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二人のブレス ゼータの鼓動  作者: ビッキー


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第四十二話 ナゾコエ③

 では、魔気と竜魔気ではどう違うのか?

 魔気と魔気の勝負であれば、単純に気が強い方が勝つ。竜魔気の特性としては、魔気とドラゴンの生命力がコラボしているとわたしの中のAIは捉えている。

魔気との接触では、魔気を侵食して優位に立てる。攻撃防御の両面でその効果は絶大であるが、圧倒的な魔気の前では無力なのかもしれない。

 まぁ、わたしのは無限竜魔気ゆえに、このボディが耐え得る限りの竜魔気を放出可能だ。 

 無限竜魔気の段階・・・レベルとでもいうのであろうか?もし、あるのであれば彼女が最後対応出来なかったのにも納得がいく。にわか仕込みの対応では無限には無力であろう。


 わたしが自問自答で考え事をしていたが、ティナは空を見つめて微笑んでいた。

 しばらくしてそれに気付くと、何ともカワイイものだなと思うようになっていた。今のわたしは女性であるが、同性でも何か惹かれるものをもっている少女ティナ・・・

 せっかく転生できたのだ。今後は前世のような結末ではなく、幸せな未来を送ってもらいたい。見た目や雰囲気などは、前世の彼女と全く異なるが、フツーに可愛らしい少女である。

 まぁ、キャンティのようにスレていないのが一番素晴らしい・・・というのはここだけの話である。

「ティナ、わたしと共にカイを探していかないか?一人よりも二人の方がアイデアも出てくるし、物事の感じ方も増えてくるだろう。わたしも予知夢でみかけたカイという人物を実際に観てみたい。」

 ディールや謎声ちゃんの真相も気になるが、何故か竜水晶の存在がどうしても引っかかる・・・今後のわたしたち、いやもっとデカイなにかにとって重要なファクターのような気がしてならない。

「うん、いいよ。あたしも一人で旅をするより、そっちの方が楽しめると思うしね。よろしくね、レイ。」

「一つ提案だが、竜水晶は普段観えないように隠しておいた方が良いぞ。窃盗などで無くなっては困るだろう?大事な物だ、必要な時だけに出せば良い。」

「そうだね。あたしの一部だからね。無くなっちゃ困るから、レイの言う通りにするよ。」


 こうしてティナと一緒に旅をすることになったわたしだが、重要なことを聴かなければならないことに気付いたのだった。

「お前、天空の力は使えるようになれそうか?」

「あのさ、天空の力ってそもそも何なのかわかんないのよ。だから、敢えて何も考えていないよ。あたしにはディールと謎声ちゃんがついてるしね。」

 

 やはり、そうであったか・・・

 これでは、天空の石をもらえないではないか。カイを見つけると共に、ブレスに無限の石をセットするのがわたしの目標。

 無限の石は、天空、光、音、剣の石が結合して出来る極の石・・・

 無限の力を発する無限の石とわたしの無限竜魔気は最高のコラボを発する。カイが復活したら、この二つの力を活用してもらい、傾きかけたこの世界の復興をと考えていたのに・・・

 なのに、その天空の石のマスターであるティナが天空の力自体の認識がないのであれば、それは叶わぬ夢。何とかせねばな・・・


「ティナ、わたしが今から天空の力で可能な技を真似てみる。わたしには天空の力は使えないので、実際の天空の力とは異なる。しかし、何かのヒントになれば、それをキッカケに天空の力が使えるようになるかもしれんからな。」

「うん。ありがとう。それをディールでやってみればいいんだね。でも、何でレイが天空の力のスキルを知っているの?天空の力ってレアで、現状はあたしだけが出来るんだって謎声ちゃんが言ってたよ。」

「えっとだな・・・それはあれだよあれ。例の予知夢だ。わたしがそのスキルを喰らった生々しい場面が脳内に鮮明に残っているからな。まぁ、そういうことだ。いくぞ!」

 

 ティナの質問に一瞬、脳内がフリーズしたがすぐに切り替えてピンチを脱した。予知夢とはまったく便利な代物だ。今後も何か困った事態になった際には是非利用していきたいものだ。

 だが、かつてキールが見た予知夢は本物であった。絶対神ゼウスが倒され、スティール星が窮地に追い込まれる・・・今考えても後悔しかない。もっと何かベターな選択があったのではないかと思わずにはいられない。連絡は取っていないが、ヴァン、ゲン、リン、キール・・・皆、元気であろうか。雰囲気の個性で居場所は解るし、竜魔眼でもその居場所は一致しているのは確認済みだ。

