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緋奈子回2

4人での会合が済んで数日すると、

とうとう契約が完了したと言う話をヒロ君から受けた。


最終的に諸経費込みで17億円(端数切り捨て)とのこと。

相変わらず、金銭感覚がバグりそうだ。

もともとの金額より3億円も多いことに対して、ヒロ君は言い訳をたくさんしていたが、それも仕方ない。


簡単にだけど、調べてみたらほんとにニューヨークの物価の上がり方は異常だった。

むしろ逆に私たちが向こうで暮らせるかどうかが心配だ。



現状の予定としては、Oビザと呼ばれる芸術分野の仕事で渡米する人に向けてのビザを取得する予定だ。

ヒロ君は問題なくOビザが発給される。たぶん。

大使館に提出するものとしてまずあるのが、雇用スポンサーの存在と、活動実績。


今回は

実際に仕事をいくつか発注してくれていることもあって、雇用スポンサーは弓先生の会社で、これまでの実績としては、CM音楽クリエイターとしての実績とジュリアードでの音楽活動、日本でのアーティストへの楽曲提供実績などを提示するみたい。


でも、私たちはどうなるんだろう。

どのビザを取得しなきゃいけないのか、ちょうどビザの件で連絡をくれた、法務分野をまるっとお任せしてる弁護士の先生に聞いてみたところ、

私たちは社員なのでヒロ君の助手と言う形で、私たちもOビザをもらうらしい。


就労というのが正しいのかわからないけど、就労予定日の90日前から申請可能だから、ヒロくんのを申請出すタイミングで私たちのも進めててくれたんだって。

もうちょっとしたら面接もある。



ほんとにそれで何とかなるのかなって疑問だったけど、うまいことやってくれると言っていた。

確かに私たちは事務所に所属しているタレントでもあるけど、藤原事務所の社員でもあるから。

少しだけど、ちゃんと株式の持分もある。


ちゃんと社員になっててよかったぁ。

でも面接何聞かれるんだろう、怖いな…。

ちなみに、ヒロ君の面接は4日後らしい。


弁護士の先生にはこれまでやってきたことをまとめといてくださいと言われた。

これまで私がやってきたことってなんだろ。

せいぜい楽曲の管理と権利関係の書類の管理、ヒロくんと弁護士事務所の橋渡しくらいしか…。

私会社員モデルなので…。

あんま会社に行くっていうことをしてないけど…。


そのおかげか、よくファッション誌のオフィスカジュアルのページでよく使ってもらってる。



と、まぁそんなことは置いといて。


あと3週間もしたらヒロくんは現地確認のためにアメリカ入りするとのこと。

今回は完全に引越しで、この家を伽藍堂にして出ないといけないので、ヒロくんも準備に余念がない。



準備するヒロくんの横で私や幸祐里、実季ちゃんがあれ持った?これ持った?という話をしまくっているのでヒロくんも少し混乱していて、見てて面白い。


7月から入居なので私たちもちょっとずつ荷造りを始めている。

すでにしばらく使わなさそうなコートや冬物の類はひとまとめにして送ってしまう。ヒロくんがアメリカ入りしている6月初旬に着けば荷受けしてくれるらしい。


できるだけ私たちがアメリカ入りする時には身軽で居たいし、後追いで届く引越しの荷物も少ない方がありがたい。

でも4人で三つ四つのスーツケースパンパンにして持っていけたら結構な荷物が持って行けそうな気がする。


私のスーツケースを引っ張り出してきて、荷造りの準備くらいは始めておこう。

私のスーツケースはヒロくんのリモワと違って、グローブトロッターを使っている。

ちょっと前、撮影で使っていたやつに一目惚れして格安で譲ってもらった。

スタイリストさんが、「古いやつだし、新しいのもあるからいいよ〜」って気前よく。



キャスターがついてるやつも、ついてないやつも両方持ってて、今では5つも持っている。

一番お気に入りのやつは、キャスターがついてないトランクで、少し大きめの、カーキ色の古いやつ。

ヒロくんが前解説してくれたんだけど忘れちゃった。


ちょっとの旅行ならこれで行っちゃう。

傷もガンガンついてるけどこれって味だよね?

よくヒロくんがお手入れしてくれてて、あんま傷が目立ってない。

いつもありがとう、あと自分でやらなくてごめん。




そうこうしているうちに、あっという間に3週間が経ち、ヒロくんの出発の日になった。


この日は朝から大忙し。

ヒロくんは贅沢にもファーストクラスで行くらしい。

なんと羨ましい…!


みんなでヒロくんの荷物を手分けして水色のゲレンデに詰め込んだんだけど、これがまぁ大変で。

結構長めだから、荷物も多くて。

スーツケースもでかいから重くて重くて…。

今回は4つのでかスーツケースと、一つのちびスーツケースだから、じゃんけんで負けた人は二つ持つことになった。


まぁ私が負けたんですけど。


私と幸祐里と実季ちゃんとヒロくんで手分けして詰め込んで、

スーツケース重すぎたけど、やっぱりトラックみたいな車は強いな。びくともしてなかった。



荷物を積み終わった後は、朝食兼壮行会パーティー!


三人で、前日から仕込んだ軽食の類を朝からヒロくんに詰め込む。

ファーストクラスラウンジで何も食べれないようにしてやろうという、裏テーマがあったんだけど、ヒロくんめちゃくちゃ食べるのよ…。

常にエネルギー不足って感じで、どこにあんな量の食べ物が消えていくんだろうと不思議に思う。



用意したメニューは

コブサラダ、サンドイッチ、ローストビーフ、

肉じゃが、おにぎり、納豆、オクラの和え物。

結構気合い入ってるよね。

でもぺろっと行ってたよ。

ローストビーフに至っては5〜6人分は用意したのに多分1人でほとんど食べてたんじゃない?

嬉しそうに食べてたわ。


「じゃ、ヒロくんの健闘を祈って!」


「「「「乾杯!」」」」


「そして!」


「「「行ってらっしゃい!!!!」」」


「ありがとう!行ってきます!!」


という形で送り出しに成功した。


今回の運転は幸祐里なので、空港までの道のりは幸祐里に任せた。

後は私たちが家のことするだけだね。

引越し前にはヒロくんも帰ってくるし、そこまでにはあらかた終わらせようか。


頑張るぞ〜。



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― 新着の感想 ―
[一言] 藤原は雇用主はジュリアードの教師扱いだから1っ発で 通るよね!ジュリアードの教師は世界トップレベルだから アメリカはウエルカムでしょう?女性陣は幸祐里と雛子 は社員枠で、実季さんはピアニスト…
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