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二人のブレス ゼータの鼓動  作者: ビッキー


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第二章 最終話 パニック④(完)

 こうして、アイちゃんの発案で始まったメタル系銀河Reスタート計画・・・

 早速、わたしが作り出したお澄玉を魔糸のブルートゥースで姫まで供給し、環境復元を開始する。ティとディで姫の警護と超電磁リングを使って他の星々も環境改善を行っていった。

 だが、そのエリアが広大過ぎるので神界の神々をも巻き込み、今回こそ自然崩壊が無くなることを目的にして監視の包囲網を作ったのだ。

「これで一安心だな。」

「わたしの魔気が今回使われているけど、嬉しいよ・・・皆、ありがとう。」

「何言っているのかしら。これで良かったのかしら。」


《ひと段落ついたな。》

 突然、念が舞い込んできた。しかも、聞いたことある声が・・・

 目の前に突然、魔王ファイが登場したのだった。念の正体はこいつだったのか・・・

「待っていたぞ。カイ、お前が誕生してくれるのを!正直、待ち疲れたぞ。さぁ、お前は覚醒魔王として今後活躍していくのだ。」

「え?嫌なこった。オレは好き勝手に生きていく。堅苦しい役職などもっぱらご免だ。」

「そこを何とか頼めないか?大魔王様もお前に期待しているのだ。」

 そういや、覚醒魔王の席は空いていたままだったっけ・・・前世のカイが目をつけられていたけど、命を失いスティール星を守った。

あれから八百年もファイは待っていたのね・・・

 ごえもんは何やらブツブツと念を唱えていた。そして空間に歪みが生じ、そこへ逃げ込んでいく・・・

 どうやら時空を破壊し、ファイから逃げたらしい。時空破壊は物凄いエネルギーを周囲に撒き散らし、周囲にも影響をもたらした。

辺りは電磁嵐のようなものが生じた所まではわたしも記憶しているが、その後はわたしの意識もぶっ飛び何がなんやら訳が解らない・・・


「もしも~し!もしも~し!」」

 何やら声が聴こえる・・・ 

「こんな所で立ちながら寝てたら危ないよ。」

 わたしはハッと我に返り、瞳を開け、声のする方へと顔を向けた。

「いよいよ入学式だね!あ、あたしはノゾミ。兼藤ノゾミ。皆からはノンちゃんって言われてるの。ヨロシクね~!」

 え?え~~~~~~~~~~~!!!!!

 何コレ?どういうこと?

 ギャラ子やファイ、ティやディ、姫は?

 周囲を見渡すと多数の知らない女の子や男の子が同じ服装で歩いている・・・

 わたしの服も同じ・・・どういうこと?

「あ、わたしは・・・」

「加藤レイちゃんだね。あたしのことはノンちゃんって呼んでいいよ。あたしもあなたのこと、レイピーって呼んでもいい?」

 よく解らないまま、わたしは黙って頷いた。それにしても、レイピーって・・・

 よくよく見たら、持っていたカバンに名前が縫い付けてある。【加藤レイ】加藤って何なの?わたしはレイ、只のレイのハズなのに・・・

 それにしても、この服は何なの?少し下着が透けちゃってるじゃん。しかも、スカートは超短いし・・・

 後で解ったことだケド、どうやらこの服はセーラー服というものらしい。夏服と冬服があって、夏服は今時期から着て冬服は半年後に着るみたい。何でも冬服はこんな薄着じゃないみたいだから、早くそっちに変わってほしいのよね。


 とりあえず、落ち着くためにトイレを探し出した。個室に入り、改めて服装のチェックを行う。

 やはり見たことの無い服だ・・・

 しかも、下着はこれ何なの~?スケスケでヒラヒラしたものまで付いてて、謎のチャックまである・・・

 まずは雰囲気の個性で皆を探さねば・・・

 え?ティやディ、ギャラ子、イリヤン、ファイ・・・誰も感じられない。

 あ、そうだ!困った時のアイちゃん・・・

《アイちゃん、アイちゃん、お~い!・・・》

 アイちゃんも不通、体内に存在しているハズのゼロも感じられない。

 ブレスは?わたしの両腕には二つのブレスが存在しているハズ。アイちゃんと二人で作り上げた二人のブレス・・・

 無い!!!何で~~~~~?


