3.結婚初夜
ちょっと短いです。
「入ってもいいかな?」
「は、はい どうぞ」
今日は来ない…いや、暫く来ないはずじゃなかったの?
でも、夫婦だし、殿下だし断る訳にもいかない。
断る理由もないもんね
私は近くからストールを羽織り扉の前まで行った。
ガチャ
殿下は寝間着姿で入って来た。
「話位はしたいと思って来たのだが
迷惑でなかった?」
微笑んだ顔は憂いを含んで魅力的だ
ベッドに、腰掛けると
「おいで」
私は殿下の近くまで行き、少し戸惑いながらも
距離を取り隣に座った。
「あ、あの今日は…」
私は夜の支度もそこそこな事からどうしたら良いものかと思い、口に出した
「あぁ、話に来ただけだから気にしなくていいよ
私の所に来てくれた礼を言いたかっただけだから」
微笑みながら殿下はこれからの事を気遣い何か足りない事とかあったら言って欲しいと告げた。
「お身体の方は大丈夫なんですか?」
「日常的には問題ないよ
心配掛けてごめんね
最初の夜だからあまり寂しい思いをさせてもと思ってね、昼間は殆ど会えないだろうから 夜、また来させて貰うね」
言って、いきなり抱きしめられた。
すぐ離すと、またね、と言い額に口づけを落とした。
予期せずたくましい胸に引き寄せられて
しばらく呆けていたが、こんなで眠れるだろうか…