6.第二王子との接触
今頃ですが初投稿です。
下手なりに最後まで書きたいと思っております(^-^;
何事もない日常が幾日か過ぎた頃
朝は庭の薔薇を見ながら散歩するのが日課になっていた。
奥の香りの濃い方は暫く行く気になれず 近くを見て歩いていた。
門の付近からこちらに気づいて歩いて来る人が見えた。
あれは、第二王子の奥様のヴィクトリア様かしら…
真っ赤なドレスに白の日傘をさし颯爽と歩いて来る。
流石に大国の王女だけあって堂々としていた。
ヴィクトリアは、マケドニア王国の東側に位置するサンバーレの第二王女として生まれ、ここに嫁いで来た。
第二王子はこの国で領地を貰い国の騎士団の隊長をしており、第一王子を支えるように言われているらしい…
近くに置くのは念の為だろうか…
ヴィクトリアはローザの近くまで来た
「ローザ様 おはようございます。
優雅にお散歩が出来て良いですわね」
「ヴィクトリア様 おはようございます。
こうやっていられるのもルードリッヒ様を初めとする皆様のお陰ですわ」
あぁ、貴族様の嫌味ね
確かに私は第一王子と結婚したが、病弱の為
公務は王女として通常課せられる仕事の半分程となっている。
ヴィクトリア様が思うのもごもっともだ。
私のポジションでは貴族の華々しさより謙虚さで敵を作らないのが大事!
「ヴィクトリア そろそろ時間だから参ろうか?」
ヴィクトリア様の後ろからルードリッヒ様が声を掛けてきた。
ヴィクトリア様を促しつつ、私に目を向けた
「ローザ様、お身体は大丈夫ですか?
アルバートから聞きましたよ。
それで、身体に良い茶葉が入ったので持って来たんだ、後で飲んで下さいね」
「あ〜ら レオン王子といい大変ね」
鼻で笑うとスカートを翻し戻っていった。
「ヴィクトリアがすまぬ…」
「いえ、本当の事ですし、最近はあの薔薇園の奥には行ってないんですの」
「そんなに匂いキツかったかな?
良くなるようにおまじないしてあげようか?」
はぁ…
おまじない位してもらえばいいか…と
考えていたら、いきなり手首を掴まれてのひらを表にした状態で唇を付けた。
「痛っ!」
何?何されたの?
驚いた顔で目を見開いていると、
「僕達王族の体液は免疫力を高めるんだ
他に良さそうな場所が思いつかず手首になったが」
私の手首には歯痕が残っており、血が滲み出していた。
噛まれたんだ…体液って唾液が混じったって事かしら?
気が動転して言葉が、出てこない。
その日の夜
今朝ほど、弟夫妻から茶葉を貰ったが一緒に飲むかい?
珍しく食後に殿下から声を掛けられる
「何やら慈養強壮にいいらしい」
ふふ…と笑いながら勧められた
「それはそうと…」
ティーカップを置くと、ちらっと目線を私の手に向ける
先程受けたおまじない?のせいで赤くなった手首には包帯が巻かれていた。
「ルードリッヒにも、困ったもんだ」
「あの…申し訳ありません。私も突然の事で」
「いや、ローザのせいではないから
弟でも 次はないと言っておいたよ
…私でもそこまでしてないのに…」
最後の方が小さい声で良く聞こえなかったが
私の為に怒ってくれたって事よね?
「あぁ、胸が…」
「殿下大丈夫ですか?」
胸を押さえながら前のめりになってる殿下の肩に手を置いた。
すると、その手を取られ口づけされ
抱き寄せながら、頬、首筋、鎖骨…とまた口づけされる。
耳元で、『いいか?』と囁かれ
『いつも その あまり準備してなくて』
ドキドキしながら答えると『気にしない…それとも一緒に風呂に入る?』
『それは、余計恥ずかしいです』
殿下は私の唇の上に自分の唇を重ね
耳元で優しく囁く
ローザは殿下に身をまかせて夜を過ごした。
夜半過ぎ
『ローザ』
私を呼ぶ声に重い瞼を少しあげる…
『このことは、オーマンにも内緒だ
分かったな? すまないが、私は自室へ戻るよ
寂しい思いをさせてゴメン』
分かった…つぶやいた気になって再び瞼を閉じた。