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第2話 〈魔力ペイ〉使えます


 ペイポル王国から追放された僕は、〝祝福の儀式〟の翌日には国を出ていた。


 王位継承権どころかペイポル王国の国籍さえブラッドに奪われ、もはや国に留まることなどできなかったのだ。


 マクス家では、既に僕はいなかったもの扱い。


 本当に最低限の所持品とお金だけを持たされて、追われるように城を出た。


 父上も母上も、これまでよく尽くしてくれた従者や臣下たちも、誰も見送りにはきてくれなかった。


 あんな悲しい気持ちで城を出たのは……初めてだったよ。


 それでも、国境のすぐ向こうにある隣国の街まで馬車を出してくれたのは、せめてもの慈悲だったのだと思いたい。


 まだ昼間だというのに僕は暗い面持ちで、街の大通りを歩く。


「今まで王族として生きてきたのに、いきなり追放なんて……野垂れ死ねって言われてるようなもんだな……」


 マクス家の家系図から事実上抹消された僕に、頼れる相手などいるワケもない。


 加えて王家の跡取りとして育てられた僕に特別な技術などあるはずもなく、急ぎ手に職を付けるのも難しいだろう。


 ……数日後には、道端で行き倒れているであろう自分が想像できてしまう。


 最悪だ。


 これが現実だなんて、とても思えない。


「これからどうすればいいんだ……あぁ、お腹空いたなぁ……」


 思い返せば、国を追放されてからなにも食べてない。


 精神的ショックで空腹どころではなかったからだが、流石にお腹の虫が鳴き始めた。


「ちょいとそこのお兄さん! リンゴはどうだい!? 今朝採ったばかりで新鮮だぜ!」


 すると、露店の果物屋が僕に声をかけてくる。


 露店には真っ赤な色の瑞々しいリンゴが大量に積まれており、とても美味しそうだ。


「……それじゃ、1つもらおうかな。いくら?」


「5ギルだけど、お兄さん腹減った顔してるからまけといてやるよ。3ギルでいいぜ」


 ま、3ギルくらいならいいか……


 多少はお金も持っているし……


 そう思って、僕はお金を取り出そうとすると――


『ポポン♪』


 腰のポーチから、軽快な音が聞こえた。


 これは――〝祝福の儀式〟で授けられた板状の物体――タブレットっていうんだっけ? それが鳴る音だ。


 なんだ……? と、僕はポーチから取り出す。


『【魔力決済】がご利用頂けます。〈魔力ペイ〉で支払いますか?』


 片面が点灯し、そんなことを聞いてくる。


 ま、〈魔力ペイ〉ってなんだ……?


 支払うってことは、お金の代わりになるのかもしれないけど……


 まあ一応、これでも〝祝福の儀式〟で授けられたスキルなんだし……試しに使ってみるか。


「それじゃあ支払ってみようかな。とはいえ、これどうやって使うんだろ……?」


『タブレットをかざして、画面の中央に商品を映してください』


「画面の中央……えっと、こうかな……?」


 言われた通りにタブレット掲げてみる。


 すると、タブレットの向こう側にあるリンゴがまるで映像のように映り込んだ。


 これはいったい、どういう原理なんだろう……?


 なんて不思議に思っていると、


『ポポン♪ お支払いが完了しました』


「あいよ、まいどあり! それじゃ1番瑞々しいのを持ってってくんな!」



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