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吸血少女の非日常  作者: 紅空
3/10

3:校内調査

「では、放課後になりました! 見回りをしよっか。」


「鍵はどうすんの? 警備員にバレないように見回りするんでしょ?」


「うーん、そこは奏の影で。ちょちょいと。ね?」


 そう言うと、本日14回目の溜め息がつかれた。


 (うん。過去最高に溜め息がつかれてる気がするね。)


「で、俺が確認するけどいいの。」


「うん。警備員もこの時間はいないしね。」


 奏は頷いて、指をパチンッと鳴らすと、校舎全体が黒い何かに覆われて

 真っ暗になる。それから、10秒後。光が差し込んでくる。


「…1階も2階も3階も気配はまったくしない。不気味なくらいに。」


「……そっか、不気味…ねぇ。

じゃ、屋上に向かって結界でも結び直そう。」


 私達は屋上に行って、夕日に染まった住宅街を見つめる。

 そして中心核となっている保護色になって

 私にしか見つけられない石を壊す。


 すると、常人には聞こえないパリンという音が鼓膜を震わせる。


「じゃあ…血、頂戴?」


「はぁ。今日もまた、長い眠りへと…。まぁいいや、ほら。」


 奏は諦めたようにネクタイを緩めて首筋を出す。

 それを見て何の躊躇もなく歯を突き立てる。


「んく……んく、ちゅ…」


 奏はたまにビクッと最初の痛みに耐えると後は普通だった。

 そして、血を吸い終わると奏は酷く疲れたような顔をする。


「はぁ~…疲れた。」


「ごめんね?」


 奏に軽く謝った後に、抑えていた力を解放すると

 瞳の色が鮮血のような赤色に変化する。


 そして人差し指で頭上に大きな丸を描くと、淡く輝く光が大きな布が現れ

 その布は広がり学園の敷地全体を囲む。

 そして、数秒が経つと何もなかったかのように消えた。


「よし。こんな感じで良いかな。じゃ、帰ろっか。奏。」


「動けないから、連れてって。」


「あー、はいはい。」


 軽く笑いながら小さくなった奏を抱えて

 夜になった空を飛んだ。


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