名前のない魔女の実験
青い海。
黄色い風。
黒い花。
それらを混ぜ合わせることで、すべては完成する。
私は魔女。名前はまだない。
実験が好き。試験管が好き。お父さんも好き。女の子も好き。
男の子は嫌い。
私は世界を良くしたい。
「良くする」というのは、良い人が増えることだと思っている。
だから、私は頑張ってきた。
けれど、人はコントロールできない。
どうやっても、思った通りにはならない。
それは失敗だった。
だから、人を作ることにした。
材料はこの世に存在しない。
別の世界から持ってくる。
そして、私がイメージすれば、それは生まれる。
やさしくて、嘘をつかなくて、奪わなくて、傷つけない人。
怒らない人。裏切らない人。
私の言うことを、ちゃんと聞く人。
そして、完成。
まだ一人なので、これをコピーして増やす。
そのあとに、今いる人類を皆殺しにする。
皆殺しにした。
みんな良い人になった。
けど、私はその良い人に殺された。




