幕間2
昼前、どこかの山中にて――――
「ねえ、本当にこんな山道が近道なの?」
「がはは、文句言うなよ。志野が最短距離だって言ってんだから間違いないだろう」
「・・・生徒が待っているから、最短でと言ったのは木野栖だろう。私は忠実に応えているだけなのだが」
「わかってるわよ!でも二人と違って私は久しぶりの山中走破なんだから、ちょっと確認しただけじゃない」
「おいおい、俺たちだって久しぶりだっての」
「一緒にしないでよ、筋肉バカ」
「なっ、ひっでーな!」
「酷くないわよ。あんたまた新しい筋トレグッズ買ったでしょう。生活費が少ないのはわかってるでしょ」
「ふっ、筋肉が求めていたんだ。しょうがない」
「しょうがなくないわよ。だから筋肉バカなのよ」
「へいへい、で、今回の依頼は生徒救出だっけか」
「・・・そうだ」
「誰かの救出なんて、初めての依頼を思い出すな」
「ちょっと、話はまだ終わってないわよ!」
「しつこいなー。後で聞いてやるから」
「言ったわね、後で逃げないでよ」
「はいはい。で、相手はあの変態野郎で間違いないんだな」
「白スーツにピエロメイクなんて、私はあいつしか知らないわよ」
「・・・同じく」
「へえ、情報通の志野までそう言うってことは、そうなんだろ。強いらしいからな、楽しみだ」
「大野津!あくまで人命救助が優先なんだからね。そこのところ間違えないでよ」
「わーってるって。心配しなさんな」
「まったく、ホントにわかってるのかしらね」
「・・・二人ともまだ余裕があるようだからスピードを上げるぞ。はぐれるなよ」
「おう、俺は構わないぜ。久しぶりにやりがいのある依頼で体が落ち着かねぇんだ。早く行こうぜ」
「ちょっと!私は・・・」
「・・・では、行くぞ」
「え、嘘、待ってよ!もうーーーーっ!」
山中を駆ける三人の人影。
木野栖先生再登場!
生徒を助ける為に、山中を新キャラ二人と一緒に疾走中です。
はたして、三人は間に合うのでしょうか。
今日も二本投稿になります。
よろしくお願いします。