第4話 魔力の上限値(残高)を上げよう
「そういえば、僕って自分の魔力がどれくらいなのかよく知らないんだけど……」
思い返してみれば、僕って魔力や魔術に関してほとんど知識がない。
王国では剣術や政治を学ぶ機会はあっても、魔術を学ぶ機会はなかった。
そもそも僕自身あまり興味のある分野でなかったのも大きい。
だから、実は自分の魔力量がどれくらいなのかすら知らないんだよね。
『でしたら、マスターのステータスを表示致します。少々お待ち下さい』
シロが言うと、タブレットの中心でぐるぐると円が回転する。
そしてしばらくすると、数値の一覧が映し出された。
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アーロン・マクス
Lv.1
HP:777/777
MP:1313/1316
攻撃力:501
防御力:315
素早さ:297
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「へぇ。これが僕のステータスなんだ。魔力は1316かぁ……」
『正直に申しまして、マスターの魔力量――つまり残高上限値は高いとは言えません。このままでは、購入できる物が限られてしまいます』
「ふむ、それじゃあどうすればいいの?」
『レベルを上げて、魔力の上限値を引き上げましょう。上限値が上がればそのぶん残高も増え、より多くの物が購入できるようになります』
レベルを上げる、か……
今まで考えたこともなかったな。
レベルを上げるとなると、経験値が必要になるワケだけど――
『レベル上げに最も効率的な方法は、冒険者になってたくさんのモンスターを倒すことです。それから冒険者ギルドで依頼を達成していけば、なお近道になります』
やっぱり、そうなるよねぇ……
モンスターを倒す、かぁ。
幸いにも王国で剣術は教わっていたから、最低限戦うことはできると思う。
【魔力決済】があれば武器防具は揃えられるかもしれないし。
ちょっと怖いけど――どうせ行く当てもないんだ、いっそ冒険者として生きていくのも面白いかもしれない。
「OKシロ、キミの言う通りにしよう。それじゃまずは、武器とか防具を揃えなきゃだね」
『お聞き入れ頂きありがとうございます。マスターの魔力量があれば、初級者向けの武具を買うことが可能です。まずは武器屋で買い揃え、その後は冒険者ギルドに向かいましょう』
◇ ◇ ◇
「よし、こんなもんかな」
武器屋にて胴体を守るレザーアーマーと、ロングソードとバックラーをセットで購入。
それを身に着けて、僕の出で立ちは一気に冒険者っぽくなった。
ただし、魔力残高はけっこう減っちゃったけど。
『よくお似合いです、マスター。これで冒険に出られますね』
「ありがとう。……ところで前にリンゴ買った時も思ったんだけど、〈魔力ペイ〉で商品を買った時って売る側にはどう見えてるの? みんな自然に対応してたけど……」
『ありのままが見えています。ただ〈魔力ペイ〉で支払われてからお店に振り込まれるまでの過程は認識できない仕組みになっていますから、会計時は通貨がちゃんと支払われたという結果だけを覚えるのです』
やっぱり認識阻害がかかってるじゃないか……
とはいえちゃんとお金は払われてるんだし、あんまり気にしなくても大丈夫か……
『それでは、冒険者ギルドに向かいましょう。登録は簡単に済ませられるはずです』
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