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幽霊探偵:生活保護ビジネスの闇に巣食う霊

貧困層を救済するはずの生活保護制度。しかし、その裏では搾取と欺瞞が渦巻いている。人々の無念が怨霊となり、社会の闇に復讐を遂げる。幽霊探偵・伊田裕美が挑むのは、人間の欲望が生み出した怪異。これは、ただの心霊事件ではない——社会の深層に沈む、救いのない現実の物語である。

 伊田裕美:幽霊探偵、旅行ルポライター、ショートカットの黒髪を持ち、知的な印象を与える黒のスーツに身を包んでいた。端正な顔立ちと鋭い眼差しが特徴で、どこか探偵のような雰囲気を漂わせていた。

 伝兵衛:旅行雑誌編集長。

 村田蔵六:陰陽師で湯川寺とうせんじの住職、幽霊探偵の相談相手。


 第1章:謎の死

 都会の喧騒の中、一人の男がアスファルトに倒れていた。街灯の白い光が彼の身体をぼんやりと照らし、その周囲にはじわじわと広がる血溜まり。無機質なコンクリートが暗い赤に染まり、まるで闇が彼を飲み込もうとしているようだった。

 男の名は、大蛭伸之進おおひる しんのしん。六十九歳。現職の衆議院議員。

 彼の名は広く知られていた。もともとは人権派弁護士として労働革命党にスカウトされ、政治の世界に足を踏み入れた男。特に生活保護政策に熱心で、弱者に寄り添う代議士として評価されていた。彼の演説は熱意に満ち、人々の心を打った。

 しかし、その彼が今、無言のまま、冷たくなっていた。

 大蛭の死はすぐさまテレビや新聞で大々的に報じられた。

 「弱者の味方が何故――」

 「本当に自殺なのか?」

 「彼は誰かに消されたのではないか?」

 世間は騒然とした。しかし、警察の発表は意外にもあっさりしていた。

 「遺書が発見された。自殺と判断する」

 そう告げるニュースキャスターの声は、どこか腑に落ちない響きを持っていた。他殺を示す証拠は何一つなく、事件は急速に幕を閉じていった。

 だが、ある者はこの死に違和感を抱いた。

 「これは、ただの自殺じゃない」

 伊田裕美――旅行ルポライターであり、幽霊探偵。

 彼女の鋭い眼差しが、闇に沈みかけたこの事件の扉を静かに開こうとしていた。


 第2章:終わらない死

 大蛭の死から数日が経った。

 だが、それで終わりではなかった。

 最初に死んだのは、大蛭の秘書だった。彼は自宅の寝室で首を吊っているのを発見された。

 発見者は妻だった。彼女が朝、仕事に出かけようと寝室のドアを開けた瞬間、異様な光景が目に飛び込んだ。夫の体は宙に浮いたようにぶら下がり、首にはロープが深く食い込んでいた。しかし、不可解な点があった。足元の椅子は倒れておらず、何かに引き上げられたような形跡が残っていたのだ。

 妻は気づいた。部屋の隅に、黒い影のようなものが、じっとこちらを見ていたことに。

 次に死んだのは、生活保護関連の業務を担当していた役人だった。

 彼は都庁のデスクで倒れた状態で発見された。死亡推定時刻は深夜。しかし、奇妙なことに、オフィスの防犯カメラには、午前二時ごろ、彼が誰もいないはずの会議室に向かう姿が映っていた。

 後日、会議室の監視カメラを確認した警察は戦慄した。

 そこには、誰もいないはずの空間で、男が何かに話しかける姿が記録されていたのだ。まるで、見えない誰かと会話をしているかのように。

 彼は突然、激しく頭を抱えた。そして、何かに引きずり込まれるように、苦しみながら床に倒れ込んだ。

 さらに、三人目の犠牲者が出た。

 市役所で生活保護の審査を担当していた職員だった。彼の遺体は、自宅のバスルームで見つかった。湯船には水が張られていたが、奇妙なことに水面には無数の手形が浮かび上がっていた。

 近隣住民によると、その日の夜、彼の部屋から異常な音が聞こえたという。まるで誰かが壁を叩くような音、そして、うめき声のようなものが深夜に響いていたのだ。

 しかし、彼が住んでいたのは最上階の部屋。誰も隣の壁を叩くことはできないはずだった。

 そして、遺体の傍には、1つのメモが落ちていた。

 「私を見殺しにした」

 この奇妙な連鎖に、警察もマスコミも騒ぎ始めていた。しかし、あまりに不可解な死の連続に、誰もその正体を掴むことができなかった。

 この時点では、まだ裕美は何も知らなかった。ただ、彼女は別の取材に忙殺され、この事件の真相に近づくことはなかった。

 だが、静かに、そして確実に、闇は彼女の周囲にも忍び寄っていた。「これは、きっと……霊の仕業ね」

 彼女の目に、闇の奥に潜む何者かの気配が映った。


 第3章:幽霊探偵・伊田裕美

 東京都荒川区日暮里。

 古びたオフィスビルの一室に、伊田裕美はいた。彼女のオフィスは小さな机と資料棚が並ぶだけの質素な空間だったが、その机の上には、彼女が取材で集めた大量の資料と新聞記事が無造作に積み上げられていた。

