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5.アルバートの思惑

「目が覚めましたか?」


薄茶色の髪に濃い茶色の瞳が私の顔を覗きこんでいた。


「ひゃっ」


私はびっくりして、思わず変な声を上げてしまった。


「申し訳ございません。驚かせてしまいましたね」


「アルバート様…」


意識が遠のいた時、支えてくれたのは殿下だと思っていたが、アルバート様だったのね



アルバート様はこの国の第二王子ルードリッヒの側近だ。レオン殿下よりもやや年上に見える大人でしっかりした印象の方だ。


レオン殿下が病弱の為、ルードリッヒ王子が戦争に赴くのだそうだ。

それを支える為 大人でしっかりした側近をつけたとオーマン様から聞いた事がある。


優しい瞳が私を心配そうに見つめている。


「すいません。失礼ながらローザ様が倒れそうでしたので ここまで運ばさせて頂きました。

 後ろにメイドも控えておりますのでご安心下さい。」


メイドもいる事にホッとした。

いくら倒れそうだったとは言え、男性に抱えられ、部屋に運ばれ…なんていけないわ。


アルバート様も分かっていてくれて良かった。


「アルバート様、ご迷惑をお掛けして申し訳ございません。

 薔薇の香りにあてられたのか酔ってしまって…

もう大丈夫ですから これで失礼しますね」


そう言ってベッドから降り、立ち上がると

すっと手が腰に回ってきた。


「また倒れると悪いのでお部屋までお送りしましょう」


優しいけれど何か腰に回す手が力強くいやらしい感じがする

言葉ではいい表せない何かがある気がした。


「メイドに送って貰いますので大丈夫です。

そう迷惑を掛けてはレオン殿下に叱られますわ」


「そうですか、

 私でしたら また倒れても支えられると思ったのですが…気を付けて帰って下さいね。

 もし用がありましたら遠慮なく申し付けて下さい。」



…!!

アルバート様、殿下が病弱なのを馬鹿にされてるのかしら

こんな方だったとは思わなかったわ。


それでも動揺を見せず対応する


「ありがとうございます。

 では。また」


「はい、また」


そう言うと、そそくさと部屋を後にした。





その夜


湯浴みの為 アナにドレスを脱がせて貰うと


「今日倒れられたせいでしょうか…コルセットが少し緩められておりますね」


「えっ! 焦ってて、緩くなってる事に気づかなかったわ」


「ローザ様 お気を付けなさいませ。

 レオン殿下を亡き者にしようと思ってる者も多いと聞きました。お病気の為 あまりいざこざもないのかと思っていましたが、少し心配です」


今日の事があってか、念入りに磨かれ ゆっくりと浴槽につかった。


用意された寝間着に腕を通す

ん?いつもより軽い?

顔を下げて鎖骨から胸の辺りを見ると、ほぼレースの薄桃色の夜着だった。



「アナ、何これ?」


「せっかくあるのですもの、たまにはいいでしょう。

 殿下は来られないかもしれませんが女性らしさは大事ですよ」


優しく微笑むと、ホットミルクを用意し

ゆっくり休むよう言われた。


はぁ、何だか今日は疲れた1日だったわ〜

私、あんなに花の香りに弱かったかしら…




コンコン


ドアを叩く音がする。


殿下かしら?


ストールを羽織ると扉を開けた



殿下はこちらを見た後 少し視線を下に逸らした


「入っても良いのかな?」



昨日も来たのに遠慮してるのかしら…


「勿論ですわ。遠慮なさらずどうぞ」


ベッドに腰を掛けると、殿下に飲み物が何が良いか聞いた。


「あぁ、では、酒を貰おうかな」


「大丈夫ですの?」


「たまには良いだろう…それに、気を紛らわせたい…

いや、もしかして そうなのか?」


「そう、とは?」

抽象的な問いにはてな?が着く


「誘っているのか…」


はっとして、今日の夜着が透け透けなのに気づく

レースの羽織を横でリボンで留めるだけになっていて、胸の谷間も露わになっている。


「これは違いまして、あるから着てみろとアナに出されまして!」


おろおろする私を見て、レオン殿下は少し笑いながら


「私も男だからね、頑張らねばと思ったよ」



「それで、今日は何かあった?」



「はい、今日は庭に出てみたのですが、薔薇の香りに当てられて気を失ってしまいました。

 幸い アルバート様に助けられまして」


「そうか…アルバートに…」


一瞬目が鋭くなり、何かを考えているようだった。


「僕が助けてあげられなくてごめんね

 僕もローザを抱く位は出来るから」


肩に手をかけられ、そっと寄せられた

生地が薄いせいで私の胸が殿下の胸に当たり熱を感じてしまう。


少し体制を戻そうと、右手で殿下の胸を押そうと触れた

触れると夜着の上からでも分かる位 胸板がしっかりしていた。

鍛えられた胸に自然と手で撫でた


殿下はビクッと震えると私の手を掴んで指を絡ませ握ってきた


「今日は悪い子だね

 お仕置きだよ」


そう言うとわたしの胸の上部に唇を持っていくと

ちゅうっと吸い付き赤い跡を残した。





 


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