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転生少女は過去の英雄に恋をする  作者: 大天使ミコエル


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101/240

101 同盟を結ぶ者

「…………同盟?」

 エマがあまりにもきょとんとした顔をしたので、シエロが「ん?」とかわいく首を傾げた。

「同盟を結んだ覚えなんて……ありません」

 えっ、とシエロが少し驚いた顔をした。


 もうっ!いちいち見応えのあるいい表情するんだから……っ!


 けれど、なんと言われてもそんな同盟を結んだ覚えなどない。

 何せこっちは、生まれた時から記憶があるのだ。

 大魔術師に初めて会ったのが、あの勧誘に来た日だというのは間違いない。

 となると、両親が勝手に……?

 チュチュや双子と同等に思えるほどの、私の価値とはなんだろう?

 父は、優秀な商人かもしれないけど…………。


「大魔術師であるうちの師匠は、エマと『ジークを幸せにする同盟』を立ち上げたって言ってたよ」


「え…………?」


 ジーク……???


 ジークって…………ジーク?????


『ジークを幸せにする同盟』って……何その『メモアーレン』のファンクラブみたいな名称は……!!!???


 た、確かにそんな同盟があったら入っちゃうかもしれない。……入った覚えはないけど。


 紅潮した顔でシエロを凝視するエマの顔を見て、シエロはとびきりの笑顔を見せた。

「その様子だと、まったく心当たりがないわけでもないみたいだね」


 最後に、シエロはまた真面目な顔になる。

「伯爵邸には僕も行く。とにかく、伯父のクリークには気をつけて欲しい。ヴァルもそうだけど、エマ、君もね」

 シエロは、心配そうな顔で微笑んだ。


 その日の夜は、なかなか眠ることができなかった。

 頭が混乱する。


 どうして、ヴァルが殺されそうになってるの。

 どうして、突然ジークの名前が出てくるの。


 翌朝はなかなかベッドから起き上がれず、ルームウェアのまま、のんびりと宿泊の準備をした。

 ドレスに靴に、と準備していくと、なかなかの量の荷物が必要だ。


 昼過ぎ、さすがにお腹が空いたので、ルームウェアのまま食堂に出ていく。

 誰もいないだろうと思い、食堂に入っていくと、クッションコーナーのクッションがモコモコと動くのが見えた。

「ヴァル」

 今、あそこで寝転がってそうなのはヴァルしかいない。

 予想通り、クッションの中からヴァルが顔を出した。

「今起きた?」

 ルームウェア姿を見て、ヴァルが軽く首を傾げる。

「あ、ううん。部屋でゴロゴロしちゃってた」

「昼食、作ってあるよ」

 そう言われ、キッチンを覗くと、オムライスがひとつ、そこに置いてあった。ワンプレートで、レタスにミニトマトも付いている。

「わ……あ……。ありがとう……!」

 泣きそうになるくらい、ちょっと感動してしまう。

 私のことまで考えてくれてたなんて。

「いただきまーす」

 と、元気にオムライスを食べる。

 オムライスを食べている間、ヴァルはずっとクッションに埋まって魔術書を読んでいた。

エマがこの学園のいる理由が明らかになったところで!

次回、とうとうシュバルツ伯爵邸へ!

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