 「妙ね……」

 彼女はコーヒーのカップを片手に、新聞をめくった。そこには、ここ最近続いている不可解な死を報じる記事が並んでいる。

 大蛭伸之進の死。

 その後、立て続けに命を落とした公務員たち。

 生活保護制度に深く関わる者ばかりが、次々と命を絶たれている。

 「ただの偶然……とは思えないわね」

 裕美の心臓がわずかに早鐘を打つ。喉の奥が乾き、背筋にうっすらと寒気が走った。彼女の直感が、この事件の背後には得体の知れない闇が潜んでいると強く告げていた。

 彼女は立ち上がり、棚から一冊のノートを取り出した。それは、彼女がこれまでの取材で集めた情報をまとめたものだった。

 まずは、大蛭伸之進について調べるべきだ。

 彼は若い頃から白髪が多く、常に髪を黒く染めていた。そして、公には弱者の味方を演じていたが、実際には冷酷な二面性を持つ男だった。

 彼の関係者に話を聞けば、何か手がかりが得られるかもしれない。

 彼女は椅子に座り直し、ペンを走らせた。

 だが、その瞬間、オフィスの窓がカタリと鳴った。

 「……?」

 夜風かと思い、再びメモを取ろうとしたが、今度は部屋の隅に置かれた書類が、一枚だけ静かに舞い落ちた。

 確かに、風は吹いていない。

 裕美の背筋に、冷たいものが走る。

 やがて、机の上の新聞がめくれた。勝手にページがめくれるはずはない。しかし、それはまるで、誰かが意図的に「ここを見ろ」と指し示しているかのようだった。

 新聞のページには、大蛭が生前に関わっていた生活保護問題についての記事があった。

 「……やっぱり、何かあるのね」

 裕美は、静かに息を整えると、決意を固めた。

 その矢先、オフィスの電話が鳴った。

 「お前、変なことに首を突っ込んでないか?」

 受話器の向こうから聞こえたのは、旅行雑誌編集長・伝兵衛の声だった。

 「何のこと?」

 「お前が記事を集めてるのは知ってる。だが、これは普通のネタじゃないぞ。やめとけ、裕美。本当に危ないぞ。深入りすれば、お前も消されるかもしれない」

 「……気にしすぎよ」

 「俺はお前の上司として忠告してるんだ。いいか、まだ引き返せるうちにやめとけ」

 伝兵衛の声は、いつになく真剣だった。だが、裕美の決意が揺らぐことはなかった。

 「調べてみる価値はありそうね」

 そして彼女は、この闇の深淵へと足を踏み入れることを決めた。


 第4章:救われぬ者の嘆き

 大蛭の調査を進めるうちに、裕美は一人の女性の存在に辿り着いた。

 竹井雅美たけい まさみ、享年三十。

 彼女の人生は、生まれた瞬間から過酷な運命を背負っていた。両親は彼女を育てる余裕がなく、第四子として生まれた彼女は、何の情もかけられることなく施設に預けられた。愛情を知らずに育った雅美は、中学卒業とともに社会へ放り出された。

 だが、世間は彼女に冷たかった。

 学歴もコネもない彼女が安定した職を得るのは容易ではなく、次々と仕事を転々とする日々。低賃金の労働環境で酷使され、生活はギリギリだった。そんな中、彼女は最後の望みをかけて、ある男を訪ねた。

 大蛭伸之進。

 当時、売り出し中の人権派代議士だった彼は、生活保護政策を掲げ、困窮者の味方を装っていた。藁にもすがる思いで助けを求めた雅美は、ようやく生活保護を受けることができた。

 しかし、それは安息の日々の始まりではなく、新たな地獄の入り口だった。

 「俺のおかげで生活できるんだから、それなりの“礼”はしてもらわないとな?」

 大蛭は、雅美の弱みにつけ込み、彼女の身体を弄んだ。何度も、何度も。

 拒むことは許されなかった。彼は権力を持ち、彼女には逃げ場がなかった。耐え続けるしかなかった。

 そしてある日、大蛭は彼女をさらに上の存在へと差し出した。彼が属する政治派閥のボスへ。

 しかし、雅美の死後、大蛭はまるで被害者のように振る舞った。

 彼女の運命は、最初から誰かに弄ばれることだったのかもしれない。

 元々身体が強くなかった雅美は、過酷な仕打ちと絶望の果てに、病に倒れ、誰にも看取られることなく静かに息を引き取った。

 だが、死んでもなお、彼女は解放されない。

 無念と絶望に囚われた彼女の魂は、この世に留まり、彷徨い続けた。そして彼女の怨念は、同じように虐げられ、不当に扱われた無数の者たちの想いと絡み合い、やがて強大な存在へと変わっていった。

