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7懐妊

それから 多くはないものの レオン殿下と夜を共にする




「ローザ様 朝食の準備が整いましたよ」

アナがいつものように部屋にセッティングし

寝室の脇まで来る。


なんだかスープの匂いが美味しいと思えない…

そんなにお腹すいてないのかな

パンと野菜を少し口に入れる。


「コーヒーもお注ぎしますね」

アナがカップに注ぐとコーヒーの香りに気持ち悪くなった。


「うぅっ…」


「ローザ様大丈夫ですか?」

背中をさすりながら心配そうにこちらを伺っている。


「アナ、申し訳ないけど、もういいわ

 下げてもらえるかしら」


「ローザ様…もしや 

 お医者を呼んで参りますね」


「えっ?!

 そこまで大した事はないけど」


「たまに殿下来られてましたよね?

 身に覚えありませんか?」


アナに言われて、そんな気もした。


「お医者様の前にオーマン様にご報告しないとですね〜」


「えっ?

 それは何かまずいような…」


「もしかして ご存知ない?」


「…ええ どうしたものかしら」


色々相談した結果、やはり差障りがあるので殿下の側近であるオーマン様には真っ先に伝える事にした。

 アナがオーマン様に伝えると同時に私は執事のクロフォードを通して至急殿下に会えないか尋ねてみた。



この後 お城内はバタバタザワつき始める事となったのは言うまでもない。





「はぁ〜殿下、やってくれましたね!

 めでたいのはめでたいのですけど時期を考えて欲しいものですよ まったく!」



クロフォードから殿下に連絡をとってもらい、部屋の近くまでくると、何やら声がし始めた。


執務室の付近は通常 殆ど人が居ない状態にしている。ここまで来れるのはオーマン様と執事長位だ。

それを分かってか やや大きめの声で話しているから廊下でも声が漏れてくる。


「仕方ないじゃないか!

 私も健康な一男子なのだよ」


「健康?病弱ですよね〜どうして子供が出来るような事をするんでしょう?」



歓迎されない会話に扉の前で立ち止まってしまった。


病弱でも後継が出来るのは良い事だと思っていたのに…

迷惑だったなんて…


部屋から戻ろうと後ろを見ると、クロフォードが声を掛けて来た。


「奥様、少し遅れました。

 中へ入りましょう」


『いえ、戻ります…』

自室に向かおうと足早にその場を離れようとした時

殿下の声が響いた。


「ローザ、居たのか!?」


ビクッとしたが、立ち止まらず振り返りもせずに走った。


「ローザ走らないで」


一生懸命走ったものの呆気なく捕まってしまった。

病弱じゃないんでしょーか⁉︎


レオン殿下は私を後ろから抱きしめると、はぁと息をついた。


「説明するから部屋へ行こう…

 だから危ない真似はしないで。

 大切な体なんだよ…」



 首にまわした手を腰に持っていき、部屋へエスコートする。

殿下の方の部屋に入るとベッドに誘導された。



「大丈夫?」


「…はい」


「私の気持ちはこの間話した通りだ。

 ローザには危険だと思うが…

 暫く実家に帰ってくれるか?」



「はい。仰せのままに。」

 


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