 以前の様にブレスを使用しての念波が出来れば、もっと密なコミュニケーションも出来ようが、カイのブレスが消えた以上、わたしも念波グループからは外れていて、それは叶わない。時間を設けて彼らに会ってこなければな・・・今のわたしの姿を見たら驚くかもしれないが、今それは優先順位の後になる。


 わたしはティナの天空の力をまねてみる。天空の力とは大気を波動でコントロールするスキル。

 だが、わたしには大気をコントロール出来る波動パターンは現状不可能だ。ヘルクラッシュは天空の力の解りやすいパターンで、重力をコントロールし相手を押し潰すスキル・・・

 これが出来るのであれば、一番効果的なヒントとなろうが、それは不可能。であるならば、初歩的なスキルだが波動を圧縮して一気に放出する空弾を行おう。


 まずは一発、空弾を発してみる。無限竜魔気をかなり抑え気味にして、今のティナでも対応可能レベルの空弾だ。

 空弾はどんなに視力が良くても、通常対応が不可能だ。見えざる波動は、超感覚がなければ対応が出来ない。キャンティのような剣の達人であれば感覚で反応し、弾き返すことは出来よう。


「ディール!」

 ティナはわたしが放った空弾をディールで対応する。こちらが放った空弾よりもほんの少し上回ったパワーでのそれは、わたしの空弾をかき消したのだった。

 やはり、竜魔気もどきを使ってきたか・・・

しかも、先程のリーズストライクの時より数段使いこなせている。これは戦いながら成長し続けていける戦士としては理想なタイプ・・・

 もっとも、当の本人はそんなことは微塵も考えていないだろうがな。彼女は身を守ることが最優先であって、強さとかスキルを貪欲に吸収していこうとかはどうでも良いと思っているだろう。


「レイ、これが天空の力なの?ディールで対応したから出来たケド、観えないスキルはチョッと怖いよ。」

「あぁ、これはあくまでも初歩的なスキルであって、わたしにはこれ以上はムリだ。何でも噂では、重力をコントロールしたり、相手の神経や脳まで関わることが出来るらしいぞ。要は大気を媒体にしたスキルだから、使い方によってはとんでもないことも可能だろうな。」

 わたしはあくまでも【噂】として伝えたが、実際はカイや前世のティナが色々とやってきたのを間近で観てきた。だからこそ、この力は偉大であることを知っているし、間違った方向へと使われないことを見届けなければならない。


「ところで、謎声ちゃんの声って、どんな感じなのだ?特徴などはあるのか?」

 わたしは疑問をすぐに解決するのであれば、質問をするように決めていた。カイがそうであったように問題解決には必須だと実感したからである。

 当初、謎声ちゃんはクロちゃんだと思っていた。クロちゃんは時の神であり、時間を止めたり戻したりが可能だ。だからこそ、そのメリットを用いディールというスキルで瞬間的にわたしのスキルに対応出来ていると思ったのだ。

 しかし、ティナがわたしの竜魔気に竜魔気もどきで対応しだしてからは、その予想は違うと確信した。 

 竜魔気は突然変異種の気・・・

 例え、もどきだとしても時間をコントロールしてどうにか複製出来るものではない。

 やはり、同調の線が強いな・・・


「謎声ちゃんはね・・・可愛らしい少女の声って感じかな?七~八歳くらいのホント、幼い感じだったよ。」

 うむ・・・予想通り、謎声ちゃんの正体はクロちゃんではない。八歳なら、マイちゃんなのか?マイちゃんなら我々の事を熟知しているし、ティナの事も慕っていた。マイちゃんは光の力の持ち主。滅多なことでは心を開かない。カイとティナが消滅した時もめっちゃ悲しんでいたからな・・・

「そっか・・・その声ってやっぱ透き通った感じだったのか?」

 わたしはさりげなく、探りを入れる。マイちゃんの声はめっちゃ透き通っていて、光が差し込む様な独特の声なのだ。その声は何とも魅力的だし、心が洗われるような感覚におちいる。

「うん、そうそう。何か心が洗われるような感じで、清涼感タップリな声だよ。でも、レイは何でそれが解ったの?」


 何と!

