴方も定時で帰ってください」


「ふえ?」と彼女は小首を傾げる。

俺はこのままだとただ仲間を増やそうとしているだけに見えるので、俺は理由も言う。


「貴方一人だと部長の思うつぼですからね。俺が居れば貴方を守ることが出来るんで。俺の居る定時に貴方も帰るんです」


「でも。それだと仕事が…」


彼女はとても真面目だ。俺はそんな彼女をとても尊敬している。


「そうですね。では俺も仕事手伝いましょう。部長に頼まれた仕事全て俺に回してください」


俺は少し考えた動作をした後。そんなことを提案する。

翠蓮さんは驚いた顔をした後に、手と顔を横にブンブンと振る


「いや、流石にそれはやれないよ。部長から頼まれる量は君も知ってるよね?」


「ええ。もちろん知っていますよ。ずっと見てますし」


そう。あの部長は普通の人であれば絶対に徹夜でずっとしないと終わらないような量を平気で渡してくるのだ。

彼女は渡されるたびにずっと動き続け、残業もしてなんとか終わらせている。そんな量を全て俺に回せと言っているのだ。流石の翠蓮さんでも遠慮をする。


「まあ、俺なら大丈夫です。それに、貴方に残業されるくらいなら俺が残業したほうが良い。っていっても絶対に残業なんてしないんですけど」


「え、ええ。まあ…貴方が自ら腰を上げてくれるなら助かるけど。無理はだめよ?」


彼女は真面目に加えて優しい。自分がどんな状況に置かれていてもたった一人の部下である俺を心配してくれている。そんな彼女のためにも、俺は絶対に彼女を守らねばいけない。


「勿論です。絶対に無理はしません。なので、翠蓮さんも定時に帰ってください」


「ありがとうね。助かるわ」


その日から、俺は翠蓮さんに渡される仕事を全て回してもらい、それを全てこなし、彼女と一緒に定時に帰宅していったのだった。


_____________________________

俺と彼女が定時帰宅を始めて数週間が経ったある日。

部長が声を上げたのだった。


「お前。前からなぜ仕事を奪うのだ。俺は翠蓮ちゃんに頼んでいるんだ!!」


俺は翠蓮さんが仕事を頼まれそうだったので、仕事を回してもらいに行くと。そんなことを言われてしまった。


「って言われましても、翠蓮さんからの指示ですからね」


「お前。さては他の奴らに仕事を回して楽しているな?じゃないとあんな量終わるわけがない!!」


あら。遂にこの人翠蓮さんに無理なことを頼んでいることを自白しちゃったよ。

これはもう言い逃れ出来ないね。自業自得だ。


「いや。そんなわけないじゃないですか。俺も社会人です。これでも回された仕事は全て自分の手で終わらせます。そんなことより、今自ら終わるわけがないような量を渡していると言いましたね?」