《ドクン・・・》

 え?何?この鼓動・・・

 わたし以外の鼓動だったよね?

 戸惑いながらも、とりあえずトイレを出て、トボトボと歩き出す。参ったな・・・

 一人ぼっちになっちゃった・・・

 そういえば、ごえもんは何処に行ったんだろ?

 確か、時空が壊れてそこに突っ込んでいったような・・・

 ダメ元で、ごえもんの雰囲気の個性を探ってみる。

 あれ?感じる!感じるよ!!

 ここからすぐ近く・・・あ、いた!

 ごえもんの服装が周囲の男の子たちと同じ物になっていた。顔や体型などは、今までのごえもんのままだ。わたしの雰囲気の個性は健在だった。 

 じゃあ、ティたちは?・・・


 わたしはごえもんの元へと突進する。

「チョッとごえもん!これ、どういうこと?皆はどこなの?ここって、魔界じゃないわよね?わたしの中のアイちゃんとゼロがいなくなっちゃったみたいなんだけど、何か知らない?」

 わたしはパニック状態の為、めっちゃ早口で質問攻めしてしまった。

「オイオイ、そんなに一気に質問されても返答しようがないよ。でも、その服似合ってるよ。下着は気に入ってくれたか?ショーツをはかせるの、結構苦労したんだぜ。」

 ごえもんはニッコリと笑いながら話す。

「な、何言ってるの?あんたがわたしの下着やらを着させたって?」

「だって、お前無意識だったし、時空破壊の影響で服がボロボロでほぼ皆無だったからな。ありがたく思えよ。あ、でも大事な所は見てないからな。」

 わたしは真っ赤になって動けなかった。

 男の子に裸を見られたのは初めてだったし、しかも下着まで・・・

 大事な所は見てないって、絶対ウソだよね。

「なぁに話してるの?こっちのイケメン君はレイピーの彼氏クンかな?それよりもさ、スミレーヌ知らない?さっきから探しているケド、見当たらないんだよね。」

 さっき知り合ったばかりのノンちゃんが声をかけてきた。そのスミレーヌとは誰なの?とは思ったが、恐らくノンちゃんの友人なのだろう。

「んな訳ないよ。只の知り合いだって。スミレーヌちゃんには、会ったこともないから知らないわ。」

 わたしは赤くなっている顔を悟られないようにノンちゃんに説明する。

「でもさ~、この学校イイよね。制服だけちゃんと規定通りのものを身につけていれば、他は自由なんだから・・・レイピーのカラコンとイヤーカフもこの学校じゃOKだしね。」

 えっと察する所、この皆が同じ服を着ているのがどうやら制服というものなのだろう。でもって、学校とは何なのか解らないが、見た感じ同じ年頃の男女が集う場なのかしら・・・

「あの~つかぬことを聞くけど、カラコンとイヤーカフって何なの?」

 カラコンについては知っていたが、知らないフリをしておバカキャラを演出する。

「え?知らないでカラコンとイヤーカフをしていたの?アハハッ!レイピーってオシャレって思っていたケド、面白いね。カラコンはカラーコンタクトレンズの事よ。レイピーは右目が赤、左目が青のカラコンをしてるじゃない?で、イヤーカフは耳に引っ掛けるタイプのアクセサリーよ。でもさ~左右のイヤーカフについている石、とってもキレイよね!」

 え?赤と青の目?

