第四十八話 ニンカツ③
雰囲気の個性・・・
更に集中度を高め、気を多方向へと張り巡らせる・・・
キールの雰囲気の個性も感じない・・・
これは、もしかしたら、もしかするのか?
わたしは不安に襲われた。
三竜姫が全員消息不明、気も感じない・・・
ヴァンやゲンは無事なのか?
引き続き、ヴァンとゲンを雰囲気の個性で探ってみる。
ウソでしょ?・・・
ヴァンもゲンも雰囲気を感じない。
イヤイヤ、わたしがミスを犯しているのかもしれないな。
キャンティやマイちゃん、魔王ファイの雰囲気を探ってみよう。これで、誰も感知出来なかったら、わたしのスキルが機能していないということだ。
キャンティ・・・
ん、感じる。間違いない。
マイちゃん・・・
彼女も感じるな・・・
近くにコウさんの雰囲気も感じる・・・
魔王ファイ・・・
《オイ、ゼブルの片割れ!お前、何やっているんだ?オレの雰囲気を探っているということは、何かあったのか?》
うわっ!ビックリした。
わたしが雰囲気の個性で魔王ファイをサーチしていたら、逆にファイから念波が送られてきたのだった。
流石は、雰囲気の個性の生みの親。外部からのサーチにも敏感なのか・・・
わたしは、今までの経緯と起きている現象をファイに念波で伝えた。
《そうか・・・三竜姫が狙われたか・・・狙いは、竜水晶じゃないかって思うんだな?それで、ティナ達の気が感じられなくなってから、どれくらい経過したんだ?》
《正確な時間は解らない。ティナに関しては、それほどの時間は経過していないと思う。他の四人に関しては、いつからなのかは不明だが・・・》
《解った。オレは転生後のティナの気を知らないが探ってみるか・・・とある方法で、そこにある気を探るまでのこと。面倒だが、友の願いだからな。》
《探ってみるって、一体どうやって?まぁ、ファイならわたしの想像を遥かに超えることが可能なのだろうが・・・》
わたしはファイの可能性にかけてみた。こうなった以上、わたしたちでは問題解決することは不可能・・・
クロちゃんがいれば、力になってくれるとは思うが、雰囲気の個性は神界に於いて圏外なのだ。誰でも神界の場所が解ったり、行き来が出来る訳ではない。クロちゃんなら、時を戻したり出来るがそれは今、望むべきことではない。
《知っての通り、オレのスキルはクローズ。スキルのクローズに使うことが一番有効だ。しかし、今回は時をクローズする。期間は一週間、この期間の時をクローズして、そこにティナの気があれば、その気を追えば行き先が解るって寸法だ。》
ファイの姿は見えないが、ドヤ顔で言っているような口ぶりだ。
しかし、そんなことが可能なのか?イヤ、あいつはハッタリやホラを吹くタイプではない。男気があり、頼りになるヤツだ。
《レイ、理論上は可能よ。時間を封鎖して、そこの気を探ることはファイならね。》
《解った。ファイ、頼むよ。もし、わたしが思っているように三竜姫が一緒に狙われているのなら、恐らく竜水晶がキーになると思う。何のために竜水晶を狙っているのかは解らんが・・・》
《時間を少しくれよな。時間をクローズして、気を探るのは相応の時間が必要だ。》
《うん、任せるよ。わたしたちは、ひとまずキャンティの工房に移動しようと思う。何か解ったら、念波で伝えてくれ。》
《あぁ、任せろよ。あと、魔界では・・・まぁ、この件はまた知らせる。》
ファイの念波はここで途絶えた。何か言いかけていたようだが、今は必要あるまい。
わたし達はひとまず、キャンティの工房へと空間転移する・・・
彼女ならではの、ナイスなアイデアが聞けるかもしれないからな。
あ、でもキャンティとキャンディが揃うのか・・・
あの二人が揃ったら、一体どうなるんだろう?
性格も似た感じだし、圧倒されるかもしれんな・・・
わたしたちは、空間転移でキャンティの工房へと移動する。
移動先にてキャンティは、腕組みをして待ち構えていた。わたしたちがここに来るのを待っていたかのようであった。恐らく、魔耳でわたしたちのことを聞いていたのだろう。
目の前には、キャンティとキャンディの姉妹が揃っていたが、やはり髪色以外で異なる点は無く見分けはつけにくい・・・
魔槍を持っているのがキャンディということが見分けのポイントとなるか・・・
それにしても、姉妹二人揃うと絵になるな・・・同性のわたしが見てもウットリとするほどの構図だ。イリヤンに至っては、師匠が二人になったような感じで何やら落ち着きがない。




