4.城での日常
翌朝
侍女のアナが朝の支度をしにやってきた。
さぁ、ローザ様 お着替えしましょうね
今日はどんなドレスが良いかご要望はありますか?
とりあえず仕事は何をするのかしら?
普通だと外交に付いて行ったり、お茶会したり、書簡などかしら?
まだ分からないから普通でいいかな
「淡いグリーンがいいかな」
「まぁ、良いですわね!
殿下の瞳の色ですわ」
「ち、ちょっとアナ、私はそんなつもりではないわよ」
本当にそんなつもりはなくて外は春の芽吹で綺麗な緑だったから…
「恥ずかしいから、他の色で…」
だが、アナはそれを聞く前にクローゼットに行き
グリーンのドレスを選んでる。
若草色のドレスは大きく開いた胸元にレースを使った清楚だが少し色っぽいドレスだ。
殿下の瞳の色と言われて着るには恥ずかしいが、
そんなに人にも会わないから大人しくアナが持ってきたドレスに着替える。
執事長のクロフォードに仕事を確認にいくも
特に何も無いらしい…
「あ、あの レオン殿下は…」
「自室か執務室にいらっしゃるのではないでしょうか
ですが、容態もあるのでオーマン様にお聞きした方が良いでしょう。」
一応結婚したのだもの 旦那様の事は分かっておくべきよね?
お部屋で休んでいるなら看病も出来るし、何かお手伝い出来る事もあるかもしれないわ。
執務室まで来ると
ドアをノックした
ドアの前で待っていると、オーマンが現れた。
「ローザ様…どうされました?」
「あの、レオン殿下はどちらに?
もしお手伝い出来る事があればと、思い伺ったのですが…」
「ん〜 今は 少し書類に目を通して頂いております。
終わりましたらお部屋で休む予定ですし、身の回りの世話をする者もおりますから ローザ様はお気になさらず好きな事をして頂いて結構ですよ」
やはり、お会いする事も難しいのね…
でも仕事はやっているのだわ
「お身体は大丈夫なのでしょうか?」
「はい」
「分かりました。
では、失礼致します」
しょうがなく、私は庭へ散歩する事にした。
庭園には色とりどりの薔薇が咲き乱れ、奥に進むほど香りが強くなっていった。
何だか少し香りに酔ったかしら…
ふらっと片側にふらついた瞬間、腰を支えられた。
顔を確認しようと思った所で意識が遠のいた。
あ、殿下?…
意識があまりない中、気持ちよく揺れてる感覚だけが伝わってくる。
そして、気づくと見知らぬ天蓋が目に入った。
辺りを見まわすと見たことの無い部屋だった。