81 みんなでキャンプ(2)
夜は全員で炎を囲み、夜の番について話し合う。
「前みたいに、暗闇でなんとかならないの?」
「この辺りは嫌なコウモリが多いんだ。暗闇とは相性が悪い」
「そっか〜」
チュチュが炙ったマシュマロをかじりながら、うんざりとした顔をした。
パン!とシエロが手を叩いた。
「じゃあ、順番を決めるよ」
と言うと、手を開く。
「戦力的に、僕とヴァルは交互で」
「……だろうな」
「じゃあ、僕とリナリ、ヴァルとメンテ、僕とチュチュ、ヴァルとエマでいいかな」
そんなわけで、星空の下、早めの就寝となった。
メンテ、ヴァル、エマ、チュチュの4人が馬車の中に入る。荷物を全て下ろした馬車の中は、広々としていた。
チュチュが腕組みをした。
「流石にここに4人は無理かなぁ。3人までなら」
確かに、4人で座るなら余裕があるけれど、横になって眠るとなると話は別だ。
「ぼく、座って寝るからいいよ?」
とメンテが口をはさむ。
「俺も、外で寝るからいいよ」
と、ヴァルがマントを羽織った。
ヴァルは一人、馬車を出て、火のそばでゴロンと横になった。
リナリがシエロの講義を受けている声がする。
なんだかんだいって、シエロは真面目な奴だよな……。
空を見上げると、星が見えた。
こんな景色、いつぶりだろう。
星空を見上げながら、ヴァルはウトウトと眠りについた。
ヴァルが目を覚ますと、メンテが馬車を降りたところだった。
メンテがリナリの隣に座ると、「メンテ……」とリナリがメンテを見上げた。
もうすっかり眠そうだ。
リナリがメンテの腕を掴むと、そのまま寄りかかって眠ってしまった。
「寝ちゃったね」
シエロがそう呟く。
「リナリ。馬車で横になって寝ておいで」
メンテが起こそうとしたけれど、起きる気配はない。メンテが困った顔で、
「このまま寝かせておいてあげるよ」
と、諦めてそのまま寄りかからせた。シエロは一人、馬車へ入っていった。
ヴァルが時々、火に薪をくべながら、静かな時間が過ぎた。
交代の時間になっても、次の2人、シエロとチュチュが起きてくる気配がない。仕方なくヴァルが、様子を見に行くことにした。
まだ起きそうにないリナリは、メンテに寄りかかったままだ。
メンテが、口元に人差し指を立て、しーっと手で合図をする。
まだそのまま寝かせておくようだ。
ヴァルが立ち上がり、馬車へと入る。
すると、そこで目に入ったものは……。
「………………」
馬車のど真ん中で大の字になって眠っているシエロだった。
シエロのマントの右側にチュチュが潜り込み、マントの左側はエマが掴んでいる。
3人仲良く、ひっつくようにして寝ていた。
「………………おい」
シエロの頭を掴み、耳もとでドスの効いた声を出す。
ふぁ……と目を覚ましたシエロがもったりと起き上がる。
「交代?」
ふああああと欠伸をしながら呑気なものだ。
「なんてとこで寝てんだよ」
ヴァルがシエロに凄むと、シエロは、エマとチュチュに目をやって、最後にヴァルの顔を見ると、
「羨ましい?」
と笑顔で言ってのけた。
早寝早起きのリナリは、あえて一番先に見張り番につけたのですが、結局寝てしまいました。