 そして今、その怒りは、形となって現れ始めていた。

 しかし、その霊現象をさらに利用し、私利私欲を満たしている者がいた。

 「別の黒幕」——怨霊を意図的に煽り、恐怖と混乱を拡散させ、それを金儲けに利用する者。

 大蛭は彼女の死を政治利用した。

 記者会見の場で、大蛭は壇上に立ち、力強く拳を握りしめながら叫んだ。

 「皆さん、これが今の日本の生活保護の実態です! 竹井雅美さんは、助けを求めても報われなかった! これは日本政府の責任だ!〇〇首相の政策が、彼女を死に追いやったのです!」

 そう語ると、大蛭は突如として顔を覆い、肩を震わせながら涙を流した。彼の姿は、あたかも亡き者を悼む誠実な政治家そのものだった。

 会場にいた記者たちは、一斉にフラッシュを焚き、その様子を記事にするべく急ぎノートを走らせた。

 「こんな社会があっていいはずがない!」

 だが、その涙の裏にある本心を見抜いていた者は、ほんの一握りしかいなかった。

 裕美は、ついにこの事件の本質に手をかけようとしていた。


 第5章:生活保護ビジネスの本当の支配者

 それは、一見すると善意に満ちた社会支援の仕組みに見えた。

 生活保護制度の裏側に潜む巨大な闇——そこには、政治家や行政を裏で操る「生活保護ビジネス」の真の支配者がいた。

 彼は福祉を推進する人権派団体の代表として名を馳せ、NPO法人のトップとして慈善活動を装っていた。しかし、その実態は、貧困層から搾取し、不正受給のシステムを操って莫大な金を巻き上げる冷酷な犯罪者だった。

 大蛭伸之進も、最初は理想に燃えていた。

 「生活保護は本当に困っている人に届けるべきだ」

 そう信じ、弱者のために戦うつもりだった。しかし、黒幕の甘い誘惑と恐るべき影響力に飲み込まれ、次第に犯罪の片棒を担ぐようになっていった。

 金が流れ、票が集まり、権力が手に入る。

 気がつけば、大蛭自身もまた搾取する側の人間になっていた。

 だが、彼は1つ誤算を犯した。

 それは、自分の力だけで権力を握ろうとしたことだ。

 「お前は少し目立ちすぎたな……」

 黒幕の冷たい声が、大蛭の耳元に響いた。その数日後、大蛭は不可解な死を遂げた。

 そして、すべては闇の中に葬られるはずだった——だが。


 第6章 :幽霊探偵、最後の対決

 伊田裕美は、ついに黒幕の正体を突き止めた。

 彼女の鋭い取材力と、霊の存在を察知する直感が、この巨大な闇の扉を開いたのだ。

 黒幕——蛭間団九郎ひるま だんくろうが支配する最後の舞台は、都心の高級ホテルのスイートルームだった。

 「ふん、君か。ここまで来るとは大したものだ」

 ダークスーツに身を包み、端正な顔立ちの男が、ゆったりとグラスを揺らしながら裕美を迎えた。その男——蛭間団九郎は、長年にわたり福祉と政治を牛耳り、陰で莫大な利益を貪ってきた生活保護ビジネスの真の支配者だった。

