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神はいないと僕は唱えよう  作者: sunltu
努力とその結果
1/4

崇めよ、架空を崇めよ

この世界の魔物のクラス分けを書いて置きます。


S+は単体で大陸を沈めるほどの力を持ちます。

Sは単体で国を滅ぼすほどの力を持ちます。

S−2体以上で国を滅ぼすほどの力を持ちます。


Sランク別名【神話級】


伝説の勇者程の力がなければ討伐は不可能。


A+は単体で防衛都市を窮地に陥れる程の力を持ちます。

Aは単体でごく普通の街を滅ぼすほどの力を持ちます。

A−は3体以上で街を滅ぼすほどの力を持ちます。


Aランク別名【天災級】


B+は王都から討伐隊を組むことが推奨されるほどの力を持つ。騎士長や魔道士長クラスの力で単体を殺せます。

Bは騎士長クラスの力で3体以下の数を対処出来る程の力を持ちます。

B−は普通の兵士20人ほどで対処出来る程の力を持ちます。


Bランク別名【凶悪級】


C+は手馴れの騎士が単体でギリギリ対処出来るほどの力を持ちます。

Cは手馴れの騎士が余裕を持って3体以上の数を対処出来る力を持ちます。

C−は普通の騎士が1人でギリギリ対処出来る程の力を持ちます。


Cランク以下別名はありません


Dランクからはプラスやマイナスの区別がありません。


Dはひとつの村を20体以上で滅ぼすほどの力を持ちます。


Eは普通の大人が対処可能な程の力を持ちます。


いつからだろうか、こんなにも人が残酷に見える。

表向きは笑顔を振りまき、裏では愚痴をこぼす。

平気で命を神に捧げろと言う。


「なんなんだ、都合のいい神ってのは。」


「なんなんだ、命を創り出す神ってのは。」


俺はずっとこの神国で、架空の神とやらに【支配】された国で独り考えていた。


答えは、出ない。出るはずもない。全てを神に捧げたこの国では。どれだけ思考を巡らせても、どれだけ時間を掛けても。


「逃げだそう」


子供でも大人でもない16歳の木々が騒がしく色ずいていた季節だった。












走る。(今戻ればまだ間に合うぞ)

走る。(今からでも引き返せば取り返しがつくぞ)

走るッ。(神とやらに祈って生きていけばどうとでもなるぞ)

走るッ(嵐が近い、生き延びれない、【命】が消える)


「命がどうした、架空の神に作られた命なんて必要ねぇんだよ。」

「俺は、俺はッ、命がなんなのかを見つけるために飛び出したんだ。」

「今引き返す?笑わせるなッ、消えろ、消えてしまえ。」


誰に言うでもなく独り叫ぶ。もしかしたら魔獣に聞こえたかもしれない。この国の狂信者に聞かれたかもしれない


けど「どうでもいい」


ポチャンッ、ポツポツポツ、ザーッ


1粒、3粒、8粒、11粒、数えるだけ無駄だと分かりつつも、限界を迎えた足に注意を向けないよう数え続ける。


「グルルルル」


黒炎の目をした魔獣が現れる。

名前は確か、ダンプビア「どうでもいいんだよッ、邪魔だ退けッ。」


声だけは威勢がいいが、当然ただの一般人に叶うはずもなく赤子の手をひねるように、左手が捻れる。


「ハアッ、ハアッ、痛ッ。」


きっと左手はもう二度と使い物にならないだろう。


それでも【走れッ】誰の声だろうか。自分か?それとも本能なのか?はたまた、神?


「クソッ、神なんていねぇ、現に魔獣は現れないはずの森でB+の魔獣に襲われているじゃないか。」


それでも限界はやってきた、心だけでは体は動かないのだ。


「動け、動けよ、動けよッ!」


「グアアッ、ハァハァ」


いつの間にか魔獣が後ろに居たようだ。俺は死を覚悟した。赤く、紅く輝く瞳を見て、何故か恐怖はなかった。


その瞳は、美しかった。狂ったように、縋るように、神とやらに祈るあの、狂信者よりも。


「お前の目は、綺麗だな。ハハッ何言ってんだろうな、言葉の通じない魔獣に向かってな。」


魔獣は答えない、答えるはずもない










はずだった。

魔獣と目が合う。何か言葉を交わすかのように。


「お前、俺を食わないのか?」


だが、現実はそこまで甘くなかった。魔獣はただどこから食べるか考えていただけなのだ。


「ハハ、そうだよな、神とやらはッ、居ないんだな」


痛い、右足が痛い。

泥まみれになった頬を拭う、更に泥がつく。

結局魔獣は右足だけを食って去っていった。


残酷だ、嗚呼残酷だ、生きたまま右足を食いちぎられ、左手は折れ曲がり、体全体に擦り傷がついている。


「死にたい」


それが本心だった。物心ついた頃から何故か分かっていた、狂った両親に、狂った友達。それ以上の領主、貴族、そして聖女。


神など全く信仰していない金に溺れた貴族は、神の為だと、住民達から金を巻き上げ、命を奪い、私利私欲を尽くすのだ。

この国は狂っている、そう思う自分が狂っている。

もう何を信じればいいのか分からない。


「誰か、教えてくれよ何が。何が普通になのか、何が常識なのか、狂っているのは、どちらなのか。」


そう、初めから分かっていたのだ。


「この世界は最初から、狂っていたのか。」


その思考を最後に意識は途絶えた

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