 謎声ちゃんの正体はマイちゃんの可能性が一気に高まった瞬間だった。

「イヤ、別に解った訳ではない。何となくそんな感じだったら、ステキだろうなって思っただけだ。」

 わたしは自分がかけたカマをあくまでも自然体であるが如く、ティナの質問に対応する。

 しかし、疑問が残らない訳でもない。

 仮にマイちゃんが謎声ちゃんの正体だったとしよう。恐らく謎声とは念波であろう。イヤ、そうとしか現状は考えられない。

 念波は、そもそもブレスという通信機器を媒体として念波グループを構成して成り立つモノ・・・

 故にブレスが無いティナとは念波は成立しないのだ。魔王ファイのようにブレス無しでも念波が成立するデタラメな者を除いては・・・

 だが、時代も変わって念波も色々な方法で今は出来るのかもしれない。それをわたしが知らないだけ・・・という線もある。


 ディールというスキルだが、もし仮に同調がその秘密なのであれば、マイちゃんにもそのスキルがあって然り。光の性質から、そのようなスキルは想像がつかないが、わたしの想定外なことをもしかしたら行えるのかもしれない。

 わたしがあれこれ考察を行っているのを見かねて、ティナは明るく元気に声をかけてきた。

「レイ、そんなに悩んだら折角のカワイイお顔が台無しだよ。まぁ、あたしの可愛さには劣るけどね。」

 ティナは舌をペロッと出し、可愛らしく微笑む。前世のティナを彷彿させる、何ともステキなスマイルだ。同性の私でさえ、彼女をギュッとハグしたくなる。

 もしも、わたしの思考が女性ベースのレイではなく、男性ベースのゼロであったのなら、また違った感覚で彼女を感じるのだろうか?

 今はわたしが精神と肉体全てを掌握しているが、時と場合によってはそれをゼロにスイッチすることも可能だ。

 だが、今はわたしが実権を握っている。一分一秒を大切して楽しんでいく。今後、カイが復活してわたしがその隣のポジションにいつもいるのがベストだが、カイがティナを選ぶのならば素直にその場所を彼女に譲ろう。

 カイの幸福とメタル系銀河の復興はわたし個人の幸福よりも大切な事。その指針を曲げることなく最善を尽くして、この頭脳と肉体を使っていこう。

 わたしのパートナーはカイしかいないが、ティナのパートナーもカイしかいないのだ。カイがどのような選択をしても、彼の全てを受け入れよう。それが今のわたしに出来得ることだし、それが心の充足につながると信じて・・・それにカイが魔剣状態を望むのであれば、わたしはいつでも魔剣状態のゼブルに戻れるしな。

 瞳を閉じたわたしは、自問自答しながらコクコクと頷いていた。

 その様子を見ていたティナは首をかしげていた。

 わたしが瞳を開き、彼女を直視すると黙って両手を差し出しわたしの両手を優しく包み込む。

 何とも温かで柔らかい手の平だ。わたしが何やら難しいことを考えていたり、悩んでいたように見えたのであろう。

「レイ、大丈夫だよ。これからは一緒に旅をするんだから、悩んだり困ったことがあったら何でも言ってよね。」

「あぁ、ありがとう。このまま、しばしの間こうしていてくれ。」

 ティナは黙って頷く・・・

わたしは別に悩んでいたりした訳ではないが、彼女の両手を通じ情報をこっそりと把握しようとしただけなのだ。

 ティナの中に存在する竜魔気もどきを感じる・・・

 どうやら、わたしと同様に魔気や波気にも変換することが可能なようだ。まぁ、もし仮にわたしと同調したのなら竜魔気もどきとはいえ、それも当然である。

 しかし、これは何だ?

 これが彼女のレベルなのか?

 ティナの竜魔気もどきから探ったが、あまりにもレベルが低い。イヤ、低すぎるのだ。

 先程、わたしと竜魔トルネードをぶつけ合った時はそうは感じなかった。あの時は一瞬だけレベルが上がったのか?それともムリに合わせたのか?

 それに天空の力、微塵も感じない・・・

 悟られないように出さないようにしているのか?それとも出し方が解らないのか?

 解らないことだらけであったが、一つの仮説は立てることが出来た。

 彼女は弱い・・・と。

 あくまでわたしが考えたことであって、正解は解らない。ただ、こう考えるとつじつまが合うし様々な疑問に合点がいく。

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