プロローグ
いつからだろう。君を目で追うようになったのは。
いつからだろう。君が話しかけてくれることが嬉しくなったのは。
君を、好きになったのは。
俺は君に応えられているだろうか。君からの想いに。君からの期待に。
まだまだ自信は無いけれど、それでも、君の隣にいられるように、頑張っていくよ。
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生きることは繰り返しだ。
毎日同じように起きて、それぞれ自分の学校や仕事に行き、家に帰ってきて眠る。
そんな毎日を繰り返して、人は生きている。
俺だってそうだ。
いつものように朝起きて、いつものようにご飯を食べて、いつものように学校に行く。
特に変わることのない朝に欠伸をしながら、俺は学校へ歩いていた。
別につまらないと思っているわけじゃない。
学校でバカ騒ぎするのは好きだし、部活で剣道をしている時間はもっと好きだ。
だからこうして、朝早くから朝練へと向かっている訳だが。
それでも、何か刺激的で、風変りで、昂揚感に満ちた出来事が起こらないか期待してしまう自分がいた。
前に父ちゃんにぽろっと言ってしまったときには、思春期にはありがちな想像よって笑われてしまった。
あれは失敗だった。
父ちゃんだって慎治くらいの時にはテロリストが突然教室に押し寄せてきて、自分が活躍する妄想したなぁ、と聞きたくもない親の恥ずかしい話を聞かされてしまった。
いや、まあそんなこと考えたことがあるかないかと言われたら、考えたことがあると言っても過言では無いわけで。
だからこそ、余計に恥ずかしいというか。
なんか、話がずれてきた気がするので、話を戻そう。
要するに、俺は心のどこかで非日常を求めていたって話だ。
なんか自分で言ってて恥ずかしくなってきたが、まあ気にすまい。
さて、そんな、非日常が今まさに俺の目の前で起きている。
同じクラスの女子がおそらく攫われようとしているのだ。
五乃色瑠璃。
それが彼女の名前だ。
その彼女が、俺が曲がり角を曲がったら、今まさに複数の男に車へと引きずられていくところだった。
誘拐?知り合いではなくて?
いやあんなに嫌がってるのにそんなわけねぇか。
ほら、なんか銃っぽいのを突き付けられてる。誘拐だろう。
・・・ん?銃?
銃だと!物騒過ぎるにもほどがあんだろ!
逃げて誰か呼ばねぇと。って困ってる女の子放って逃げられるか。
困っている人がいたら、助けに行くべきだ。
もうあんな思いをするのは嫌だ。
俺が飛び込んで行って助けられるかなんて考えてる場合じゃない。
助けないといけないんだ!
だから。
早く動け!
混乱する頭でなんとか決断を下した。
しかし、体は動かなった。
さすがに同級生が攫われる場面に遭遇する妄想はしたことがない。
人って予期しない恐怖に出くわすと動けなくなるって本当だったんだな。
いや、この場合はフラッシュバックってやつか。
俺が立ち尽くしている間に犯人の中の一人が俺に気付いて近づいてきた。
俺は、それを見つめていた。
余裕なもんだ。
いや、余裕なんてない場面なんだが。
そんな微動だにしない、いや、これは嘘だ。
微動はしていた。
震えていた。
そんな震えていた俺に近づいてきた茶髪の男は、俺の腹に一撃入れた。
俺は今までくらったことが無い衝撃に思わすその場にうずくまってしまった。
そして、相手に差し出す形になった頭を思いっきり蹴り飛ばされた。
脳が揺れる。
意識が遠くなる。
あーあ、格好良く覚悟決めるつもりだったのになぁ。
情けない。
光輝先輩に鍛え方が足りないよって笑顔でどやされちまう。
朦朧とする意識の中で、俺が最後に見たものは、五乃色が泣きながら俺の名前を叫ぶところだった。
これが、意識を失うまでに俺に起きた朝の一部始終だ。
本編が無いのに番外編とはこれいかに。
作者もなぜこんな暴挙に出たかわかっていません。
とりあえず、本編知らなくても(知っている人は誰もいない)わかるように書いているつもりです。
初めての投稿で、読みづらいところが多々あると思いますが、最後までお付き合いして頂けると嬉しいです。
よろしくお願いします。
追記
なんか読みづらかったので、段落でまとめて書くから、一文ずつ行を変えて書く文の書き方に変えました。
これで、少しは読みやすくなっていれば幸いです。
さらに追記
タイトルの読み方を幕間3になるまでどこにも書いていないという不親切働いたのが私です。
すみませんでした。
今さらながらタイトルの読み方書いておきます。
五匹の神獣が創生る世界、です。
これからもラストまで毎日投稿続けますので、よろしくお願いします。