 赤眼と青眼は健在なの?・・・

 じゃあ、赤の一撃や青の二撃は使えるのかな?ていうか、未だにわたしの魔気はブルートゥースでどこかに転送されているのよね・・・

 これって、姫は健在の証拠だよね。

 それにイヤーカフとやらについている石って、もしかしてブレスにハマっていた魔動石たちかな?  チョッと試してみちゃおうかな・・・

 わたしは数メートル離れた小石に赤の一撃を放ってみた。石は音もたてずに粉塵となって風に飛ばされていった・・・

 そして、天空の力で道端の小石に重力をかけてみる。結果、小石は強い重力を受け、土の中に埋もれていったのだ。

 ノンちゃんに察知されることなく、お試しは成功した。そう、わたしの魔気や無限の力などの素気流は健在・・・

 そして密かに検証した結果、竜魔気は消失しているようで、通常の魔気は無限に体内に溢れている。

 きっと、アイちゃんとゼロが体内にいなくなっちゃったから、竜魔気は消えちゃったのね。じゃあ、望んだ身体はもう作れないのか・・・

 まぁ、このステキな身体は気に入っているから、いいんだケド。

 ノンちゃんは、わたしの両目とイヤーカフに興味を持ったのかジッと見つめ、イヤーカフは指先で少し触れていた。

《これ、カラコンじゃないわ。この特殊な瞳は・・・それにこのイヤーカフとハマっている石・・・遂に見つけたわ!》

「あ、そうそう・・・時空の狭間でお前のブレスが壊れてさ、その後自然にブレスが耳飾りになったんだぜ。スゴイよな・・・それにしても、お前の言葉使いとか仕草とか、少し前から変わったよな。ホント、女子力が上がったとしか思えないぞ。」

 ごえもんは小声でわたしに告げる。


 え?ブレスの自然修復化?

 第二形態ってことなの?

 それに、わたしの言葉使い・・・

 確かに今までとは違って、変わったかもしれないわね。あ、変わってるわ。何でなんだろう?お澄って言われるようになってから、変わりつつあるかもって思ってはいたケド、言われてみると確かにそうよね・・・

 ティたちがブレス内で熟成されたけど、もしかしてわたし自身も熟成されたってことなのかな?まぁ、そのうち何かしら解るよね・・・


 えっと・・・今までの情報を整理すると・・・

恐らくここは、わたしがいた世界とは時空が異なる世界。わたし自身の能力はほぼ変わっていない。でも、わたしのブレスは消失し、第二形態と思われるイヤーカフがブレスの役割を果たしている。ブレスじゃないからなのか、時空が異なるからなのかは不明だけど、ティやディたちの声も聞こえないし、皆の雰囲気の個性も感じられない。そして、アイちゃんとゼロがいなくなっちゃった。二人がいなくなっちゃったからと思うケド、無限竜魔気も消滅しちゃった・・・


 唯一の知人がごえもん・・・

わたしの裸を見て、下着の世話までしたという正に黒歴史。

でも、悔しいが何かあれば頼りにせざるを得ないのも事実・・・


 あとはノンちゃんが友達になってくれれば、この世界の情報も少しずつ得られるかな。

姫は順調にメタル系銀河の回復をしているかな?彼女なら大丈夫よね。ティやディもついているし、イリヤンがお目付け役となったギャラ子もいるし・・・

 どうやら入学式とやらも終わり、わたしたちは教室とやらへ移動となった。クラス分けというものがあり、三クラス編成とのことであったが、ノンちゃんとごえもんはわたしと同じクラスになったみたい。ごえもんはいっそのこと、違うクラスというかどっか遠くへ消えてほしかったな・・・


《ドクン・・・》

 ん?何?・・・

 この鼓動、さっきは気付かなかったケド、この感じは姫!耳のイヤーカフから?イヤ、正確には相棒の石から姫の鼓動を感じるわ。

 そういや、前世のカイにこんなことを聞いたことがあったな・・・


《レイちゃん、ゼータ電位って知ってるか?》

《そんなの知らないよ。何なの、ゼータ電位って?》

《ゼータ電位ってスゴいんだぜ。難しい説明を省くと・・・界面の性質を正確に評価する指標って言うのかな。つまり、電気をデリケートに感じられる繊細なもの・・・だから、このゼータ電位みたいな繊細さがあるヤツがいたら、それは指針にしたら良いよ。》

