第1幕 〜夜明け〜
ーー目を覚ます
私はどうしていたっけ?
...そうだ、授業中に寝たんだ
右手には何かを握りしめる感覚がある
その右手を見ると、カードが40枚
...デュエマのデッキが1つ
どうにかデュエマを幻想郷に持ち込もうと奮闘して1ヶ月
ついに始めてカードを持ち込むことに成功した
安堵すると同時に、内容はどうなっているか調べることにした
『戦慄の「頂」 VAN•ベートーベン』
『偽りの名 ナンバーナイン』
そして、私の切り札
『偽りの王 ヴィルヘルム』
...よし、特におかしな点はないかな
そう考えていると、意識が遠のいてきた
多分、先生に居眠りが見つかったんだ
そう思って、私はデッキを握り締めて、薄れゆく意識に身を委ねたーー
場所は移り、時も移って東深見高校の放課後
度重なる居眠りについてこっぴどく釘を差された後、私は秘封倶楽部へ向かった
そういえば自己紹介がまだだったわね
私の名は『宇佐見菫子』
秘封倶楽部初代会長よ
秘封倶楽部の部室前
特にノックもせずにそのまま扉を開く
ガラガラと大きな音が鳴る
部室には誰もいない
秘封倶楽部
非公認ではあるがこうやって校舎の一角を占領することで部室を確保している
部員は私ともうひとり...
今日は来ていないんだけれどね
幻想郷にカードを持ち込むことはできた
それじゃあ、次はどうする?
デュエマだけでなく、カードゲームはすべて相手がいて初めて成り立つ
私のデッキだけでなく、相手のデッキも用意する必要がある
その相手を誰にするかはもう決めてある
あとはその子に合ったカードを用意するだけ
幻想郷の住民にはほぼ例外なく能力が備わっている
空を飛べたり、魔法を操れたり、果てには運命や境界まで操ってしまうとか
私は幻想郷の住民ではない
だけれども、例外として...幻想郷的な表現を借りると『外の世界』の人間にもそういった能力が備わることがあるらしい
今のところ、私自身ともうひとりしかそういった人間を知らないけれど
私の場合は『超能力を使う程度の能力』
平たくいうと私は超能力者ってやつね
その相手になってもらいたい子のイメージに合うのは...あのカードかな
机の上に無造作にカードが裏向きでばら撒かれている
その中から目当てのカードを迷わずに掴み、ひっくり返す
『紅神龍バルガゲイザー』
超能力の無駄遣いとか言われそうだけど、私はいつもカードを選ぶときは、わざと裏向きにして透視して選ぶ
いわば、超能力の練習のつもり
と、話がそれちゃった
バルガゲイザーを選んだ理由は...なんとなくかな
仙人って不思議な術を扱えるイメージってあるわよね?
そういうことよ
不思議な術でドラゴンを呼び出すの
イメージは固まった
次から次へと使いたいカードを選ぶ
『龍世界 ドラゴ大王』
『勝熱英雄 モモキング』
『メンデルスゾーン』
...こんな感じかな
40枚の束が出来上がった
これを幻想郷へ持ち込んであの子に渡す
それでデュエマを始めてもらう
そして広める
気が付けばもうすぐ下校しなければならない時間になる
私はその束を持って、部室から出ていった
さて、このような感じで始まりました『ストーリー構築力をつけるために小説で補完しよう』計画(?)
一応こうやって架空デュエマ動画を制作している身ですから、エモいストーリーというものも書きたくなるんですね、ハイ
他の投稿者さんと比べて、僕はストーリーにおいて劣っているという実感があります
それを取り戻すためにもこうやって練習を重ねなきゃ...という思考に至ってこうやって書いてます
小説、動画ともに完結させるまで全力投球で行きたいと思います
ぜひ、応援をよろしくお願いします