 「あなたが……すべての黒幕ね」

 「そういうことだ。だが、君に何ができる? 君一人の力で、この組織を崩せるとでも?」

 男の背後には屈強なボディガードが控えていた。すでに逃げの準備も万端。法の網をくぐり抜ける術も心得ている。

 だが、裕美は静かに微笑んだ。

 「私一人じゃ無理かもしれない……でも、私だけじゃないのよ」

 その瞬間、部屋の空気が一変した。

 窓が震え、シャンデリアが軋みを上げる。

 「な……なんだ……?」

 黒幕の顔から余裕の笑みが消えた。

 次の瞬間、空間が歪み、ひとつの影が姿を現した。

 竹井雅美——怨霊となった彼女が、黒幕の目の前に立っていた。

 「——ッ!!」

 男の口が、悲鳴すら発することを忘れたように震えた。

 雅美の影は、ゆっくりと男へと近づいていく。まるで時間が引き伸ばされたかのように、恐怖だけが際限なく広がっていった。

 「待て……! 話せばわかる……! 私は……私は悪くない……!!」

 必死に後ずさる黒幕。しかし、その足はすでに闇の中へと沈み始めていた。

 「う……うわああああああああ!!」

 次の瞬間、男は悲鳴とともに闇に引きずり込まれた。

 部屋は静寂に包まれた。

 やがて、雅美の姿もゆっくりと消えていく。

 「ありがとう……」

 最後に響いたその声は、苦しみから解放された、安らぎの響きだった。

 裕美は静かに目を閉じた。

 しかし、その静寂は長くは続かなかった。


 第7章:収まらない霊

 蛭間団九郎が消え、全てが終わったかのように思えた。

 だが、それは錯覚に過ぎなかった。

 その夜、裕美は夢の中で、あの声を聞いた。

 「終わりじゃない……まだ……まだ……」

 竹井雅美の霊——いや、それだけではなかった。

 次の瞬間、彼女の前に現れたのは、無数の影だった。

 苦しげにうめく声、血のにじむような怨嗟の囁き。彼らは皆、生活保護制度の裏で踏みにじられ、見捨てられた者たちだった。

 雅美は、その全てを背負い込んでいた。

 そして、その怨念はもはや彼女の意志を超え、暴走し始めていた。

 —ドンッ!!

 突然、裕美のオフィスの窓が激しく揺れた。

 夜の静寂の中、強烈な寒気が部屋に流れ込む。

 「これは……まずいわね」

 急ぎ村田蔵六に連絡を入れる。

 「来たか……予想はしていたが、これは尋常じゃないな」

 僧衣を纏った村田は、厳しい顔で呟いた。

 怨霊たちの怒りは収まらない。

 彼らが求めているのは復讐だけではない。

 「人間が作った社会の仕組みそのものに、深い怨みが染み付いている……」

 いくら悪を裁いたところで、彼らの怒りが消えるわけではない。

 裕美はそっと懐から鏡を取り出した。

 それは彼女が密かに伝授された秘儀、『たむならの鏡』だった。

 「たむならの鏡よ、この世ならざる者の怨念を封じ、浄化せよ……!」

 彼女は力強く鏡を掲げ、呪文を唱え始める。

 「幽玄のことわりを越えし者よ、此の光にて安息を得よ——」

 すると、鏡の表面がぼんやりと発光し、怨霊たちの影が波打つように揺れた。

 竹井雅美の霊が、一瞬だけ哀しげな表情を見せる。

 「私は……」

 だが、その想いを飲み込むように、鏡はさらに輝きを増した。

 村田蔵六も経文を唱え、空間を鎮める。

 「南無妙法蓮華経……」

 雅美を含む多くの霊が、次第に光へと引き込まれ、消えていった。

 雅美と彼女が連れてきた霊は退治した。しかし、世の中の浮かばれない霊が滅んだわけではない。

 「……残っているわね」

 裕美は鏡を見つめながら呟いた。

 村田は深く頷き、厳かに言った。

 「人間の罪は尽きぬ……それと同じように、怨念もまた、この世に残り続けるのかもしれんな」

 裕美は静かに息を整え、窓の外を見つめた。

 どこかの路地裏で、どこかの生活の片隅で——

 今もなお、怨霊は静かに息を潜めていた。

 そして彼女は、次なる戦いが始まることを予感していた。

 それは、まだ終わりではないと告げるように——

 どこかの路地裏で、どこかの生活の片隅で、 今もなお、怨霊は静かに息を潜めていた。


 第8章:エピローグ

 温泉地の静かな夜。

 山間にひっそりと佇む旅館の湯殿で、伊田裕美はひとり、湯気の中に身を沈めていた。

 「はぁ……」

 ぬるめのお湯が全身を包み、緊張の糸がほどけていくのを感じる。これまでの戦いで張り詰めていた心と体が、ようやく解放されていく。

 彼女は胸元を押さえながら湯船へと足を踏み入れた。左足から湯に浸かると、温かな感触がじんわりと肌を伝う。股間には小さな手ぬぐいを当て、さりげなく隠しながらも、湯の温もりが次第に肌をほぐしていった。

 湯気が立ち込める湯殿の中、静かに目を閉じる。

 湯の波紋が心地よく広がり、ゆっくりと滑る指先が熱を帯びた肌をなぞる。甘美な痺れが湯の中に溶け、思わず息を詰める。

 深く息を吐き、肩の力を抜く。

 安堵と心地よい緊張が交錯するひととき。

 静寂の中、温泉の湯が小さな音を立てて揺れていた。

社会の片隅で、静かに苦しむ者たちがいる。その苦しみが積もり、形となり、怨霊となるのなら、それは本当に霊現象なのか、それとも社会そのものが生み出した怪異なのか。裕美が見たものは、決してこの事件に限った話ではない。どこかで、今もなお、誰かが声にならぬ叫びを上げ続けているのかもしれない。

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