部長は「うっ」と声を漏らす。


「い、今はそんなこと関係ないだろ。俺は翠蓮ちゃんに頼んでいる仕事をなぜお前がやっているんだと訊いているんだ」


「関係ないわけがないでしょう。そんなことより、これで十分ですよね」


と、俺はニヤリと笑い。胸ポケットに入っていたスマホを取り出す。

そこには、通話中の画面が表示されていた。相手は、『白銀咲真社長』


「ええ、十分です」


すると、真後ろにある扉が勢いよく開き、そんな言葉が聞こえた。


「あ、貴方は…」


扉から現れたのは、スカーレットグループ代表取締役社長。白銀咲真だった。

そう、こんなこともあろうかと俺は前もって社長と話を合わせており、今回社長にわざわざ証拠を見せるために呼ばせてもらったのだ。


「さて、久瑠龍也(くるたつや)部長。先程の会話。聞かせてもらいました」


「えっと、あの…」


部長は突然の社長登場に混乱しているのか、声が出ていなかった。


「少し。お話をしましょうか。エト、部長を会議室までお連れして」


社長が「エト」という名前を呼ぶと、後ろから金髪の女性が現れ、部長を連行してしまった。


「さて、きっと彼は首になるでしょう。比翼翠蓮さん。これまでご迷惑をおかけしました」


社長は俺の後ろにいた翠蓮さんに向き直ると、深々と頭を下げた。

翠蓮さんは慌てて前に出つつ「顔を上げてください」と上げるように促した。


「それと、進藤深月さん。今回の件は貴方のおかげで解決出来る。ご協力ありがとうございます」


社長は顔を上げると、今度は俺に向き直り、礼を述べる。


「いえ、俺は上司を守りたかっただけですから」


「二人共。僕からの謝罪と礼を込めて少しお話があるんだけど、良いかな?」


俺と翠蓮さんは顔を見合わせる。


「大丈夫ですけど、お話とは…?」


「ありがとう。実は僕。これから新しい事業をやろうと思っていてね。そのために新しい子会社を作るんだけど、その社長と社員になってほしくてね」


「「あ、新しい会社の社長?」」


俺と翠蓮さんはつい声を揃えて驚いてしまう。


「そう、引き受けてくれないかな?」


俺達はまた顔を見合わせた後、二人揃って「是非。お願いします」といった。



これで、翠蓮さんは新しい子会社の社長。そして俺がその専属の秘書として働くこととなった。


「ふう。これで平和に仕事が出来ますね」


「ねえ、深月君」


色々済ませ、社長室でのんびりとしていると。突然翠蓮さんが俺の名前を呼ぶ。


「どうしたんですか?」


「いや、なんで助けてくれたのかなって、気になっちゃって」


「ああ、そういうことですか」


俺はふっと微笑を浮かべ、助けた理由を口にする。


「そんなん。翠蓮さんだからに決まってるじゃないですか。他の人なら絶対に助けませんよ。貴方だったからこそ助けたんです」


「え?」と彼女は素っ頓狂な声を上げる。


「えっと、それってどういうこと?」


「ああもう、伝わらない人ですね。貴方が好きだから助けたんですって」


顔が熱くなっていくのを感じる。しかし言ってしまったものはしょうがない。


「え、深月君って…ロリコン?」


「いや違いますよ!!」


彼女が変なことを言うからつい大声で否定してしまう。


「俺にとって幼い見た目なんて関係ありません。翠蓮さんは翠蓮さんなんですから」


そう、彼女が幼い見た目だろうが普通の見た目だろうが関係ない。

俺は翠蓮さんの見た目じゃなくて、彼女の真面目さや優しさに惚れたのだ。


「………」


翠蓮さんは少し黙る。まってこれ怒らせちゃった?迷惑だったかな?


「えっと、翠蓮さん?迷惑でした…よね?」


と。ついそんなことを言ってしまうが、彼女は「違う!!」とすぐに否定する。


「えっと、嬉しくて黙っちゃっただけだから…迷惑なんかじゃない。ていうか嬉しい」


彼女は顔を上げると、目の下に一つの筋が通っていた。その筋は、部屋の照明が反射して輝いていた。


「その、私なんかでいいの?」


「いや、貴方が良いんです。良ければ、付き合ってくれませんか?」


俺は立って彼女の前まで行くと、プロポーズをする。

彼女は俺の差し出した手を握り、社長席を立つ。


「こちらこそ。よろしくお願いします」


これによって俺と翠蓮さんは晴れて付き合うことになったのだ…



彼女の名字は。比翼。比翼の鳥という鳥から取られた名字。

その鳥は、雄と雌が隣り合い、支え合わないと飛ぶことの出来ない。だからこそ、一人で飛ぶことが出来ないからこそ、彼女は。翠蓮はこの名字を嫌っていた。

しかし、これからは俺が隣に居る。


俺が彼女を支え、彼女が俺を支える。そうして、俺達は更に先へと飛び立つのだ………





この小説に立ち寄っていただき。ありがとうございます。

そこで、皆様のお時間を頂戴している身として、その時間を良いものにするべく。

よろしければ。レビュー、感想、誤字報告をよろしくお願いいたします。

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