《ふ~ん、そうなんだ。何か難しい話でよくわかんないケド、ゼータって名前だけ覚えとく。》


 この鼓動、何なんだろう・・・

 カイが言っていたゼータが指針になるっていうのと何か関係があるのかな?だって、姫って呼んでいるケド、ホントの名前はゼータだから、ゼータの鼓動が指針になるの?・・・


「では、出席を取る。名前を言われたら、返事をするように。」

 出席とは何なのか解らないが、とにかく加藤レイと呼ばれたら返事をすれば良いのよね。

「青木ジン」

「はい」

「磯辺 シュンヤ」

「はい」

「伊藤アイ」

「は~い」

「加藤レイ」

「は~い」

 ふぅ~どうにか無事に済んだみたい。何か緊張したな・・・

「兼藤ノゾミ」

「は~い」

「佐藤ゼロ」

「おう」

 おうって、そんな返事しちゃう人がいるの?

 え?ゼロ?・・・

 ゼロなんて名前、滅多にないよ・・・

 それにさっきスルーしたけど、アイって呼ばれた人いたよね。

 わたしは伊藤アイと佐藤ゼロと呼ばれた方に視線を送る。

 え?何で?・・・

 わたしは無意識に涙が出てきて止まらなかった。雰囲気の個性を使ってはいなかったケド、間違いない。アイちゃんとゼロだよ・・・

 苦楽を共にしてきた二人だから、すぐに解ったよ・・・


 わたしの中にアイちゃんとゼロがいた。

 しかし、その二人が独立して同じ空間に存在している。

 つまり、つまり・・・

 一人が三人に分裂したってこと?

 こんなキセキってある?

 アイちゃんとゼロに過去の記憶があるかは解らない・・・

 わたし自身もこの新しい世界でうまく立ち回っていけるか不安しかない・・・

 でも、ゼータの鼓動・・・

 これを感知した時に何かしらのイベントがある。

 いつかはスティール星に戻って、皆と話がしたいし、わたしの魔気で復活した自然を堪能したい。

 そういえば、前世のカイが言ってたな・・・

 起こることは必然であり、必要であり、丁度よいタイミングで発生する。

 今、この環境にわたしがいる。恐らく周りの子たちとは異なる能力をもって・・・

 これが何を意味するのかは解らない。きっと、わたしがここにいなきゃいけないイベントが発生するのかな・・・

 この環境を謳歌して、イベントに対応していく。そして、時にはゼータの鼓動も発生するだろう。それを楽しんでいこう・・・

 あ・・・そういえば、ティがくれた石って一体何だったのかしら?

 何かしらの力をもった石なんだろうけれど、結局今の所解らずわからずじまいなのよね・・・

 まぁ、必要な時に力を発揮してくれるよね。今までの環境では必要無かっただけのこと。ティの言葉から察する所、わたしに対しての保険的な感じだった。

 わたしは愛されている。ありがとう、ティ・・・

 わたしには解る・・・

 きっと、二人のブレスがまた出現するって。

だって、ここまでの道のりはブレスが繋いでくれなきゃ有り得ないから。


 カイとティナが作り上げたブレスをわたしとアイちゃんが引き継いで、今はイヤーカフになっちゃったケドね・・・

 もしかしたら、わたしって何でも出来ちゃうスゴイ子だから、ティみたいにブレスを作れちゃうのかも・・・

 まぁ、そんなことは天地がひっくり返ってもムリだけど・・・

 次に出会う二人のブレスを楽しみにしよう。


 だって、ブレスは無限の可能性を引き出すものだから・・・

第二章 終わっちゃいました~♪

ご購読、ありがとうございました。


気に入って頂けたら、書籍はアマゾンにて販売中ですので、「二人のブレス」「二人のブレス ゼータの鼓動」宜しくお願い致します。

また、LINEスタンプもありますので、LINEのショップにて「二人のブレス」で検索をお願い致します。


そして物語は続きます。

第三章、現在構想中です。完成したら、アップしていきますので、お楽しみに!

ありがとうございました♪


                           ビッキー

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